原作東川篤哉/脚本黒岩勉/ノベライズ涌井学『映画 謎解きはディナーのあとで』(小学館文庫)

 シンガポールに向かう豪華客船に乗り、久しぶりのバカンスを楽しもうとしていた麗子と影山。しかし、謎の殺人事件が発生し、船内は騒然となる。そして偶然、"Kライオン"警備のため同じ船に乗っていた風祭警部も加わり、事件は迷宮入りの様相を呈し始める。「お嬢様、今回の事件の真相、皆目見当もつきません」いつも名推理を披露する影山も、まさかのギブアップ!? "犯人の姿なきシージャック"でついに麗子が狙われ、お嬢様を助けるため影山が奮闘する。容疑者は乗員乗客三千人。洋上を舞台に、シリーズ史上最大のスケールで謎解きが行われる映画版を完全ノベライズ!(粗筋紹介より引用)
 2013年8月、文庫書下ろし。

 櫻井翔、北川景子主演のテレビドラマが好評だったことから製作され、2013年8月3日より公開された映画のノベライズ。テレビドラマは一回も見ていないし、当然映画も見ていないけれど、興味があったので何となく購入。
 長編ということもあってどことなく間延びした感はあったし、影山の必死なところには何となく違和感もあったけれど、そこはドラマと小説の違いかな。風祭警部のズンドコ振りには笑わせてもらったし、原作の世界観は保たれていたと思う。
 ドラマファンなら、読んでもいいんじゃないかな。それ以上ではないけれど。




別冊宝島編集部『プロレス 暗黒の王道』(別冊宝島2126)

 リング内容とは裏腹に経営内容の深刻化が進む旧全日本系団体。ついに関係者がその欺瞞を告発する。新日本プロレス1・4ドーム大会、注目のリング訴訟、そしてレジェンド・レスラーのスキャンダル等、マット界の暗部を抉る恒例の人気シリーズ最新作。(粗筋紹介より引用)
 2014年1月発売。

 季刊恒例といった感じのプロレス・スキャンダル誌。今回は(も)、旧全日本系団体に攻撃の矢を向けている。
 とうとう、という感じの「全日本・白石伸生オーナーが、武藤以下W-1移籍選手スタッフに対し、違約金約3億円の支払いを求め提訴!」。ここまで来ると、これが目的だったとしか思えない(苦笑)。まあ、それは冗談としても、全日本なんて数百人しか客が来ない状況で、経営がいつまで保つのだろう。再編云々と行っても、武藤たちと旧全日系はスイングしないし、方向性も違う。今更秋山たちがNOAHと絡むとも思えない。確かに潮崎は貧乏くじを引いたようだ。NOAHに残っていれば、今頃チャンピョンになっていただろう。ルックスと体格を考えると、潮崎しかいなかったはず。NOAHの仲田龍、永源遥の追放計画はあるとも思えない。まあ、NOAH、全日、W-1が合体して、一つの団体になれば、新日に対抗できる団体にはなるだろう。有り得ない夢だろうし、それを仕掛けることができる人もいないだろう。
 新日は1.4ドームの評価ぐらいで、たいした記事はない。猪木絡みも古いネタばかり。ユセフ・トルコの追悼記事は、すでに知られているネタもあったけれど、結構興味深かった。プロレス経営通信簿も興味深い。DDTで1億5千万なのか。1試合幾らなんだろうけれど、所属選手を抱えてやっていけるのか、とても不安になった。それでも若い人たちは、メジャーではなく、DDTとか大日本に入ろうとしているんだよな。彼らの10年後がどうなっているかを知りたい。女子プロの高齢化は今更だなあ。すでに若返りを図っているところも多いし。憶測ばかりじゃなく、たまにはプロレスラーやスタッフにインタビューして、「核心に迫る!」なんてのをやってほしいものだ。現役で取材を受ける人がいれば、だけど。



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