日本推理作家協会賞受賞作全集 第14巻
『人喰い』笹沢左保
- 初版:1995年5月15日
- 定価:630円(税込み)
- 解説:山村正夫
- 底本:不明(記載なし)
収録作品
| 作者 |
笹沢左保(ささざわ・さほ) 1930年、横浜市生まれ。昭和35年に最初の長編『招かれざる客』を刊行。本格からサスペンスまで独特の雰囲気を持つ推理小説のほか、『木枯らし紋次郎』などの時代小説もあり著書は膨大。今も旺盛な創作活動を。 (作者紹介より引用) |
|---|---|
| 作品名 | 『人喰い』 |
| 初出 | 1960年11月、光文社より書き下ろし長編として刊行。 |
| 粗筋 |
花城佐紀子の姉が遺書を残して失踪した。労働争議で敵味方に分かれてしまった恋人と心中するというのだ。だが、死体が発見されたのは相手の男だけで、依然として姉は行方知れずのままであった。姉にかけられた殺人容疑を晴らそうと、佐紀子は恋人の豊島とともに調べはじめる。 (粗筋紹介より引用) |
| 感想 |
笹沢は時代小説なども多いし、作品数も多いので敬遠されがちだが、デビュー後一時期は「新本格派」と呼ばれていたほどの本格推理小説を書きまくっていた。初期の頃は傑作も多いし、男女の恋愛や社会的問題を題材にしながらもトリッキーな本格推理小説には定評があった。本作品もそんな一冊だが、個人的には『空白の起点』や『突然の明日』などの方が好み。もっともそれらの作品は本作品より後に書かれたものだが。本作品は、やや恋愛方面に流されてしまっているところが残念。 笹沢は中期以降のサスペンス小説、官能小説でもトリッキーな趣向を盛り込んでいる。ずっと推理小説にこだわったところは、もっと評価されてもいいと思う。 |
| 備考 | 第14回(1961年)受賞。 |