作 者 |
檜山良昭(ひやま・よしあき) 1943年、茨城県生まれ。早大政経卒。京大大学院中退。76年にノンフィクションの『SAナチス突撃隊』を刊行。国際謀略サスペンス、近未来小説、戦記シミュレーション、時代小説と幅広い作品を発表。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『スターリン暗殺計画』 |
初 出 |
1978年、徳間書店より書き下ろし刊行。
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粗 筋 |
戦争の暗雲がたちこめる昭和13年6月、ソ連内務省人民委員部極東地区長官のリュシコフ大将が「満州国」に亡命した、と陸軍報道部は発表した。粛清を逃れてのことだが、彼がもたらした情報をもとに日本の参謀本部は「熊工作」を企てる、歴史の暗部に消え去った要人暗殺計画を。 (粗筋紹介より引用)
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感 想 |
リュシコフ大将の亡命という歴史的事実と膨大な文献と資料、そして関係者らの証言を基に、歴史の暗部に隠されたある計画を浮かび上がらせる。歴史上の事実に虚構の出来事を組み合わせた冒険小説、謀略小説はあるが、この小説のようにドキュメンタリー形式でまとめ上げた小説はこの作品が初めてではないだろうか。ノンフィクションの手法をあえてそのまま持ち込むことによって、かえって真実を追究するドラマ性を盛り上げる結果となっているのだから面白い。この壮大なスケールの物語、読んで楽しまなければ損。
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備 考 |
第32回(1979年)長編部門。新人第一作の受賞は初めて(新人賞の香山滋を除く)。
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