作品名 | 人間豹 |
初 出 | 『講談倶楽部』(講談社)昭和9年5-昭和10年5月号。 |
粗 筋 |
まっ赤な肉の表面に針を植えたようなささくれのある舌、巨大な両目に光る蛍光、黒ずんだ骨ばった顔――人間豹・恩田に最初の恋人を食い殺された神谷は、今また次の恋人レビューの女王・江川蘭子を降りしきる紙吹雪の中、奪われようとしている。明智小五郎の妻・文代さんも危ない! 人間豹の残虐はいかに。
(裏表紙より引用)
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感 想 |
人間豹とあるが、本作では本当に豹のような動きをする人間であり、一体どうやって生まれたのか不思議な人物である。人獣混血というのは、さすがに突飛すぎ。こんな奇怪な人物が、本作の事件を起こすまで何も騒がれなかったというのが不思議で仕方がない。女性の好みが一致する神谷の恋人を二人も斬殺するが、なぜこのような残酷なことをするのかも不明。明智小五郎も振り回されっぱなしだが、推理のしようもない相手であるし、明智を出したこと自体勇み足ではなかったか。 支離滅裂な話で、最後は逃げを打っておしまい。失敗作だろう。 |
備 考 |
中島河太郎は、黒岩涙香『 |