作品名 | 鈍い球音 |
初出 | 1971年8月、青樹社より書き下ろし刊行。 |
粗筋 |
日本シリーズを目前に控えた東京ヒーローズの桂監督が、東京タワーで不可解な失踪を遂げた。にわかに白熱化する大阪ダイヤとの日本シリーズ。しかもその真只中、今度は東京ヒーローズの代理監督が蒸発してしまった……!? 事件の陰に潜む黒い陰謀を暴こうと奔走する新聞記者や監督の娘比奈子の目前に、やがて全野球ファンを熱狂の渦に巻き込んだ壮絶な戦いを操ろうとする巨大な間の手の存在が明らかになる……。本書は、不可能興味の横溢する事件をユーモラスな筆致で書いた、野球ミステリの傑作である。 (粗筋紹介より引用) |
感想 | 東京タワーの展望台から消失するという謎が冒頭から出てくるだけで、この作品に惹かれることだろう。野球に興味がなくても十分に楽しむことができるし、もしかしたら野球も面白いんじゃないかとも思わせる作品。当然本格ミステリとしても見事な仕上がりだし、これが当時はあまり話題にならなかったのは、作者にとっても読者にとっても不幸なことである。 |
備考 |