信沢藤利(41) | |
2002年11月27日(死体遺棄容疑 12月7日に殺人容疑で再逮捕) | |
1名 | |
死体遺棄、殺人、死体損壊、恐喝未遂 | |
無職角田篤人被告、解体工信沢藤利被告、とび職N被告は、群馬県赤城村樽に住む無職の男性(当時41)に数ヶ月にわたって暴行を振るい、消費者金融から度々借金させ、金銭を要求していたが(N被告は途中から参加)、男性が新たに借金できなくなったため、2001年5月上旬頃、子持村の山林で殴ったり蹴ったりし、重さ約70kgの丸太を体の上に落とすなどして殺害。遺体を半透明のシートに包み、群馬県赤城村の山林に深さ80センチの穴を掘って埋めた。 他に2002年4月23日午前6時30分頃、渋川市の路上で知人の男性(当時39)を車に連れ込み、停車した駐車場の車内で脅し、サラ金会社から20万円を借りさせようとしたが、男性が警察へ通報したため、未遂で終わった。 11月27日の逮捕時は、別の窃盗事件で3被告とも服役中だった。 | |
東京高裁 山田利夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月13日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
関与は従属的なので、量刑不当と控訴。 判決理由で山田利夫裁判長は「被害者を喜々として殺害しており、人間性の欠如は甚だしい。関与が従属的とは言えず、責任は誠に重大だ」と述べ、弁護側の量刑不当の主張を退けた。 | |
角田篤人被告は2003年7月29日、前橋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。N被告は同日、前橋地裁で一審懲役15年判決(求刑懲役18年)。 2003年7月29日、前橋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
新井博(30) | |
2002年4月13日(恐喝で起訴済み) | |
1名 | |
殺人、死体遺棄他 | |
2002年2月19日夜、埼玉県熊谷市で風俗店を経営していた政治団体構成員新井博被告は、店の客だった会社員(当時41)とトラブルになり、現金7,000円を脅し取った。さらに風俗店店長ら4人と共謀し、会社員を車で拉致し、監禁。2月20日昼頃、会社員の首をベルトで絞めて殺害した。その後、別の2人にも手伝わせ、群馬県玉村町の産廃処理工場で、廃車に遺体を入れてプレス処理をした。遺体は、廃車が輸出された中国で発見された。 | |
最高裁第二小法廷 北川弘治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月13日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
新井被告は起訴事実を認めたが、「刑が重過ぎる」として上告。 | |
2002年9月11日、さいたま地裁(金山薫裁判長)で求刑無期懲役に対し一審懲役16年判決。2003年3月27日、東京高裁で一審破棄、求刑通り無期懲役判決。 |
斎藤忠克(35) | |
1989年2月28日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
無職斎藤忠克被告は1989年2月21日午前、川崎市川崎区のゲームセンターで、開店準備中の店長(当時64)の頭を建材の鉄筋で十数回殴って殺害した上、金庫から現金105,800円を奪った。 | |
東京高裁 白木勇裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月14日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
白木勇裁判長は、斎藤忠克被告の衣類に被害者と同じA型の血液が付着していた上、事件直後に被告が偽名でスーツをクリーニングに出していたと認定。「被告と犯人を結ぶ間接事実が存在し、自白には任意性や信用性が認められる」と述べた。弁護側は衣類の血液について、控訴審で改めて実施した鑑定の結果が陰性だったことから無罪を主張したが、白木裁判長は「捜査段階の鑑定の信用性を疑わせる事情はない」と退けた。 | |
1999年4月28日、横浜地裁川崎支部にて求刑通り一審無期懲役判決。 斎藤忠克被告側は捜査段階で自白したものの、公判ではアリバイの提示や、自白は誘導であったとして無罪を主張。横浜地裁川崎支部の鈴木勝利裁判長は、捜査段階の自白の中に犯行時の服装について本人しか知り得ない秘密の暴露が含まれ、信用性、任意性に疑問はないと認定。捜査員が誘導したとする弁護側の主張を退けた。事件が起きた時間帯のアリバイ主張も、根拠としている同居人らの証言に信用できない部分があるとした。 被告側は上告した。2005年1月11日、被告側上告棄却、確定。 |
前田裕臣(32)/木崎龍一郎(51)/木村義和(39)/金子久男(51) | |
2002年6月13日 | |
1名 | |
強盗殺人、銃刀法※違反他 | |
福岡市の金融会社従業員前田裕臣被告、木崎龍一郎被告は不正な貸し付けにより数100万円以上を使い込んでいたため借金を免れようと、同じく借金をしていた同従業員の木村義和被告、M被告と無職金子久雄被告を仲間に入れ、4人は会社を乗っ取ろうと計画。 2002年6月12日午前2時頃、会社事務所で、金子被告が社長の頭と胸を拳銃で撃ち殺害。現金など約37万円と預金通帳入りの手提げバッグ、顧客台帳などを奪った。 | |
福岡地裁 林秀文裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月14日 無期懲役 | |
冒頭陳述によると、前田被告と木崎被告がほかの三人を引き込んで殺害を計画。 判決理由で林裁判長は「会社への多額の損失隠ぺいや借金返済など、従業員全員を含む4被告が、それぞれの思惑から相互に協力して社長に手を掛けた組織的な犯行」と厳しく指摘。「1ヶ月以上も狙い続けた上で、刺殺から絞殺、射殺へと状況によって計画を変え、確実な殺害を選択していった冷酷、残忍な手口で酌量の余地はない」と述べた。 | |
M被告は無罪を主張して分離公判となった。2004年2月4日、福岡地裁の林秀文裁判長は、「使い込みの露見を防ごうと計画に加担したが、首謀者に威圧されて追従した面もあり、共犯五人の中では刑事責任は最も軽い」として懲役12年判決(求刑懲役15年)を言い渡した。 前田被告ら4被告は控訴した。控訴審判決日不明。1被告(名前不明)は上告せず確定。2005年10月11日?、前田被告他2被告の上告棄却、確定。 |
池辺哲守(41) | |
2001年10月11日 | |
1名 | |
殺人、殺人未遂他 | |
葛飾区の不動産管理業池辺哲守被告は、自分に冷淡な態度を取る母親と双子の兄(当時33)に憎悪を募らせ、兄夫婦殺害を暴力団組員らに依頼。組員らは2001年6月4日、葛飾区内で兄を拳銃で撃ち殺し、兄の妻を殴って重傷を負わせた。本事件では実行犯のブラジル人3人(少年1人を含む)、仲介した組員(懲役19年が確定)ら合計7人逮捕された。他に日系ブラジル人2人が国際手配されている。 | |
東京高裁 中川武隆裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月14日 無期懲役(一審破棄) | |
池辺被告は兄殺害を認めた上で、兄の妻については殺害は依頼していないと主張していた。 中川武隆裁判長は「当初から夫婦を殺害しようとしていた」「妻に対する殺意は確定的。一審は被告の複雑な生育歴も過大に斟酌している。刑事責任は重大」と述べ、一審東京地裁の懲役20年の判決を破棄、無期懲役を言い渡した。 | |
2003年5月7日、東京地裁は「妻への殺意は、確定的ではなかった」として懲役20年を言い渡したため、検察・被告双方が控訴していた。 被告側は上告した。2005年?、無期懲役が確定。 2011年10月4日、国際指名手配されていた日系ブラジル人2名(マルセーロ・フクダ、クリスチアーノ・イトウ)がブラジル国内で身柄拘束された。2人はすでに現地の法令に基づいて起訴されており、警視庁は、現地当局に代理処罰を求めた。サンパウロ州の裁判所は2015年11月25日までに、両被告について陪審裁判を開始することを決めた。 サンパウロ州の裁判所は2016年12月7日、殺人などの罪に問われたクリスチアーノ・イトウ被告に禁錮22年を言い渡した。1月15日、マルセーロ・フクダ被告に同23年の判決を言い渡した。両被告の弁護士は控訴しない方向だとしている。一方、検察側は控訴するかどうかについて判決内容を検討して決めるとしている。 |
