作品名 | 親友記 |
初出 | 「宝石」62年1月臨時増刊号 |
粗筋 | 帰り道の通勤電車で席を奪った相手は小中学校時代の親友だった。二人はライバルで親友という付き合いを復活させるが、後に二人のガールフレンドと四人の付き合いとなる。四人は合同で結婚式を挙げると約束するが、ともに結婚したのは相手のガールフレンドとであった。 |
感想 | この人の心温まるユーモアは、初期の頃から一緒ですね。まだまだブラック度は控えめ、というところかな。ただ、日常の内容に終始したところが、佳作で終わった原因かも知れない。 |
備考 | 第三回「宝石賞」佳作。著者の処女作。 |
作品名 | 塔の家の三人の女 |
初出 | 「宝石」62年6月臨時増刊号 |
粗筋 | 白河市でかつての居城の天守閣を改造した高さ25mの塔風の家「塔の家」で、10年ぶりに帰宅した独り息子が墜落死した。家にいたのは家を取り仕切る母親、息子の元許嫁かつ養女、息子の内縁の妻の女三人だった。1ヶ月前の占い師の予言はこの事件とどう関係があるのか。異常心理学の関博士は、助手の戸間とともに塔の家へ向かう。 |
感想 | 前作とは打って変わった本格推理小説。派手ではないもののトリックや意外な動機なども充実しており、作者が本格推理小説も問題なしに書けると言うことを示した作品である。ただ、長編を短くした、という乱歩の評は納得できる。 |
備考 | 1962年、「宝石中篇賞」第5位(受賞作は草野唯雄「交叉する線」)。 |
作品名 | なんとなんと |
初出 | 「エロチック・ミステリー」62年10月号 |
粗筋 | 熱が出た親友の未亡人がつぶやいた、「ナントのアマ」とはいったいどういう意味なのか。診察した堅物の医師は、そのことばに首をひねり続ける。 |
感想 | 最後のオチまで含め、小品としか言い様がない作品。 |
備考 |
|
作品名 | 犯罪講師 |
初出 | 「宝石」62年12月号 |
粗筋 | 多くの犯罪者を前に、自らがかつて手掛けた誘拐犯罪を講義する犯罪師X。その完全犯罪とは。 |
感想 | 誘拐ものの完全犯罪トリックと、結末のオチがいいバランスで笑えます。本作品集中のベスト。 |
備考 | 『幻影城』1979年7月号(終刊号)で組まれた天藤真自選短篇特集では、「背か高くて東大出」「密告者」とともに本編が採られている。 |
作品名 | 鷹と鳶 |
初出 | 「宝石」63年1月臨時増刊号 |
粗筋 | 猪突猛進型の小沢実、悪知恵の働く中山光男。性格が正反対な二人の会社は順調に伸びていったが、個人経営から会社組織に切り替えようとして意見は対立。そこに南季子という美女が経営参加に加わり、二人の対立は決定的となる。 |
感想 | 落ちに至るまでの工夫はあるけれど、敵意のエスカレートがテンプレート的なところがあり、面白さという点では今一つ。 |
備考 | 第四回「宝石賞」。 |
作品名 | 夫婦悪日 |
初出 | 「エロチック・ミステリー」63年2月号 |
粗筋 | 夫が破り捨てた手紙が気になり、拾ってつなぎ合わせて見ると、出てきたことばは「知らぬは女房ばかりなり」。もしかして夫は浮気をしているのではないか。 |
感想 | 夫婦の機微を書いた、天藤らしい小品。 |
備考 |
|
作品名 | 穴物語 |
初出 | 「宝石」63年5月号 |
粗筋 | 彼女との結婚資金10万円が必要な横山太一。本田甚作が土地を売って百万以上を手に入れたことを甥の末吉が飲み屋で話しているのを聞いた太一は、甚作の家に盗みに入ることを決意する。その夜、甚作が殴られ、現金が盗まれた。 |
感想 | 120枚の中編。事件の発端から解決までが軽妙なタッチで執筆されており、落ちも含めてなかなかの出来。 |
備考 |
|
作品名 | 声は死と共に |
初出 | 『推理ストーリー』1963年10月号 |
粗筋 | 独り暮らしの老婦人の家に押し入って殺害、通帳などを強奪した。完全犯罪だったはずだが、彼は大事なものを現場に忘れてきていた。 |
感想 | タイトルはなかなかよくできているが、短いページを章割にしてしまったため、かえってわかりにくくなったと思われる。 |
備考 |
|
作品名 | 誓いの |
初出 | 『中二コース』1963年12月号~64年3月号、『中三コース』1964年4月号 |
粗筋 | ある少年が、「三木君が怪我をした」と三木家へ駆け込んできた。自転車を借り、慌てて中学校へ行った母親だったが、それは嘘だった。帰ってみると、家から財布の中身が盗まれていた。 |
感想 | 少年向けだが、犯人の設定は意外なところを持ってきた。 |
備考 |
|