作 者 |
中薗英助(なかぞの・えいすけ) 1920年、福岡県生まれ。純文学作家として出発後、61年に『密書』63年に『密航定期便』を発表、国際スパイ小説の草分け。他に『北京飯店旧館にて』(読売文学賞)『鳥居龍蔵伝』(大佛次郎賞)など。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『闇のカーニバル スパイ・ミステリィへの招待』 |
初 出 |
1980年3月、時事通信社より刊行。表紙カバーは渡辺啓助。
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粗 筋 |
国際政治の闇の世界に跳梁するスパイを、政治と思想のエンターテイメントとして描くスパイ・ミステリ。日本の第一人者として意欲的な活動を続けてきた作者が、その現状と将来を考察し、政治の流体力学のなかで生きる存在としてのスパイ像を追究した実作者ならではの論集。 (粗筋紹介より引用)
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感 想 |
日本におけるスパイ小説の第一人者である中薗英助が語るスパイ小説。多くの雑誌に掲載されていた評論、短文をまとめているため、似たような論調、内容の文章が続くところがあるのはちょっと残念だが、当時ではまだまとめられていなかったスパイ小説の歴史やその骨格などについてまとめられている点については非常に助かるし、読んでいても面白い。スパイという存在、そして国際情勢とのかかわりを考察した、実作者ならではの視点も参考になる。 とはいえ、やはり作者には小説で受賞してほしかったな。 |
備 考 |
第34回(1981年)評論その他の部門。
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