日本推理作家協会賞受賞作全集 第84?85巻
『ソリトンの悪魔』(上)(下)梅原克文
- 初版:2010年6月13日
- 定価:上巻 933円、下巻 886円
- 解説:山前譲
- 底本:『ソリトンの悪魔』上下(ソノラマ文庫ネクスト)
収録作品
| 作者 |
梅原克文(うめはら・かつふみ) 富山県生まれ。会社勤務やアルバイトの傍ら執筆活動を続け、1993年、同人誌「宇宙塵」に発表の中編を大幅に改稿した『二重螺旋の悪魔』で本格的にデビュー。娯楽性に富むダイナミックな作風で注目を集めた。さらに、『ソリトンの悪魔』、『カムナビ』、短編集の『サイファイ・ムーン』を刊行。 (作者紹介より引用) |
|---|---|
| 作品名 | 『ソリトンの悪魔』 |
| 初出 | 1995年8月、朝日ソノラマより上下二巻で書き下ろし刊行。 |
| 粗筋 |
【上巻】 日本最西端に位置する与那国島の沖合に建設中の<オーシャンテクノポリス>。その脚柱が謎の波動生物の攻撃を受け、巨大海上情報都市は完成目前で破壊されてしまった。とてつもない衝撃は、近くの海底油田採掘基地<うみがめ200>にも危機的状況をもたらす。オイルマンの倉瀬厚志は基地を、そして遭難した娘を救出するため、死力を尽くすが……。 (上巻粗筋より引用) 【下巻】 本能の赴くままに海上保安庁の巡視船を次々と破壊し、海上自衛隊や台湾海軍の潜水艦を翻弄していく、< (下巻粗筋より引用) |
| 感想 |
やっと読めた。今頃読んでこう書くのも何だが、これはSF近未来海洋冒険物の大傑作である。
“ソリトン”という設定、海洋という舞台、ページを閉じさせない怒涛の展開。
作者の言う「自然科学のデータを土台にした現実とSFの境界が曖昧になるアイディア・ストーリー」
と「ノンストップ・ジェットコースター・アクション」のリミックスはまさにその通り。 無条件で「読め」と言いたくなる作品だが、ジャンルとしては“ミステリ”より“SF”寄り。 とはいえ『日本沈没』や『妄想銀行』も協会賞を受賞しているのだから、 本作が受賞しても何の問題もない。 なお初刊本では舞台は2006年だったが、後に2016年へと改訂。 あと5年で舞台の都市になるが、残念ながら巨大海上情報都市は実現しそうにない。 |
| 備考 | 第49回(1996年)長編部門。 |