桐生誠一(49) | |
2002年11月20日 | |
1名 | |
住居侵入、強姦致死、殺人、現住建造物等放火 | |
1994年8月15日午前0時30分頃、塗装工の桐生誠一被告は酔っぱらって東京都豊島区の女性(当時54)のアパートに入り、強姦しようとしたが失敗したため下着で絞殺、台所で衣類などに火を付け、床約7平方メートルを焼いた後逃亡した。目撃情報などから警視庁は桐生被告の犯行と断定。桐生被告は1994年12月22日、指名手配された。 2002年11月19日、神奈川県警加賀町署に、「横浜市中区役所のパン券配布に、指名手配のポスターに似た男が並んでいる」との匿名情報が寄せられ、同署員が20日午前、同区役所の近くに現れた桐生被告を発見した。警視庁は同日、桐生被告を逮捕した。 | |
最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月14日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
2003年4月28日、東京地裁で求刑通り一審無期懲役判決。控訴審判決日不明。 |
服部純也(31) | |
2002年7月23日 | |
1名 | |
殺人、逮捕監禁、強姦他 | |
建設作業員服部純也被告は2002年1月22日午後11時5分ごろ、静岡県三島市の国道136号沿いで、アルバイト先から自転車で帰宅途中の女子短大生(当時19)を見かけ、誘いの声をかけたが、断られたため自分のワゴン車に押し込み強姦。同23日午前2時半ごろまでの間、三島市などを車で連れ回して逮捕・監禁したうえ、同市川原ケ谷の市道で、短大生に灯油をかけてライターで火をつけ、焼死させた。服部被告と短大生に面識はなかった。 遺体が見つかった2日後の1月25日、同県函南町で無免許運転で乗用車をUターンさせた際、対向車と衝突し、2人にけがを負わせた上、逃亡。2月28日に逮捕され、業務上過失傷害などで懲役1年6月の実刑判決を受けており、本事件の逮捕・監禁容疑で逮捕された7月23日には、収監中だった。 | |
静岡地裁沼津支部 高橋祥子裁判長 | |
死刑 | |
2004年1月15日 無期懲役 | |
被告は「火をつけた時、もう死んでいるかもしれないと思った」と確定的な殺意を否認した。 高橋祥子裁判長は「犯行の発覚を恐れ、身元不明にするために焼殺という方法を選んだ異常残虐な犯行」と断罪。被告が少年時から再三更生の機会を与えられていたことに着目し「今後、矯正教育を継続しても犯罪性向を改めさせるのは困難と推測され、極刑をもって臨むことも理由なしとはいえない」と指摘した。しかし死刑の適用については(1)殺人など人を傷つける前科がない(2)周到な計画に基づく犯行でない(3)幼少期の劣悪な生活環境は量刑上考慮されるべきだ--とし「死刑をもって処断することは、ちゅうちょせざるを得ない」と結論づけた。また、「火をつけた時、もう死んでいるかもしれないと思った」と確定的な殺意を否認する服部被告の主張は退けた。 | |
服部被告は1995年に強盗致傷罪で懲役7年の実刑判決を受けている。検察側、被告側ともに控訴した。2005年3月29日、一審破棄、死刑判決。2008年2月29日、最高裁で被告側上告棄却、二審死刑判決が確定。 |
吉田美代(72) | |
2002年12月30日 | |
1名 | |
殺人、殺人未遂、現住建造物等放火 | |
無職吉田美代被告は、埼玉県三郷市で二女夫婦と約10年前から同居していたが、夫婦と仲が悪かった。そのため、娘が憎くて家族を殺そうと放火を決意。2002年12月30日午前5時10分頃、自宅1階の居間にあったストーブの灯油を床にまいてマッチで火を付け、2階寝室で寝ていた二女の主婦(当時41)を焼死させ、二女の夫や孫ら3人にけがを重軽傷を負わせた。木造2階建て住宅約100平方メートルは全焼した。 | |
さいたま地裁 川上拓一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月16日 無期懲役 | |
川上拓一裁判長は「一方的な被害者意識でゆがんだ憎しみを募らせた。動機に酌量すべき余地はない」と述べた。 | |
控訴せず確定。 |
福里寛(62) | |
1998年12月6日 | |
1名 | |
強盗殺人、現住建造物等放火 | |
無職福里寛被告は、1998年12月2日午前0時頃、兵庫県加古川市の無職男性(当時71)が住むアパートに侵入。男性を鋭利な刃物で頭部などを切りつけて殺し、所有していたドイツのライカ社製高級カメラなど七点を奪った上、アパートに放火した。木造アパート二階建ては半焼した。福里被告は9月まで1年間、同じアパートの別の部屋に居住。二人とも花の手入れが趣味で、福里被告は頻繁に男性宅に出入りしていた。 | |
最高裁第三小法廷 上田豊三裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月19日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2000年6月14日、神戸地裁姫路支部にて無期懲役判決。2001年9月25日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
田中勇人(25) | |
2002年12月30日 | |
2名 | |
住居侵入、強盗殺人、建造物侵入 | |
無職田中勇人被告はパチスロなどで金を使い込んで消費者金融に約150万円の借金があった。2002年11月13日午後10時頃、京都府大宮町の農業を営む男性(当時81)宅に侵入。居間で男性を、寝室で男性の妻(当時80)を、タオルを巻いた金属バットで殴って殺害。レターケース内から現金約12万7,000円を奪った。田中被告は男性方前の道路工事現場で作業員として働いた経験があり、「老夫婦2人暮らしと知り、狙った」などと供述。奪った金はパチンコに使ったという。 | |
京都地裁舞鶴支部 新井慶有裁判長 | |
死刑 | |
2004年1月19日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
田中被告は捜査段階で認めていた殺意を公判で翻し、弁護側も「強盗致死にとどまる」などと主張した。 新井慶有裁判長は「パチスロなどに金を使い込み、消費者金融業者に借金をし、老人が住む一軒家に侵入して現金をとろうと考え、夫婦を金属バットで強打し殺した残忍な犯行」と指摘。「バットはたまたま車に積まれていたもので、家人に見つかったと思い心理的に追いつめられ、殺意が生じた。計画性には疑問が残る。卑劣な犯行だが、計画性は低く、謝罪の気持ちを持っている」とした。公判で犯行を認め反省しているとして、「生涯をかけて罪を償わせるのが相当」と判断した。 | |
検察側は控訴した。2004年11月5日、検察側控訴棄却。検察側上告せず、確定。 |
那須久志(45) | |
2002年12月2日(有印私文書偽造・同行使容疑にて) | |
1名 | |
強盗殺人、詐欺他 | |
那須久志被告は以前建築関係の仕事をしていたが、工事代金の未払いなどを含めて約1億円の借金があった。そのため2002年7月4日午前、以前改修工事で出入りしたことのある東京都北区の一人暮らしの女性(当時78)に借金を申し込んだが断られたため、あおむけに倒した女性の足を折り曲げて胸に押し付けて圧迫、殺害したうえ、風呂場での転倒死を装うために遺体を移動し、女性名義の預金通帳を奪った。さらに那須被告は7月上旬から10月下旬まで計6回、預金通帳から合計約160万円を引き出した。遺体は女性の妹が11月25日に発見した。 | |
東京地裁 成川洋司裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月20日 無期懲役 | |
