日本推理作家協会賞受賞作全集 第82?83巻
『魍魎の匣』(上)(下)京極夏彦
- 初版:2010年6月13日
- 定価:上下巻 952円
- 解説:東雅夫
- 底本:『魍魎の匣』上中下(講談社文庫・分冊文庫版)
収録作品
| 作者 |
京極夏彦(きょうごく・なつひこ) 北海道小樽市生まれ。広告代理店等勤務を経て制作プロダクションを設立。1994年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。1997年に『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞を、2003年に『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞を、2004年に『後巷説百物語』で第130回直木賞を受賞。アートディレクターとしてデザイン・装丁も手掛ける。 (作者紹介より引用) |
|---|---|
| 作品名 | 『魍魎の匣』 |
| 初出 | 1995年1月、講談社ノベルスより書き下ろし刊行。 |
| 粗筋 |
【上巻】 駅のホームから転落した加菜子が電車に! 瀕死の美少女が運び込まれたのは、箱としか言いようのない医学研究所。だが、衆人環視のなか、忽然と姿を消す。その事件を追う刑事の木場と、奇妙なバラバラ殺人事件を調べる作家の関口。そして、探偵の榎木津も加菜子を捜し始めたとき、皆が頼りにしたのは、古本屋にして憑物落しの拝み屋・京極堂だった。 (上巻粗筋より引用) 【下巻】 箱を祀る奇妙な霊能者と美少女の秘めた過去、そして箱詰めにされた四肢。バラバラ殺人の被害者を結ぶ線が明らかとなり、犯人としてある男が手配されたが……。探偵の榎木津、文士の関口、刑事の木場を従えて、京極堂はついにあの研究所へと向かう。美少女はいったいどこに? 魍魎という憑き物をいかにして落とす? 驚愕の真実がいま明らかになる。 (下巻粗筋より引用) |
| 感想 |
デビュー当時のフィーバーぶりが懐かしい。
あのころの京極は、分厚い長編を短期間で連発し、その密度と勢いで読者を圧倒していた。
いつしかミステリから離れ、京極堂シリーズも途絶えてしまったが、
そろそろ復活を望む声は多いはず。 本作は、京極が“ミステリと妖怪”のバランスを最も巧みに保っていた時期の代表作。 選評で小栗虫太郎や夢野久作の名が挙がるのも納得で、 戦前探偵小説の妖しさを現代に蘇らせたような雰囲気が漂う。 科学よりも“怪”が勝っていた時代を舞台にした傑作であり、 この頃の京極堂シリーズのような探偵小説を、 もう一度読んでみたいと思うのは私だけではないだろう。 |
| 備考 | 第49回(1996年)長編部門。 |