作 者 |
横溝正史(よこみぞ・せいし) 1902年、神戸市生まれ。19歳の時に『恐ろしき四月馬鹿』でデビュー。『蔵の中』ほかの耽美的作品、『人形佐七捕物帳』や、戦後の『獄門島』などの本格ものとその作品は多彩でかつ膨大。『新青年』の編集長もつとめた。1981年没。(作家紹介より引用) |
作品名 | 『本陣殺人事件』 |
初 出 |
『宝石』1946年4-12月号連載。1947年、岩谷書店より単行本刊行。
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粗 筋 |
由緒ある一柳家の当主賢蔵の婚礼の晩に響きわたった、恐ろしい悲鳴と琴の音。そして密室状態の離れで、賢蔵夫婦の惨たらしい死体が発見される。現場には三本指の血の手形が残されていた。翌日やって来たアメリカ帰りの金田一と名乗る探偵は、まことに頼りなげな風貌だったが……。(粗筋紹介より引用)
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感 想 |
日本における戦後の探偵小説隆盛の幕開けとなった名作。横溝がいたから、そして本作品があったからこそ、戦後の探偵小説界では本格作品が数多く執筆されていった。 今こうして読むと、極論な書き方ではあるが、例の密室殺人事件しかないことがとても残念な作品。これだけの舞台設定であれば、そしてもっと筆を費やすことを許されたのであれば、もっとすごい傑作が書かれていたのではないだろうか。少なくとも2件目の事件は、もっと変わったものとなっていただろう。 |
備 考 |
第1回(1948年)長編賞受賞。
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