日本推理作家協会賞受賞作全集 第42巻
『アリスの国の殺人』辻真先
- 初版:1997年11月15日
- 定価:581円+税
- 解説:香山二三郎
- 底本:『アリスの国の殺人』(徳間書店)
収録作品
| 作者 |
辻真先(つじ・まさき) 1932年、名古屋生まれ。29年NHKに入社。開局間もないTVの制作演出からアニメ脚本家に。ジュニアもの『仮題・中学殺人事件』を最初にミステリーを手掛け作品多数。旅、鉄道、温泉にまつわる本も多い。 (作者紹介より引用) |
|---|---|
| 作品名 | 『アリスの国の殺人』 |
| 初出 | 1981年4月、「夢の図書館」シリーズの一冊として大和書房より書き下ろし刊行。 |
| 粗筋 |
児童文学の編集を志しながら、はからずも漫画誌編集に携わる綿畑克二。夢のなかの『不思議の国のアリス』の世界でチェシャ猫殺害事件の容疑者にされて慌てていいると、現実世界では上司の編集長が殺されて大騒ぎ。交錯する夢の世界と漫画ジャーナリズムの現に翻弄され克二は……。 (粗筋紹介より引用) |
| 感想 |
小説内小説や多重構造を駆使した先駆者・辻真先の代表作。
主人公・綿畑克二は、現実世界と仮想世界の両方で容疑者にされるが、
その仮想世界にはアリスなどに加え、
ニャロメ、ヒゲオヤジなど漫画キャラクターが登場する不思議な空間が広がる。 現実世界では辻作品でおなじみのスナック「蟻巣」が登場し、 どちらが現実でどちらが虚構なのか、読者は心地よく混乱させられる。 いつの間にか作者の手のひらで転がされていることに気づくのは、 もう読者の“負け”なのだろう。しかしそれが心地よい。 ただし本作を読むなら、絶版となった大和書房版を探すべき。 イラストがないと面白さが半減するためで、 権利関係があるにせよ、なぜ収録しなかったのか問いただしたくなる。 |
| 備考 | 第35回(1982年)長編部門受賞。 |