作 者 |
植草甚一(うえくさ・じんいち) 1908年、東京生まれ。映画、ジャズ、文学にかんするエッセイが人気を呼び、「ポップ・カルチャアの先生」と言われた。1972年ミステリー評論『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』。78年本書刊行。1979年没。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『ミステリの原稿は夜中に徹夜で書こう』 |
初 出 |
「1 ミステリの原稿は夜中に徹夜で書こう」:『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』1974年4月号〜1976年1月号掲載(休載有り)。 「3 ミステリ・ガイド」:『読売新聞』1974年8月〜1977年11月掲載。 「4 ちいさな教室で10回もやった探偵小説の歴史の講義」:『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』1975年2月号〜12月号掲載(休載有り)。 1978年、早川書房より刊行。 |
粗 筋 |
本に埋もれながら原書を読破する暮らしのなかで綴られた著者ならではのリズムが心地好い読書日記、新刊時評、そして蘊蓄のある「探偵小説の歴史の講義」と、海外ミステリの過去と現在と将来を学びながら、読書ライフを充実させることができる格好のエッセイ書としての必携本。 (粗筋紹介より引用)
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感 想 |
ニューヨークから海外ミステリを紹介した「ミステリの原稿は夜中に徹夜で書こう」、背表紙や表紙の写真を集めた「ニューヨークで買ったミステリの本」 、海外ミステリの書評「ミステリ・ガイド」、カルチャーセンターで行われた推理小説講義のテープを起こした「ちいさな教室で10回もやった探偵小説の歴史の講義」を収録。 植草甚一、JJといえば海外ミステリ、ジャズが思い浮かぶ。『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』は本当に面白かった。ではこの評論集は? やっぱり面白い。時代を超えても読み応えがある。けれど、あくまでミステリの見方の一面だよね。「人間を書く」ことに力点を置いているから。 こんな風に、軽妙洒脱な文章を書けるおじさんがミステリ評論家・作家にはいなくなったような気がする。「本格」や「ホラー」や「ハードボイルド」を熱く語る人はいっぱいいるけれど。それが悪いというわけではないが、たまには肩肘張らずにミステリを語る文章が読みたいというだけ。 |
備 考 |
第32回(1979年)評論その他の部門。
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