江戸川乱歩推理文庫第22巻(講談社)
『暗黒星』



【初版】1988年9月8日
【定価】480円
【乱歩と私】「乱歩と私」伴野朗


【紹介】
 戦前の東京麻布。赤煉瓦の西洋館での惨劇。スクリーン上の美青年の顔がみるみるうちに火傷で解け崩れる……数日後、美しい義母と妹が右眼と心臓を抉られて死に、警戒していた明智探偵も重傷を負った。黒いインパネスを着た人間こうもりが飛び廻り姉娘がふらふら歩く。明智活躍の日はいつ? 「地獄の道化師」併録
(裏表紙より引用)
【収録作品】

作品名
暗黒星
初 出
『講談倶楽部』昭和14年1月-12月号。
粗 筋
 紹介文参照。
感 想
 事件の設定や犯人像はワンパターンだが、明智が冒頭から登場して悪戦苦闘するのはやや珍しい。しかも小林少年まで駆り出しているのにである。乱歩の筆に力が無く、ネタ切れ感がありありである。
備 考
 

作品名
地獄の道化師
初 出
『富士』昭和14年1月-12月号。
粗 筋
 事故で道路に放り出された石膏像には、人間の死体が塗りこめられていた。やがてその死体は野上みや子と判明するが、今度はその妹・あい子が謎の道化師に狙われる。みや子の婚約者であった白井は明智小五郎に依頼をするが、すでにあい子は誘拐されていた。
感 想
 乱歩自身は「犯人の意外性の構成は、ややうまくできていたのではないかと思う。あまり私の癖の出ていない、「何者」などの系統に属する作品」と評しているが、犯人像も目新しいものではなく、事件の動機も異常なもの。残念ながら「何者」の緻密な出来には足元にも及ばない。
備 考
 

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