作品名 | 虎の牙 |
初 出 |
『少年』1950年1月号-12月号連載。
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粗 筋 |
【紹介】参照。
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感 想 |
魔法博士が虎を操り、次々と少年探偵団員を攫っていく。本作品では今までのように美術品等に手を出すわけではなく、あくまで標的が少年探偵団である。おなじみのブラック・マジックや人形などを駆使し、さらにクイーン「神の灯」のトリックを借用するなど、大がかりな手段を駆使し、世間を騒がすだけ。後に評価されるように、二十面相は単なる子供の遊び相手にすぎないのだが、読んでいて楽しいのは乱歩の筆の巧さだろう。
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備 考 |
ポプラ社版では『魔法博士』と改題されている。
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作品名 | 透明怪人 |
初 出 |
『少年』1951年1月号-12月号連載。
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粗 筋 |
少年二人と東洋新聞の記者が見たのは、蝋人形のようなお面をした怪しい人物が古い屋敷で服を脱ぐと透明になってしまったこと。新聞記者はその透明人間を「空気男」と名付けている。今まで色々なところで悪戯をしていたらしいが、今日、宝石店で宝石を盗むという正体を現した。空気男はさらに真珠塔を盗み、捜査に乗り出した少年探偵団の大友副団長まで攫って透明人間にしてしまう。その魔の手はとうとう明智小五郎にまで伸び、攫われてしまった。
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感 想 |
透明怪人なのに「空気男」と呼ばれて喜んでいるのなら、最初から「空気男」というタイトルにすればいいのに。透明人間というある意味世界をひっくり返す悪人であるのに、対抗する警察は相変わらず中村警部というのでは少々残念。トリックも単なる手品という残念さはある。それを除けば、少年向けのサスペンスとして巧い仕上がりになっているのではないだろうか。透明人間にさせられた恐怖はかなりのもの。明智や文代夫人まで攫われるという展開に、最後の最後で怒涛の解決。シリーズでも一、二を争う傑作と私は思っている。
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備 考 |
乱歩には中絶した「空気男」(二人の探偵小説家)、長編『ぺてん師と空気男』と、「空気男」というタイトルの作品が2つある。
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