作品名 | 第一章 背中の女 |
原題 | WAKE UP WITH A NAKED DOLL |
初出 | 『マンハント』1960年4月号 |
粗筋 | 今日の朝のおれは、いつもと違う柔らかいクッションの長椅子の上パンツ一枚で寝ていた。そして目の前には、裸で縛られている女が椅子に座っていた。女の「あんたがレフティを殺した」という声に驚いて隣の部屋に行くと、私立探偵時代に証言して州刑務所に送り届けたレフティ・シュートが銃で殺されていた。おれは落ちている拳銃を拾い、逃げ出した。 |
備考 | 1963年9月に刊行されたカート・キャノン『酔いどれ探偵街を行く』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)に、おまけとして収録。1976年7月に刊行されたハヤカワ・ミステリ文庫版には収録されていない。 |
作品名 | 第二章 おれの葬式 |
原 題 | IT'S MY FUNERAL |
初出 | 『マンハント』1960年5月号 |
粗筋 | 見知らぬ男が、クォートを捜していた。トニ・マカリスターという美女が、フィアット・アルバルドをクォートが買うという。トニは、かつての妻だった。男に案内させてトニの家に案内させると、確かにトニはいた。その瞬間、クォートは男にブラックジャックで殴られた。 |
備考 |
作品名 | 第三章 気のきかないキューピット |
原題 | THE STUPID CUPID |
初出 | 『マンハント』1960年6月号 |
粗筋 | 安宿に泊まって二日酔いのクォートの部屋に、生まれ育ったストリートの食料品屋の娘であるキット・オドネルが訪ねてきた。結婚するつもりだったマイク・マクヒュウが、自室から五日も帰っていないので探してほしいという。マイクのバイト先にいた若い男を脅し、隠れ家に案内させると、マイクが殺されていた。 |
備考 |
作品名 | 第四章 黒い扇の踊り子 |
原題 | CHINESE PUZZLE |
初出 | 『マンハント』1960年7月号 |
粗筋 | クォートのところに、ティエン・リイという女性が訪ねてきた。チャイナタウンで暮らしていたチャーリイ・ルウの部屋で、芸術写真家の白人が殺害された。鍵のかかった部屋に居たのはその白人と、アヘンを飲んで寝ていたチャーリイだけであり、警察に連れていかれたのだが、無実なので助けてほしいという。 |
備考 |
作品名 | 第五章 女神に抱かれて死ね |
原題 | MOOSE BY NOOSE WEST |
初出 | 『マンハント』1960年8月号 |
粗筋 | 臨時収入が入ったクォートはバーで飲んでいたが、一人の男がボーイフレンドと躍っていた若い女に絡みだした。さらに止めようとした黒人のバーテンはにも殴り掛かる。バーテンは襲い掛かった男の腕を手斧で切り落としてしまった。若い女は逃げたが、ハンドバックを落としていった。拾ったクォートが追いかけようとしたら、ドアのところで赤毛の女と遭遇。若い女はシカゴの金持ちの娘であり、ボーイフレンドとニューヨークに逃げてきた。赤毛の女は、彼女を捜しに来た、シカゴの探偵・ジュリイ・ウエストだった。 |
備考 |
作品名 | 第六章 ニューヨークの日本人 |
原題 | A JAPANESE IN NEW YORK |
初出 | 『マンハント』1960年9月号 |
粗筋 | ニューヨークの九月、クーパー・スクエアで飲んでいたクォートと大先生のところに、サンタクロースの服を着た男が近づいていた。ふらふらしていた男は倒れてしまったが、大先生は後頭部を殴られていることに気付き、自室に連れてくる。手当てをしたユミオ・オオイズミという日本の貿易会社の社員は今日ニューヨークに着いたばかりであり、飛行場に来た支社の迎えの者に妙なところに連れていかれ、全く覚えていないという。しかし支社に電話をすると、オオイズミは支社に顔を出し、あてがわれた宿舎に帰ったという。 |
備考 |
作品名 | 第一話 風に振れるぶらんこ |
初出 | 『野性時代』1978年5月号 |