成川洋司裁判長は「無計画に借金を重ね、全く落ち度のない被害者を殺害したあまりに身勝手な犯行」と述べた。 | |
田中正彦(65) | |
2002年9月4日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
無職田中正彦被告は中国人女性に現金を渡すなどして交際を続けていたが、その資金に窮したことから2002年6月6日夜、福岡市博多区中洲二丁目のスナックで、経営者女性(当時53)の胸をナイフで刺して殺害、現金約28,000円を奪った。 | |
福岡地裁 林秀文裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月21日 無期懲役 | |
弁護側は「殺意はなく、金を奪う意思もなかった」と主張。林秀文裁判長は故意があったと認定した。 | |
被告側は控訴した。 |
矢田敦子(41) | |
2001年9月1日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
大阪府守口市でラウンジを経営していた矢田敦子被告は、客の呉服販売業(当時49)から店の出資金の返済を迫られたため、2001年8月30日、店のホステスであった宮島聡子被告や客の少年2人と共謀して、睡眠薬入りのコーヒーで眠らせた後に首を絞めて殺害。現金11万円や借用書を奪い、さらに被害者のワゴンに遺体を乗せて熊本県八代市の国道まで運んだが、芦北署員に見つかり逮捕された。 | |
大阪高裁 瀧川義道裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月22日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
量刑不当を主張して控訴。瀧川義道裁判長は「犯行は短絡的で酌量の余地はない」などとして、量刑不当を主張する被告側の控訴を退けた。 | |
矢田被告らとともに借用書を奪うことを計画し、覚せい剤を渡した不動産業者は強盗殺人で起訴され求刑無期懲役であったが、2003年3月27日、大阪地裁で強盗致死ほう助などが適用され一審懲役12年判決。古田浩裁判長は「共犯女性の供述は信用できず、強盗殺人の共謀は成立しない」「被告は殺害方法などを具体的に知らなかった可能性が高い」と指摘した。2004年1月20日、大阪高裁で一審破棄、懲役11年判決。滝川義道裁判長は「遺族への慰謝の意思も示している」などとした。 宮島聡子被告は2003年7月15日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年1月22日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 2003年5月8日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
宮島聡子(28) | |
2001年9月1日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
大阪府守口市でラウンジを経営していた矢田敦子被告は、客の呉服販売業(当時49)から店の出資金の返済を迫られたため、2001年8月30日、店のホステスであった宮島聡子被告や客の少年2人と共謀して、睡眠薬入りのコーヒーで眠らせた後に首を絞めて殺害。現金11万円や借用書を奪い、さらに被害者のワゴンに遺体を乗せて熊本県八代市の国道まで運んだが、芦北署員に見つかり逮捕された。 | |
大阪高裁 瀧川義道裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月22日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
刑が重すぎると控訴。判決理由で瀧川義道裁判長は「計画的犯行で、冷酷かつ非道。積極的に関与した被告の責任は重い」として、「刑が重すぎる」との被告側主張を退けた。 | |
矢田被告らとともに借用書を奪うことを計画し、覚せい剤を渡した不動産業者は強盗殺人で起訴され求刑無期懲役であったが、2003年3月27日、大阪地裁で強盗致死ほう助などが適用され一審懲役12年判決。古田浩裁判長は「共犯女性の供述は信用できず、強盗殺人の共謀は成立しない」「被告は殺害方法などを具体的に知らなかった可能性が高い」と指摘した。2004年1月20日、大阪高裁で一審破棄、懲役11年判決。滝川義道裁判長は「遺族への慰謝の意思も示している」などとした。 矢田敦子被告は2003年5月8日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年1月22日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 2003年7月15日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
渡辺敬介(41) | |
2002年5月23日 | |
1名 | |
強盗致死他 | |
消費者金融会社に約100万円の借金があった静岡県の無職渡辺敬介被告は2002年3月25日夜、飲食店などを経営する会社の専務だった神奈川県平塚市の元上司(当時84)方を郵便局員を装って訪問。出てきた男性の鼻や口を手でふさぐなどして窒息死させ、現金10万円と時計を奪った。 渡辺被告は被害者と同じ会社で係長を務めていたが、1996年に会社の売上金1,265万円余を盗むなどして解雇されていた。 | |
横浜地裁 広瀬健二裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月22日 無期懲役 | |
渡辺被告は当初、起訴事実を認めていたが、一審途中で無罪主張に転じた。 判決理由で広瀬健二裁判長は「恩をあだで返した人倫にもとる犯行だ。金に困って他人の生命を省みない危険な犯行に及び、元上司を死なせた結果は誠に重い」と指摘した。 | |
被告側は控訴した。2004年8月26日、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年1月17日、被告側上告棄却、確定。 |
萩原利男(47) | |
2003年7月1日(現行犯逮捕) | |
1名 | |
強盗殺人、銃刀法※違反 | |
東京都板橋区の無職萩原利男被告は、妻に日常的に暴力を振るっていたことから、東京地裁は2003年3月17日、配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)により接近禁止命令を出した。2003年7月1日、萩原被告は妻の友人で板橋区のアパートに住む女性漫画家宅を訪れ、妻の居場所を尋ねるとともに、漫画家に貸していた金の返済を要求。相手にされなかったため、持っていた包丁で背中などを刺して殺害、現金約12万円入りの財布を奪った。 | |
東京地裁 木口信之裁判長 | |
無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
2004年1月23日 無期懲役 | |
木口信之裁判長は「妻への接近禁止は自分の粗暴な行動が原因なのに、居場所を教えないことを逆恨みした短絡的な犯行。約20ヶ所も刺すなど残忍、残酷で悪質だ」と述べた。被害者が妻をかくまい、萩原被告に居場所を教えなかったことについては「適切な対応」とした。 | |
R(21 犯行当時19) | |
2001年6月29日 | |
1名 | |
強盗致死他 | |
2001年4月28日、専門学校生安峰被告、専門学校生A被告(中国国籍 事件当時少年 一審懲役15年、検察側控訴)、元暴力団員伊藤昭被告、専門学校生R被告(中国国籍 犯行当時未成年だったことが判明したため公訴棄却、再起訴)は、山形県羽黒町の鶴岡市職員宅の倉から古美術品等を奪おうと侵入。玄関で職員の妻(当時51)の手足を粘着テープで縛り、左胸を包丁で刺して失血死させた。さらに、高校2年生の長女にも切り付け、腰に軽傷を負わせた。事件の計画、長女への傷害は伊藤被告、殺害は安峰被告であると起訴された。本事件では他に、運転手および運転手を手配した男がいずれも強盗致死、強盗致死ほう助罪などで起訴されている。 伊藤被告が犯行を計画したのは、別の事件で指名手配され逃走資金を得ようという理由だった。伊藤被告は知り合いの暴力団組長を通じ、日本人の運転手グループ、安被告らの中国人実行犯グループを探してもらう。O被告らは「アルバイト感覚で報酬目当てに」中国人犯罪者の送迎を常習的に続けていた。 安峰被告と専門学校生は2001年3月26日に台東区で強盗傷害事件を引き起こし、2001年11月9日に再逮捕されている。 | |
