作 者 |
風間賢二(かざま・けんじ) 東京都生まれ。出版社勤務ののち、海外幻想文学やポストモダン小説の紹介・翻訳を。著書に『スティーヴン・キング 恐怖の愉しみ』、『ジャンク・フィクション・ワールド』、『怪奇幻想ミステリーはお好き?』など。「ダークタワー」シリーズ(S・キング)ほか訳書多数。編書として、『ヴィクトリア朝妖精物語』や『コンプリート・ディーン・クーンツ』がある。 (作者紹介より引用)
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作品名 | 『OUT』 |
初 出 | 1997年7月、<角川選書>の一冊として書下ろし刊行。2002年に角川ホラー文庫から増補改訂版が出版されている。 |
粗 筋 |
文学の発生と同時に存在していたのが、恐怖の物語である。そこからいかにしてホラー小説がジャンルとして確立されたのか。西欧ホラー小説の系譜をたどり、その特性を考察する。さらに、近代が生んだ三大モンスター、フランケンシュタイン、ドラキュラ、狼男を論じ、究極のモダンホラー・ベスト100を選出。ホラー小説の本質と魅力を語り尽くす。(粗筋紹介より引用)
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目 次 |
第1部 西洋ホラー小説史 第2部 近代が生んだ三大モンスター 第3部 究極のモダンホラー・ベスト100 |
感 想 |
ホラー小説の歴史とベスト100を載せた入門書兼ガイドブック。日本でようやくホラー小説の芽が伸びてきたところに出版されたということもあり、当時は結構重宝されたと聞いている。日本ホラー小説(というより怪談、怪奇小説か)が無いのは残念だが、当時の状況を考えると仕方の無いことか。 個人的なことをいえば、ゴシック・ロマンスの系統についてはほとんど知識がなく、かつ読んでも興味が湧かなかった。あくまで歴史的な流れを書く方に専念しており、どう面白いかという部分についての工夫が無かったのは残念(まあ、ページ数の問題だろうけれど)。 三大モンスターはドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男。藤子不二雄A『怪物くん』を読んでいればおなじみ(って違う……違わないか)。狼男の代表的な作品が無いということには少々びっくりした。 残念なのはインデックスがなかったこと。あるとないのとでは、便利さが全然違う。やっぱり小説や作者から逆引きしたいことも多いし。それに、どうせ出すなら増補改訂版を出すか、さらに増補してもらった方が良かった。 |
備 考 |
第51回(1998年)評論その他の部門。
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