作 者 |
西村京太郎(にしむら・きょうたろう) 1930年、東京生まれ。人事院勤務ののち作家に。『天使の傷痕』により江戸川乱歩賞を受賞。夥しい作品を生んでブームを将来したトラベル・ミステリーは53年発表の『寝台特急殺人事件』をもって嚆矢とする。 (作者紹介より引用)
|
作品名 | 『 |
初 出 |
1980年7月、光文社カッパ・ノベルスから書き下ろし刊行。鉄道推理シリーズ第三弾。
|
粗 筋 |
青森の高校の同窓生男女七人が計画した、卒業後七年目の郷里への旅に忍び寄る死の影……。上野駅で通商省の役人が殺され、寝台特急から運送店社長が失踪し、青森でも殺人事件が……。動機不明の連続殺人に、青森出身の亀井刑事と十津川警部による必死の捜査が続くのだった。 (粗筋紹介より引用)
|
感 想 |
ミステリ界でブームを築いた作家は色々いるが、トラベル・ミステリーというジャンル込みでブームを築き、長く活躍し続けたのは西村京太郎ぐらいだろう。色々な作家がトラベル・ミステリーを書いたが、やはりトラベル・ミステリー=西村京太郎という方程式は今でも崩れていない。 本作品は、西村トラベル・ミステリーの代表作といえる。トラベル・ミステリーといっても、ただ列車が出てきたり旅行をしたりというわけではない。そこにはやはり基本となくミステリの土台が必要となってくる。様々なジャンルのミステリを書いてきた西村だが、それは本格ミステリも例外ではない。『殺しの双曲線』などの優れた本格ミステリを書いてきた西村が、本作ではアリバイトリックや密室トリックなど様々なトリックを組み込み、犯人の謎、そしてその動機の謎を読者に投げかける。単なる流行りものと考えず、一度は目を通すべき作品。西村の代表作と呼ぶに相応しい一冊である。 |
備 考 |
第34回(1981年)長編部門。
|