山形地裁 木下徹信裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月26日 無期懲役 | |
木下徹信裁判長は「共犯者が刃物を持っているのを知っていながら犯行に加わっており、同等の責任を負うべきだ」「再犯の恐れが極めて高い」とした。 | |
山形地検は当初、パスポートなどから成人として起訴。公判中に被告側が「留学のため生年月日を偽った」と主張し、山形地裁は2003年8月、中国政府発行の証明書などから犯行時、起訴時とも19歳と認め、少年法の手続きを踏まなかったとして公訴棄却を言い渡し、検察側が改めて起訴していた。 A被告は2003年6月2日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑無期懲役に対し一審懲役15年判決。2004年2月27日、仙台高裁で検察・被告側控訴棄却。上告せず確定。 安峰被告は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 伊藤昭被告は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。2004年3月2日、仙台高裁で被告側控訴棄却。上告せず、確定。 運転手の手配をしたO被告(35)は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑懲役7年に対し、一審懲役5年判決。 運転手のO被告(24)は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑懲役7年に対し、一審懲役4年6月判決。 被告側は控訴した。2004年11月11日、一審破棄の上、改めて無期懲役判決。2005年8月30日、被告側上告棄却、確定。 |
李※洙(※=火へんに亢)(41) | |
2001年7月30日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗他 | |
大阪市で焼肉店を経営していた李※洙被告、信販営業代行I被告(一審懲役12年判決)ら5人(うち韓国マフィアの幹部と見られる実行役2人は韓国で身柄拘束)は、1998年3月から1999年11月までに、大阪府、兵庫県で資産家を次々に襲い、家人を縛り上げ「カネ、カネ、キンコ」などと片言の日本語で脅し、金品を奪う事件が約30件(被害総額約2億4,000万円相当)発生した連続緊縛強盗(K号)事件を引き起こした。そのうち1999年5月には大阪府豊中市の会社役員宅で家政婦(当時66)の両手両足を縛り、口をふさいで窒息死させたうえ、現金25,000円を奪っている。李被告は襲撃先の選定及び運転手役だった。起訴件数は不明。 | |
大阪地裁 米山正朝裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月26日 無期懲役 | |
米山正朝裁判長は「被害者の中には今でも不眠を訴えるなど精神的後遺症は大きく、社会に与えた不安感は絶大」と述べた。 | |
主犯の李龍煕(イ・ヨンヒ)容疑者は2000年に韓国内で、民家に侵入し、駆けつけた警察官にけがを負わせたとして強盗致傷罪で服役。日韓両国間の犯罪人引き渡し条約に基づき、2005年3月中に日本国内に移送し、逮捕する手続きを進めていたが、刑期満了日の3月13日早朝に自殺した。孫栄教容疑者は韓国で別の事件で服役後、所在不明。 被告側は控訴した。2004年11月、大阪高裁で被告側控訴棄却。2005年3月31日、被告側上告棄却、確定。 |
斎藤正利(53) | |
2001年12月25日 | |
0名 | |
強盗傷害、強盗他 | |
元暴力団組員の斎藤正利被告はM被告(一審懲役15年判決)と共謀し、2001年1月から12月まで、大阪、京都、兵庫、奈良各府県の18の金融機関で、郵便局長を拉致したり、発砲して脅したりする手口で現金約8,200万円を奪った(未遂、予備8件含む)。被害は総額1億4,800万円に上った。2001年3月の東大阪金物町郵便局(大阪府東大阪市)に押し入った事件では、郵便局長を拉致して短銃を発射し重傷を負わせた。なおM被告は15件の郵便局強盗に関与しており、残り3件の銀行強盗はN被告、C被告と共謀して行っている。 | |
大阪高裁 今井俊介裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月28日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
今井俊介裁判長は判決理由で「多数の一般市民が利用する金融機関で短銃を使用するなど、危険かつ反社会的な犯行で責任は重大」と述べた。 | |
一連の事件で10回の逮捕、拘置期間は297日になった。2003年3月27日、大阪地裁で無期懲役判決。被告側は上告した。2004年6月1日、上告棄却、確定。 |
陳厚忠(53)/陳財福(41) | |
2003年4月11日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗傷害 | |
中国籍で元建設作業員の陳厚忠被告、陳財福被告は逃亡中の仲間と共謀し、2003年1月5日午後11時頃、横須賀市の老夫婦方に侵入。妻(当時73)の顔を殴るなどの暴行を加えて10日間のけがを負わせ、現金56,000円と、ネックレスなど46点(時価141万円相当)を奪った。さらに、肺気しゅで酸素吸入チューブをつけて寝ていた夫(当時79)に暴行したため、夫はチューブが外れて死亡した。陳厚忠被告は2002年12月、老夫婦方裏にある傾斜地で土木工事をした際、夫婦にお茶やミカンを差し出されるなど親切にされた。夫婦が2人暮らしと知り、ほかの2人に犯行を持ち掛けたという。 | |
横浜地裁横須賀支部 福島節男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月29日 無期懲役 | |
「無期懲役は厳しすぎる」と述べる2被告に、福島節男裁判長は「病弱な老夫婦を狙った悪質、凶悪な犯行。反省がない」と糾弾した。 | |
2被告とも控訴した。2004年7月16日、被告側控訴棄却。陳厚忠被告は上告せず確定。陳財福被告は上告した。2004年12月13日、被告側上告棄却、確定。 |
上條英雄(60) | |
2003年7月26日 | |
1名 | |
殺人 | |
埼玉県吉川市の会社員上條英雄被告は、多額の住宅ローンがあったことや土地購入のために保険金目的の殺人を計画。東京都台東区付近で路上生活をおくっていた弟(当時54)に約4,000万円の保険金を掛け、新潟に住む母親を受取人に指定。2001年9月28日、勤務先がある豊島区内で弟と落ち合い泥酔させ路上に放置し、車でひき殺した。 事件当初はひき逃げ事件として捜査されていたが、保険金が掛けられていたことが判明し、殺人事件として捜査が進められた。母親は何も知らず、保険金は不審な点があるとして支払われていない。 | |
東京地裁 小森田恵樹裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年1月29日 無期懲役 | |
小森田恵樹裁判長は「兄に殺害された被害者は哀れというほかない。計画的な犯行で、動機に酌量の余地はない」と指摘した。 | |
被告側は控訴した。2004年6月30日、被告側控訴棄却。 |
平栗秀正(31) | |
2003年4月19日(自ら出頭、逮捕) | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反 | |