粗筋 | 商事会社社長である新見優からの依頼は、妻の智子と兄の猛との浮気調査。しかし尾行の途中で猛にあっさり見つかり、昼過ぎの喫茶店で組に猛は、智子は務めていたころの部下であり、今は週に一度、掃除と選択をしに部屋へ来るだけだと話す。猛の部屋の前で二人は別れたが、猛はすぐに部屋から出てきた。部屋の中で、智子が殺されていた。 |
備考 |
作品名 | 第二話 鳴らない風鈴 |
初出 | 『野性時代』1978年7月号 |
粗筋 | 久米は行きつけの飲み屋で若者にいきなり殴られた。若者は久米に尾行されていると誤解していた。夜間学校生だというその若者、小牧洋一は誰が尾行しているかを突き止めてほしいと雇うも、店を出てすぐに銃殺されてしまった。すでに6万円を受け取っていた久米は捜査を開始する。 |
備考 |
作品名 | 第三話 巌窟王と馬の脚 |
初出 | 『週刊小説』1978年8月4日号 |
粗筋 | かつての時代劇スター、吹雪京之助こと中川余四郎は5日前、拾った行きずりの女をマンションで絞殺してしまったらしい。しかし飲み過ぎではっきり覚えていない。本当に殺したなら自首するが、まだ記事になっていない。警察に行くとカムバックの支障になるから私立探偵に調べてほしい、という依頼を受けた久米はそれらしきマンションに行くも、その部屋には清川という別の男性が住んでいた。久米が後を尾けていくと、清川は巌窟王というスナックのバーテンだった。中川が飲んでいたのは馬の脚というスナックだった。 |
備考 |
作品名 | 第四話 ハングオーバー・スクエア |
初出 | 『野性時代』1978年9月号 |
粗筋 | 久米は尾行相手が歌舞伎町のディスコに入ったため、法律事務所の事務員である桑野未散に助けを請うた。尾行相手は42歳の人妻、柏木倭文子。商社の課長である夫・英俊からの依頼で、息子が高校に落ちてから家庭が荒れるようになり、最近は酒ばかりを飲み、外泊も多くなったので調査してほしいというものだった。倭文子は高校生ぐらいの若者とディスコを出て、ラブホテルに入った。ホテルから出てきて別れた若者を尾行する久米達であったが、電車で家に帰ったはずの倭文子はビルから飛び降りて死んでいた。 |
備考 | 初出時タイトル「二日酔い広場」。集英社文庫版で改題。 |
作品名 | 第五話 濡れた蜘蛛の巣 |
初出 | 『野性時代』1978年11月号 |
粗筋 | 60際になる織田要造は、金・土になると遅くまで出かけ、他の日も遅くなることが多くなった。心配した妻の弟からの紹介で久米が尾行したものの、その行動をおかしく感じ、逆に話しかけた。晩婚である織田夫婦の19歳の娘、茜は高校卒業後に勤めてはいるものの、夜遊びが激しい。しかも要造の勤め先に、茜が難波昇という暴走族のリーダーとつき合っているようだが、昇は結婚しているので気を付けろ、という密告の電話がかかってきた。どうも密告者は、茜の同級生で時々遊びに来た服部兼雄のようだ。心配している要造の代わりに、久米が捜査に乗りだす。 |
備考 |
作品名 | 第六話 落葉の杯 |
初出 | 『野性時代』1979年1月号 |
粗筋 | 13年前、妻を殺して久米に逮捕された広瀬勝二が、街で見かけた久米に声をかけてきた。今は塗装業を経営しているという。20歳の娘、美津が家を出て男と同棲しているらしいのだが、男の家にいるかどうかもわからないので探してほしいと依頼した。 |
備考 |
作品名 | 第七話 まだ日が高すぎる |
初出 | 『週刊小説』1981年8月26日号 |
粗筋 | 午前一時ごろ、浅草署の本居から久米のところへ、桑野未散が吉原公園で殺されたと電話がかかった。慌てて駆け付けるも、ショルダーバッグや財布などは未散の物だったが、遺体は別人であった。未散の家に電話を掛けると、未散がバッグを盗られたので迎えに来てほしいと午後の十一時に電話があったのだが、十二時半ごろ、迎えに行った兄から待ち合わせ場所にいないと電話があったという。もしかと思って家に帰ると、未散はそこにいた。未散に聞くと、バッグを持ち出したのは高校の同級生で今はトルコ嬢の小室由喜江だという。ところが遺体を見た未散は、由喜江ではない見知らぬ人だと叫んだ。 |
備考 | 集英社文庫版に初収録。 |