作品名 | 獏の言葉 |
初 出 |
大正12年から昭和18年までの未完随筆を中心にまとめたもの。計25編収録。一部は昭和6年編集の「江戸川乱歩全集」(平凡社)に収録されていたが、その後の単行本には収録されていない。
|
内 容 |
タイトルの「獏の言葉」は、昭和6年4月25日に『読売新聞』に発表されたエッセイより。評論集『鬼の言葉』の対として中島河太郎が採用した。それほど興味深い話があるわけではない。
|
作品名 | 奇譚 |
初 出 |
大正5年
|
内 容 |
江戸川乱歩が23歳の時、今まで読み漁ったもののメモを整理し、作った手製の本。全228頁。全て手書きで、カッとも自ら描いたもの。製本、表紙図案も乱歩自身。後に大正8年、三人書房という古本屋を自営したとき、10円の正札をつけて棚に飾ったが、誰も買い手が無かったと後に述懐している。 当時の手製本をそのまま写真復刻。左開きであるため、本書の「奇譚」は左開きとなっている。「獏の言葉」は右開きであるため、中島河太郎の「解題」や「乱歩と私」は、本の中ごろに収録されるという奇妙な形態になっている。 当時の乱歩の情熱が迫ってくるような作品ではあるが、如何せん手書きということもあって読みにくい。研究家でもなければ、読む気が起きないだろう。 |