東京都新宿区の無職平栗秀正被告は、1999年7月から静岡県沼津市の高校生とつきあい始めたが、2000年3月に別れ話を持ちかけられた。被告はあきらめきれずに連日電話をかけたり、待ち伏せしたりしてストーカー行為をした。2000年4月19日午前8時ごろ、JR沼津駅北口の駐輪場で高校生(当時17)を待ち伏せて復縁を迫ったが、拒否されたことに激怒し、顔や腹などを出刃包丁で胸や腹など約30カ所を刺して失血死させた。 | |
静岡地裁沼津支部 高橋祥子裁判長 | |
死刑 | |
2004年1月29日 無期懲役 | |
被告は殺意を否認。弁護側は「平栗被告は犯行当時の記憶がない。犯行は、境界性人格障害に陥っていた結果起こったもので、治療によって治る可能性もある」と情状酌量を求めていた。 高橋祥子裁判長は「犯行は極めて残虐かつ凄惨だが、被告は反省しており、罪を償わせるのが相当」と述べた。被告が精神鑑定で境界性人格障害という精神疾患と診断されたことについて、高橋裁判長は「矯正教育で治療の余地がある」と述べた。 | |
平栗被告は1992年、交際相手を刺して重傷を負わせた前科がある。検察側は控訴した。2005年12月22日、検察側控訴棄却。上告せず確定。 |
喩貽(22)/●嘯天(23)/孫凱(22) | |
2002年12月27日 | |
1名 | |
身代金拐取、拐取者身代金要求、逮捕監禁、殺人、住居侵入 | |
元留学生の喩貽、●嘯天(●は刑のつくりがおおざと)、孫凱被告は、他の中国人の男性3人(分離公判中)とともに2002年12月4日午前6時20分頃、風俗店を経営する中国人女性(当時43)を乗用車で連れ去って約16時間監禁し、内縁の夫の中国人男性(当時46)に身代金8,000万円を要求。しかし、警察に察知されたと思い込んで身代金受け取りを断念し、同日夜、女性の首を絞めて旅行かばんに詰め込み、名古屋港で海に投げ込んで水死させた。 | |
名古屋地裁 伊藤新一郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月3日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
三被告は公判で「最初から殺意を持っていたわけではない」と主張。 伊藤新一郎裁判長は「用意周到に計画され、冷酷、非情な犯行。外国人による犯罪が社会問題となる中、日本社会に与えた悪影響は大きい」とした。 | |
被告側は控訴した。2004年8月27日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。喩貽被告のみ上告。他2被告は上告せず、確定。2004年12月15日、喩貽被告の上告棄却、確定。 |
牧田晃和(43)/佐藤光希(41) | |
2002年4月30日 | |
2名 | |
強盗殺人、死体損壊・遺棄、強盗致傷 | |
自動車部品販売会社社長牧田晃和被告、会社員佐藤光希被告は、中古車販売業川村幸也被告及び同従業員野村哲也被告の指示により、他の2被告とともに2000年4月4日午前0時半頃、約束手形金240万円の支払いに応じなかった名古屋市の喫茶店経営(当時58)を待ち伏せて襲い、約2週間のケガを負わせた。だが逃げてしまったため、一緒にいた妻(当時64)と妻の妹(当時59)を乗用車ごと拉致。現金24,000円などを奪った。さらに牧田、佐藤両被告は瀬戸市の山林で二人をドラム缶に押し込み、ガソリンをかけて焼死させた。さらに遺体をチェーンソーなどで切断、山中に放棄した。 | |
最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長 | |
死刑 | |
2004年2月3日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
牧田、佐藤両被告の弁護人は「川村、野村両被告に5,000万円の生命保険金を掛けられ、『言う通りにしないと殺す』と脅されて殺害を強要された」として、刑事責任の軽減や情状酌量を求めていた。 | |
川村幸也被告と野村哲也被告は2002年2月21日、名古屋地裁で求刑通り死刑判決。2003年3月12日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。2006年6月9日、被告側上告棄却、確定。 共犯2名は2002年2月19日、名古屋地裁で懲役12年判決(求刑懲役15年)。控訴せず確定。 2002年2月19日、名古屋地裁で無期懲役判決(求刑死刑)。2003年6月19日、名古屋高裁で検察・被告側控訴棄却。 |
亀山翔一郎(21) | |
2003年6月26日(窃盗容疑にて) | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
無職亀山翔一郎被告は、大阪市淀川区の路上で見かけたイタリア語講師の女性(当時26)から金品を奪おうと計画。2003年6月5日、女性の後ろをつけ、マンション自室に入ろうとした女性を背後から突き飛ばして部屋に押し入り、首を両手で絞めて殺害した。さらにキャッシュカード入りの財布や携帯電話などを奪い、銀行の現金自動預払機(ATM)から現金16万8,000円を引き出すなどした。 | |
大阪地裁 角田正紀裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月4日 無期懲役 | |
亀山被告は初公判で「死刑になって償いたい」と述べたが、最終弁論で弁護人は「真摯の反省の気持ちから出た発言だ」と情状酌量を求めていた。 角田正紀裁判長は「執ようかつ冷酷な犯行。終生にわたって反省、悔悟の日々を送らせるべきだ」として求刑通り無期懲役を言い渡した。 角田裁判長は、「無期懲役にも法律上、仮出獄が認められているが、事案の重大性、悪質性、遺族の処罰感情を考慮し、慎重な運用が必要」と異例の処遇意見を述べた。 | |
控訴せず確定。 |
得永幸治(57) | |
2002年4月30日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
住所不定、無職の得永幸治被告は金に困って2002年4月26日午後7時過ぎ、札幌市東区内のスーパーで買い物をして乗用車で帰ろうとした同区の主婦(当時48)に刃物を突き付けて車を乗っ取り、約10km離れた手稲区のホテルに連れ込んだ。宿泊料を払うため現金1万円を奪い、翌日午前0時半ごろまでに客室で口封じのため左胸を刃物で数回刺し、首を絞めて殺害した。 得永被告は住んでいた北区のアパートが2001年暮れに取り壊され、以後は車で寝泊まりをしていた。4月15日に失職し、ホームレス同然の生活をしていた。被害者の主婦とは面識はなかった。 捜査本部は室内などに残っていた指紋、スーパーの駐車場で26日夜、不審車両として放置されていた乗用車のナンバーなどから得永被告を割り出した。30日午前8時ごろ、同市北区内の駐車場で得永被告が乗用車の中で寝ているのを捜査員が発見。同署に任意同行して、取り調べた。得永被告は容疑を否認したが、ホテル従業員などの証言などから同日、殺人容疑で逮捕した。 札幌地検は5月21日、強盗殺人の罪で起訴した。 | |
札幌高裁 長島孝太郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月5日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
被告、弁護側は起訴事実を全面否認。 得永被告は控訴審の公判で「私は強盗殺人は一切行っていません」と述べ、一審同様、無罪を主張。弁護側は目撃証言の不信な点や指紋の採取、鑑定の不透明性を指摘し、「一審判決は事実誤認」と主張した。 判決で長島裁判長は、犯行現場から見つかった被告の指紋や血液、目撃証言などを理由に「一審の事実認定に誤りはない」と述べ、主婦については「車ごと拉致されたと推測される」とした。動機は「金品を奪い取るための犯行だった」と述べた。 | |
2003年3月25日、札幌地裁で一審無期懲役判決。被告側は上告した。2004年6月28日、被告側上告棄却、確定。 |
上原聖鶴(36) | |
2003年2月26日(傷害容疑) | |
2名 | |
殺人、傷害致死、死体遺棄他 | |
