江戸川乱歩推理文庫第52巻(講談社)
『続・幻影城』



【初版】1988年8月8日
【定価】580円
【乱歩と私】「膨らんだり、縮んだり」梶龍雄


【紹介】
 戦後まもなく英米探偵小説を入手した乱歩が、その読後感を「宝石」他に記す一方、丹念に収集、準備した文献目録などを纏めた画期的な大著。「類別トリック集成」は、ミステリーファンには必読の一章であり、附録に「戦後邦訳長篇探偵小説目録」を併録。第51巻「幻影城」は正篇。
(裏表紙より引用)


【収録作品】

作品名
続・幻影城
初 出
昭和29年6月、早川書房より刊行。
目 次


第一部
 英米の短篇探偵小説吟味
 探偵小説に描かれた異様な犯罪動機
 類別トリック集成
 凶器としての氷
 顔のない死体
 隠し方のトリック
 変身願望

第二部
 最近の英米探偵小説
 科学小説の鬼
 ディケンズの先鞭
 J・D・カー問答
 クリスティーに脱帽
 作家小記
 日本探偵小説の系譜
 原始法医学書と探偵小説
 明治の指紋小説

附録
 戦後邦訳長篇探偵小説目録
 戦後邦訳短篇探偵小説目録
感 想
 タイトルに「続」とあるが、第51巻『幻影城』とは出版社も違うので何も続編にする必要はないと思うのだが、やはり内容的に続としたかったのか、それとも幻影城にタイトルに執着していたのだろう。
 この作品集では何といっても「類別トリック集成」が大好き。こういうのが好きなのは、日本人なんだろうなあって思う。これを見ているだけでも飽きないものね。だけど現在になると、さすがにこんな風にまとめるのは無理だろうな。
 正編と本作品の続編。必ずセットで読むべし。
備 考
 附録から「江戸川乱歩既刊随筆集目録」と「人名・作品索引」が省かれている

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