作品名 | 善人たちの夜 |
初出 | 1980年11月、徳間書店より書き下ろし刊行。著者の第九、そして最後の長編。 |
粗筋 |
新居購入の資金不足ゆえ結婚に踏み切れないみどりと修三。そんな折り修三の後輩弥太郎から奇妙な依頼が。危篤の父親を安心させるため数日間にせの嫁を演じてくれないか、もちろんお礼も弾むから。相談の末、修三を親戚の者として、にせ花嫁に扮したみどりと弥太郎は病床の父親が待つ郷里の村へと向かったが…。著者の創作過程が窺える未定稿200枚を巻末に収録してお届けする。 (粗筋紹介より引用) |
感想 |
危篤の父のため、そして恋人とのマイホームを手に入れるために、恋人の後輩の花嫁の芝居を引き受けた主人公と、彼女を取り巻く男女3人の悲喜劇で、処女長編『陽気な容疑者たち』や『大誘拐』に連なる「悪人のいないミステリ」である。主人公たちに対する作者の愛情があふれた佳品と思うが、ミステリ味は非常に薄く、事が上手く運びすぎなところは今一つだと思った。 後半には、初版時に削られた原稿も収録されている。個人的には、削った方がよかったんじゃないと思える部分も多いが、やはり完全版を読みたかった気がする。 |
備考 |