上原聖鶴(せいかく)被告は2001年1月頃、無職女性(28 懲役8年が確定)の弟と知り合って金をたかるようになり、弟は総額約2,000万円を渡した。また2002年6月、上原被告らは静岡県伊東市の貸別荘で弟夫婦らを監禁、暴行し金を要求している。弟夫婦らが警察に保護されると、無職女性とともに母親(当時53)に「息子に金を貸しているのに返さない」と連絡し、呼びだした。以後母親は行方不明に。 上原被告らは集団で静岡県や栃木県などで放浪生活を続けていた。2002年10月28日、長野県白馬村で上原被告は男子学生(21)、無職女性と共謀して母親の体を踏み付けるなどして殺害。11月21日には、長野県内で神奈川県厚木市の男子学生に頭をけるなどして死亡させた。2003年2月中旬、上原被告、T受刑者は男子学生の知人である無職男性2名(21,22 ともに懲役10月執行猶予3年が確定)とともに2遺体を甲府市内のアパートに遺棄した。上原被告は2001年6月26日、弟夫婦らに対する傷害容疑で指名手配されていた。 | |
静岡地裁沼津支部 高橋祥子裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月5日 無期懲役 | |
上原被告は殺意を否認。弁護側は殺意はなかったとして、傷害致死罪の適用を求めた。 高橋祥子裁判長は120キログラムの体重で何回も踏み付けたとして、確定的殺意を認定した。さらに「常軌を逸した執拗な暴行を加えた責任は重い。動機は自己中心的、身勝手で(情状に)酌むべき点はない」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年7月7日、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年11月29日、被告側上告棄却、確定。 |
塚本芳明(42) | |
1999年8月14日 | |
1名 | |
強盗致死 | |
福岡県博多市の指定暴力団山口組系塚本組の塚本芳明組長ら5人は、交際中だった女性や組員ら計5人と共謀。1999年7月30日午前4時20分ごろ、福岡市西区の宝石商(当時38)方に押し入り、宝石商の顔に塩酸を吹き掛け、粘着テープで手足を縛った上、金属パイプで殴打し、腕時計や貴金属など約870点(約1,830万円相当)を奪って逃走。宝石商は出血性ショックで死亡した。 | |
最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月6日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2001年3月22日、福岡地裁で一審無期懲役判決。高裁判決日不明。 |
外崎清隆(40) | |
1995年4月7日 | |
12名 | |
殺人、殺人未遂他 | |
1995年3月20日朝、オウム真理教教団代表松本智津夫被告らは東京都内の地下鉄5路線にサリンを散布することを計画。元幹部だった外崎清隆被告は、営団地下鉄四ツ谷駅付近で丸ノ内線の車内にサリンをまいた横山真人被告(一、二審死刑、上告中)を乗用車で送迎した。 | |
最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月9日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
外崎被告の弁護人は「被告には確定的な殺意がなく、被告がサリン散布に直接関与した車内で死者は出なかった」などとして、無期懲役は重過ぎると訴えていた。 | |
2000年2月27日、東京地裁で無期懲役判決。2001年12月26日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
小柳博旦(59) | |
2003年1月31日(現行犯逮捕) | |
1名 | |
殺人他 | |
土木作業員小柳博旦被告は2003年1月31日深夜、かつて交際していた福岡県粕屋町に住む女性が別の男性と付き合っていると邪推し、同町の女性宅に押し掛けて口論となった。仲裁に入った女性の息子(当時20)の言動に腹を立て、刺し身包丁で腹などを刺して殺害した。 | |
福岡地裁 陶山博生裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月9日 無期懲役 | |
陶山博生裁判長は「被害者の母親と口論になり、止めに入られたことに立腹した身勝手で短絡的な犯行」と述べた。さらに判決言い渡し後、小柳被告が過去にも同種事件を起こしたことに触れ「自分がどれだけの罪を犯したか十分に考えなさい」と諭した。 | |
被告側は控訴した。2004年12月、福岡高裁で被告側控訴棄却。2005年5月27日、被告側上告棄却、確定。 |
広野泰一(62) | |
2000年11月9日 | |
1名 | |
強盗殺人、詐欺他 | |
元会社役員広野泰一被告は2000年8月8日、借金を申し込みに大阪府吹田市に住む知人の男性(当時71)方を訪れたが、断られたため、腕で首を絞めるなどして窒息死させ、現金約8,000円入りの財布や預金通帳を奪った。また、知人の暴力団組長らと共謀、男性の銀行口座から現金計約500万円を引き出した。 男性は当初、病死とみられたが、親族が「預金が引き出されている」と連絡、大阪府警がその後、強盗殺人事件として再捜査して広野被告を割り出した。 | |
最高裁第二小法廷 北川弘治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月9日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
広野被告は捜査段階でいったん殺害を認める供述をし、その後一貫して否認。 北川裁判長は「被告側は違憲を訴えるが、実質は単なる法令違反や事実認定の誤りを主張するだけで、上告理由に該当しない」とした。 | |
2002年2月25日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。三好幹夫裁判長は否認している点について、「捜査段階の自供内容は具体的で、現場の状況とも一致し、信用できる」と認定。殺害を否定する公判での供述などについては「内容が変遷するなど不自然で、到底信用できない」と退けた。そして「利欲目的の残忍な犯行で動機に酌量の余地はない」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。控訴審判決日不明。 |
中山信也(26) | |
1998年7月31日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
住所不定、無職中山信也被告は元会社員の男ら仲間8人と共謀。女性を巡るトラブルから、1998年7月18日夜、遊び仲間で、大阪府交野市に住む化粧品訪問販売員の男性(当時24)方に押し入り、現金約46,000円などを奪い、車で拉致。神戸市の山中にて鉄パイプで殴打して殺害した。5人が遺体をトランクに入れ、滋賀県余呉町のがけ下に捨てた。 | |
最高裁第二小法廷 福田博裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月10日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2001年11月6日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。判決理由で川合昌幸裁判長は「長時間にわたる暴行は陰惨で残忍、卑劣な犯行。被害者の肉体的、精神的苦痛は言葉に表せず、刑事責任は極めて重い」と述べた。 2002年11月26日、大阪高裁で被告側控訴棄却。白井万久裁判長は「殺意がなかった」とする被告側主張を退け、「被害者に恥辱を与えて楽しむなど、人間の尊厳を踏みにじる犯行」と指摘した。 本件では9人が逮捕。1名は無期懲役が二審で確定。1名は懲役15年が二審で確定。1名は懲役15年が一審で確定。強盗殺人で起訴された少年(当時17)は懲役13年。強盗殺人未遂、強盗致死が適用された少年2名(当時18、17)には懲役5-7年の不定期刑が言い渡されている。残る少女2人は家裁に送致された。 |
