作 者 |
岡嶋二人(おかじま・ふたり) 井上泉(1950〜 )と徳山淳一(1943〜 )の合作名。82年、『焦茶色のパステル』で第28回江戸川乱歩賞を受賞する。『99%の誘拐』など話題作多数。89年、惜しまれつつコンビを解消した。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『チョコレートゲーム』 |
初 出 | 1985年3月、講談社ノベルスより書き下ろし刊行。 |
粗 筋 |
殺されたのは中学三年の貫井直之、息子の同級生だった。作家の近内は、昨晩帰宅しなかった我が子が気になり、学校を訪ねる。そこで知ったのは秘密めいた「チョコレートゲーム」だった。いったい今、学校で何が起こっているのか?その原因がわからぬまま、新たな殺人事件が起こる。 (粗筋紹介より引用)
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感 想 |
再々読である。この作品が発売された頃、いじめが社会的な問題になっていた。この作品は、本格作品であると同時に、当時の社会世相を鋭くついた作品でもあった。今の日本では、子供が“未熟な”大人に成長する年齢がどんどん早まっている。そのような社会を作り出したのは大人たちであるのに、大人はそのことに気付いていない。そしてまた、自分たちがいかに早く「大人」になろうとしたかと言うことを忘れ去っている。学校という今の管理体制は既に崩壊した。もっと子供達にも権利と、そして責任を持たせるべきである。久しぶりに読み返し、そんなことを思った。15年以上も前の作品であるが、まったく色褪せていない。これが岡嶋の代表作かと言われるとちょっと疑問が残るが、忘れられない作品である事に間違いはない。
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備 考 |
第39回(1986年)長編部門。
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