日本推理作家協会賞受賞作全集 第95巻
『花の下にて春死なむ』北森鴻
- 初版:2016年6月19日
- 定価:583円
- 解説:愛川晶
- 底本:『花の下にて春死なむ』(講談社文庫)
収録作品
| 作者 |
北森鴻(きたもり・こう) 山口県下関市生まれ。1995年、明治初期の歌舞伎界を背景にした『狂乱廿四考』で鮎川哲也賞を受賞。『花の下にて死なむ』に始まる香菜里屋シリーズ、異端の民俗学者・蓮丈那智のシリーズ、骨董業界を描く旗師・宇佐見陶子のシリーズ、博多を舞台にした『親不孝通りディテクティブ』、京都を舞台にした『支那そば館の謎』など、多彩な作品を発表するも、2010年に48歳で死去。 (作者紹介より引用) |
|---|---|
| 作品名 | 『花の下にて春死なむ』 |
| 初出 | 『創元推理』『オール讀物』等に掲載。 書下ろしを加え、1998年、講談社より単行本刊行。 |
| 粗筋 |
ひっそりとアパートの自室で息をひきとった、初老の俳人の片岡草魚。なぜか彼の身元や血縁関係を示すものは何一つなかった。俳句仲間でフリーライターの飯島七緒が、残された句帳から過去を追っていくと……。東京は三軒茶屋の路地に、ひっそりと佇むビアバー「香菜里屋」。料理も絶品なマスターの工藤が、常連が持ち込んでくる謎と人生を解き明かしていく連作短編集。 (粗筋紹介より引用) |
| 収録作品 | 「花の下にて春死なむ」「家族写真」「終の棲み家」「殺人者の赤い手」「七皿は多すぎる」「魚の交わり」 |
| 感想 |
三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」のマスター、工藤哲也が、客の持ち込んだ事件の謎を解き明かす安楽椅子探偵シリーズ。
この後、『桜宵』『螢坂』と続き、『香菜里屋を知っていますか』で完結する。 主眼がどうしてもビールとマスターの料理になってしまうほど描写が優れているが、 工藤の論理的な推理もまた魅力。 まとめて読むとやや地味に感じるが、一作ずつ読むと作者の筆の巧さが際立つ。 ベストは表題作だが、「魚の交わり」もまた面白い。 |
| 備考 | 第52回(1999年)短編および連作短編集部門。 |