上辻一道(28)/赤波江秀之(22) | |
2003年5月26日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
大阪府寝屋川市のスナック店長上辻一道被告と従業員赤波江秀之被告は、店の経営不振などから経営者(当時28)が給料を支払わないことなどに恨みを抱き、殺害して金品を奪おうと計画。2003年3月9日午前5時頃、スナック店内で経営者の頭を金属バットで殴って殺害し、現金約12万円を奪ったうえ、10日午前10時頃、奈良県十津川村の山中に遺体を捨てた。 | |
大阪地裁 水島和男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月17日 無期懲役 | |
水島和男裁判長は「雇い主の振るまいがひどいといっても殺害以外の手段があったはずだ」と指摘、「殺害方法は残虐かつ大胆この上ない。犯行後も証拠隠滅を図るなど犯情は悪質」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2004年7月8日、大阪高裁で被告側控訴棄却。赤波江被告は上告せず確定。2005年2月17日、上辻被告の上告棄却、確定。 |
太田秀志郎(51) | |
2002年2月5日 | |
0名(死亡者4名) | |
現住建造物等放火、窃盗他 | |
無職太田秀志郎被告は、2001年9月22日未明、東京都町田市の団体職員(当時45)方に窃盗目的で侵入。衣類などを盗んだが、予想に反して金品がなかったため、腹いせに、室内に干してあった布団カバーにライターで火をつけ、木造2階建て約90平方メートルを全焼させた。この火事で、2階で寝ていた団体職員と長女(当時8)、長男(当時6)、二女(当時3)が焼死した。 | |
東京地裁八王子支部 大淵敏和裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月17日 無期懲役 | |
調べに対し「盗み目的で侵入し火をつけた。人が寝ているとは思わなかった」と供述。被告側は、太田被告に知的障害があることなどから心神耗弱を主張した。 大淵敏和裁判長は「通り魔的犯行で悪質極まりなく、被告人の矯正の可能性は乏しい」とした。被告側は、太田被告に知的障害があることなどから心神耗弱を主張したが、判決は責任能力を認めた。 | |
太田秀志郎被告は2000年12月、町田市内での別の窃盗事件で逮捕、起訴されていた。控訴せず確定。 |
古里吉樹(49) | |
2000年9月22日 | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反(加重所持) | |
新宿区の中野会系暴力団会長古里吉樹被告、茨城県の住吉会系暴力団組長M被告ら5人は、1999年10月26日早朝、新宿区のマンションに帰宅した韓国籍のクラブ経営者(当時42)を玄関ホールで短銃を用い射殺した。経営者は歌舞伎町で非合法カジノ店を経営しており、住吉会系組員が同店で負けてつくった数千万円の借金を巡り、M被告らとトラブルになっていた。M被告は現場に同行しなかったが、他の4人と共謀したと判断された。 | |
最高裁第二小法廷 亀山継夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月17日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
一・二審判決日不明。M被告は懲役14年、S被告(30)は同9年とした一・二審判決が確定。 |
大森秀一(35) | |
2002年7月23日(自首) | |
1名 | |
強盗殺人 | |
無職大森秀一被告は、2002年07月21日午前6時50分頃、JR東京駅のコンビニエンスストアで菓子パン2個、おにぎり1個、コーヒー牛乳の4点550円相当を万引きして店外に出たところを店長(当時33)に見つかり、取り押さえられそうになった。大森被告は別の窃盗事件で有罪判決を受け執行猶予中だったため、「捕まれば刑務所行きだ」と考え、用意していたナイフで店長の腹を一突きして逃走した。店長は刺された後も追いかけたが倒れ、病院に運ばれたが死亡した。 大森被告は水道配管工として働くも何度も会社を辞め、2002年5月半ばからは母親の実弟の会社で働いていたが、6月29日朝、前日支給された給料約24万円を持って実家を飛び出し、昼はパチスロ、夜は漫画喫茶という生活を行っていた。7月10日頃になると残金が5万円程度になり、朝晩はスーパーマーケットで食料品を万引きし、昼は切符を購入して電車内で昼寝をしていた。JR東京駅のコンビニエンスストアは数日前から何度も万引きを行っていた。 | |
最高裁第三小法廷 上田豊三裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月23日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
被告側は殺意はなかった主張。 | |
大森秀一被告は昼間はパチスロ、夜は漫画喫茶という生活を送って2001年8月半ば、所持金を使い果たし、実母宅に帰る電車賃すらなくなってしまったため、川崎市内の路上にエンジンのかかったまま停車していた自動車を盗んで東京都内の実母宅まで戻った。 9月17日、所持金を使い果たしたため、新宿区内の店で食料品を万引きしたが従業員に発見されて警察に引き渡された。果物ナイフを所持していたため、翌日、罰金10万円に処せられた。 その後、先の自動車窃盗事件で逮捕され、12月28日、懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けていた。 2003年1月16日、東京地裁(山崎学裁判長)は「事件発生から3日目という早期に自首し、捜査に貢献した」と指摘し、「犯行が偶発的」「被害額が550円と少額」点が有利な事情として求刑無期懲役に対し、懲役15年の判決を言い渡した。 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) 量刑不当を訴える検察側と、「殺意はなかった」と主張する被告側がともに控訴した。 2003年11月7日、東京高裁で一審破棄、求刑通り無期懲役判決。 |
今帰仁秀樹(37) | |
2000年11月21日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、殺人未遂、逮捕監禁他 | |
コンピュータソフト会社役員今帰仁(なきじん)(旧姓・矢代)秀樹被告は、東京都世田谷区で一緒に会社を設立したコンピュータソフト会社社長(当時39)、女性役員(当時29)、鈴木勝美被告と2000年11月13日、事務所で会社経営について話し合っていたが、社長が今帰仁被告に貸した借金1,500万円の返済を迫ったため口論となった。今帰仁被告と鈴木被告は共謀して女性役員の首を絞め「逃げたら殺す」と脅迫し別室に監禁状態にする一方、社長を事務所内で絞殺した。さらに遺体を茨城県内の山林に埋めた。 女性役員は社内に監禁状態にされていたが、19日に自力で逃げ出し、玉川署に訴え出た。 | |
最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月23日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2002年8月8日、東京地裁で一審無期懲役判決。山崎学裁判長は判決理由で「白昼、共犯者とともに突然襲い掛かった粗暴、悪質な犯行。殺意を否認するなど不合理な供述態度で、真摯な反省もみられず、厳しい非難に値する」と指摘した。 控訴審判決日不明。 鈴木勝美被告は2003年10月28日、被告側上告棄却、確定。 |
足立文雄(34) | |
2002年10月26日 | |
0名 | |
営利及びわいせつ略取、監禁、強盗強姦、強盗、強姦未遂、覚せい剤取締法違反 | |
