作 者 |
飛鳥高(あすか・たかし) 1921年、山口市生まれ。昭和22年に『犯罪の場』でデビュー。建設会社に勤務するかたわら作品を発表。トリッキーな密室やサスペンスとその作品は多彩。代表作には『疑惑の夜』や『甦る疑惑』『崖下の道』などがある。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『細い赤い糸』 |
初 出 |
1961年3月、光風社より書き下ろし長編として刊行。
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粗 筋 |
汚職摘発の動きが自分に波及するのを防ぐため、戸塚は上司の殺害を決意する。だが罠にかけた上司はすでに絶命していて、戸塚自身が殺されてしまう。同様に奸計をめぐらせた三人がいずれも成功を目前にして殺されてしまった。一件無関係な四つの死。そこに底通する見えざる手。 (粗筋紹介より引用)
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感 想 |
飛鳥高というと機械的なトリックを書くというイメージがあるのだが、本作品は無関係に見える四つの事件が最後で繋がる構成の妙を楽しむ作品。一つ一つの事件も結構凝っているし、最後の結末もかなりのもの。押さえた文体が、かえってその面白さを浮かび上がらせている。本職が忙しく、なかなか作品を読めないのは残念。
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備 考 |
第15回(1962年)受賞。
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