| 第1回(2017年) |
| 受賞 |
赤松利市「藻屑蟹」 |
表からは見えない社会の醜さ、ドロドロさ。そして溜まったマグマが爆発するところ。それはまさに初期の大藪春彦が描いてきた世界、そのもの。圧倒的な暴力こそないものの、大藪春彦を彷彿させるストーリー、まさに第1回受賞にふさわしい。 |
| 第2回(2018年) |
| 受賞 |
西尾潤「愚か者の身分」 |
文章自体が粗いし、構成も今ひとつで読みにくい。はっきり言って、受賞できたのはラストシーンのシュールさ。それだけだろう。 |
| 第3回(2019年) |
| 受賞 |
青本雪平「ぼくのすきなせんせい」 |
未読 |
| 第4回(2020年) |
| 受賞 |
野々上いり子「青葱」 |
主人公、母、祖母の女性三人が死体隠蔽を巡って右往左往する姿がメインのストーリー。三人の会話がユーモラスではあるのだが、肝心の中身は理解できない行動・言動が多い。とりあえず選びました感が強い。 |
| 第5回(2021年) |
| 受賞 |
浅沢英「萬」 |
賭けビリヤードが題材。小説全体に流れる哀しいモノトーンの調べが、読者を酔わせてくれる一編。ただ作曲能力はあっても、演奏能力がまだまだ発展途上。そんな印象を受けた。 |
| 第6回(2022年) |
| 受賞 |
天羽恵「日盛りの蟬」 |
江戸の敵討ちを題材にした作品。スワッピングという設定に意外性はあるが、ストーリー自体はオーソドックスなもの。ただ、その筆力が凄い。ある程度終わり方が予想付いたとしても、読み始めたら止まらないだろうし、読み終えたら幸福感に包まれる。この抜群と言える完成度、新人とはとても思えない。ただただ、読んで楽しんでほしい短編。これは長編も読んでみたくなる。 |
| 第7回(2023年) |
| 受賞 |
安孫子正浩「等圧線」 |
未読 |
| 第8回(2024年) |
| 受賞 |
伽村あきら「檻の中のワルキューレ」 |
未読 |