作 者 |
石川喬司(いしかわ・たかし) 1930年、愛媛県生まれ。東京大学仏文科卒業。60年代初めからSFやミステリーの評論、さらには小説を手掛ける。また競馬評論家としても著名。主著に『魔法つかいの夏』『極楽の鬼』『走れホース紳士』など。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『SFの時代 日本SFの胎動と展望』 |
初 出 |
1960〜70年代に解説、雑誌、書評などに執筆したものをまとめ、1977年11月、奇想天外社より刊行。
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粗 筋 |
日本SF史に欠かせない10人の作家の本質に迫る「作家論のためのノート」。古代までその源流を遡って語る「SF・夢の文学」。時代の流れをヴィヴィッドに捉えた「時評」。揺籃期から評論家兼作家として、日本SFを見守ってきた著者による充実したSF評論。SFファン必携の名著。 (粗筋紹介より引用)
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感 想 |
SF界に名を残す10人の作家を論じた「作家論のためのノート」。古代からSFの歴史を語った「SF・夢の文学」、そして1960年代から70年代初頭までの「時評」の三章より構成されている。 SFはほとんど読まないため、中の評論については何も言わないし、評はしない。ただし、著者がSFを愛していたかが、よく読みとれる。これは読んでみたいと思わせる時評もさすがである。本の評価とは別だが、海野十三と「SFマガジン」の発行までの間を埋めてきたのは手塚治虫であり、もっとSF界からも評価すべきではないかと思うので、誰かこの周辺を書かないものであろうか。 当時の現在形の作家を論じた評論を今読むというのはなかなか難しいし、戸惑いがあるのは確かである。しかし、再刊を喜ぶべき一冊であるのは間違いない。 |
備 考 |
第31回(1978年)評論その他の部門。
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