無職足立文雄被告とS被告は、2002年10月7日、埼玉県吹上町のアパートに押し入り、家にいた女性(当時21)に対し強盗と乱暴をはたらいた。 10月12日未明、群馬県伊勢崎市内でひとり暮らしをしていた女性(当時21)宅に押し入り、女性をナイフで脅した後、抵抗を防ぐために覚せい剤を注射。その後乱暴して現金を奪った。 10月22日午後、栃木県佐野市のスーパー駐車場で、妊娠中の女性(当時21)の腹部に包丁を突き付けて脅し、車で約2時間連れ回した。その間、女性が抵抗できないよう覚せい剤を注射して暴行したうえ、女性のキャッシュカードを奪って現金を引き出した。 10月25日午後6時ごろ、埼玉県上里町の大規模小売店駐車場で、買い物を終え自分の車へ戻ろうとした女性(当時29)をナイフで脅し、車内で現金13万円を奪った。 両被告は26日午前4時ごろ、伊勢崎市のアパートで1人暮らしの女性方のチャイムを鳴らしたが、不審に思った女性が警察に通報、15分ほど後に駆けつけた同署員が、近くの路上にいた両被告を発見した。 「出産費用を持っている」などの動機から若い妊婦を狙って事件を重ねたという。現金や物品を合わせて被害額は約155万円に上る。 足立被告は2003年1月末から2月初めにかけて、拘置中の群馬県警伊勢崎署の留置場内で、銃刀法※違反容疑で逮捕された男が持ち込んだ覚せい剤粉末約0.55グラムを譲り受けて使用したり、他の留置人に譲ったりした。 | |
前橋地裁 久我泰博裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月24日 無期懲役 | |
足立被告は当初、起訴事実を認めたが、公判途中から「S被告に陥れられた」などと一転して否認。最終弁論で「検事に不公正な取り調べを受けた」などと語った。 久我泰博裁判長「凶悪さには戦りつを覚える。被害者らは筆舌に尽くしがたい苦痛を受けた」とした。 | |
2003年5月6日には、公判開始20分前に前橋地裁内のトイレに入り、置かれていた液体洗浄剤を飲んで公判延期事件を引き起こしている。 S被告には求刑通り懲役18年が言い渡されて確定した。 被告側は控訴した。2004年10月13日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
尾田幸夫(69) | |
2001年7月26日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
栃木県鹿沼市でおが粉製造業を営んでいた尾田幸夫被告は経営資金や生活費に困り、2002年10月9日午後4時頃、都賀町に住む知人の女性(当時66)が自宅兼工場を訪れた際、頭や背中などを鉄パイプで殴り、ビニール紐で首を絞めて殺害、現金約340万円を奪った。さらに午後6時半頃、宇都宮市の鬼怒川河川敷に遺体を埋めた。 | |
最高裁第二小法廷 北川弘治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月24日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
「被害者から高利の借金をして長年苦しめられたうえ、利息の支払いの代わりに自宅のトイレや下水道の清掃、買い物をさせられるなど度を超した侮辱的な扱いや暴力を受けたため」と減軽を主張。 | |
2003年7月1日、宇都宮地裁栃木支部で一審無期懲役判決。2003年10月30日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
梁淳吉(64) | |
2001年7月31日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗他 | |
韓国人梁淳吉被告、李※洙(※=火へんに亢)被告(一審無期懲役判決、控訴中)、信販営業代行I被告(一審懲役12年判決)ら5人(うち韓国マフィアの幹部と見られる実行役2人は韓国で身柄拘束)は、1998年3月から1999年11月までに、大阪府、兵庫県で資産家計9軒を次々に襲い、家人を縛り上げ「カネ、カネ、キンコ」などと片言の日本語で脅し、計約4,700万円と貴金属約3,900万円相当を強奪した。そのうち1999年5月には大阪府豊中市の会社役員宅で家政婦(当時66)の両手両足を縛り、口をふさいで窒息死させたうえ、現金25,000円を奪っている。一連の事件で11人に重軽傷を負わせた。梁被告は実行役の1人だった。 | |
大阪地裁 米山正明裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月25日 無期懲役 | |
梁被告は、豊中市の事件など3件への関与を否認していたが、米山正明裁判長は「共犯者の供述などから、梁被告の関与は優に認定できる」と指摘、「重大かつ凶悪な犯行で、極めて厳しい非難は免れない」と述べた。 | |
控訴せず確定か。 |
和川宏(64) | |
2001年5月26日 | |
1名 | |
殺人 | |
2001年5月24日、大工和川宏被告は4月から交際していた仙台市青葉区の女性(当時55)のマンションを訪れ、一緒に酒を飲んでいるうちに口論となり、盆を女性の首に押しつけ窒息死させた。 | |
仙台地裁 畑中英明裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月25日 無期懲役 | |
和川被告は初公判で、「酒を飲んでいたので、マンションに行ったことすら覚えていない。起訴状にあるようなことを自分でしたとは思っていない。殺意を持ったこともない」と起訴事実を否認、無罪を主張した。 仙台地裁の畑中英明裁判長は判決理由で、キスしようとして拒まれたことに逆上した犯行は一方的で凶悪と指摘、「酒の影響で服役したのに、仮出所後も自戒せず飲酒、犯行に及んだ。非難の度合いはとりわけ厳しい」と述べた。また被告は飲酒するとささいなことですぐに頭に来て暴れる性格だとし「善悪を理解し行動する能力は失われていなかった」と無罪の主張を退けた。 | |
和川被告は1965年に白石市で起きた殺人、強盗事件で無期懲役の判決が確定、1991年8月から仮出所中だった。被告側は控訴した。2004年10月28日、仙台高裁で被告側控訴棄却。2005年4月19日、被告側上告棄却、確定。 |
本多俊一(48) | |
1999年8月18日 | |
0名 | |
強盗強姦、強姦 | |
服飾店経営本多俊一被告は、1996年8月~1998年7月、神戸市内などの無施錠のマンションなどに侵入。当時18~28歳の女性9人を暴行し、うち7件で現金約65万円を奪った。 | |
最高裁第三小法廷 金谷利広裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月24日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
本多被告は9件中5件について無罪を主張。 | |
2001年3月9日、神戸地裁で無期懲役判決。2002年3月1日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
河合正夫(47) | |
2003年7月14日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗、住居侵入、強姦未遂 | |
会社役員河合正夫被告は1998年7月18日午前9時すぎ、京都市の看護師の女性(当時25)が住むマンションに、金を奪う目的で侵入。室内を物色中、夜勤明けで帰宅した女性の顔などを殴打。手足を縛り、刃物を突きつけ「(カードの)暗証番号を教えろ」と脅迫。「顔を見た」と告げられたことから殺害を決意。部屋にあった包丁で胸を刺して殺害殺、キャッシュカードと現金1万6,000円の入った財布を奪うなどした。 河合被告は京都市内の銀行支店で女性のカードで預金を引き出そうとして失敗。防犯カメラの映像などが公開され、5年後、京都府警に逮捕された。 余罪として、別の被害者の膣内にボールペンを突っ込んだが、既遂には至らなかった。 | |
京都地裁 楢崎康英裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月27日 無期懲役 | |
楢崎裁判長は判決理由で「犯行は極めて冷酷非道。両親ら遺族の怒りと悲しみは限りなく深く、処罰感情は激烈」「逮捕まで遺族は苦もんの日々を強いられた。被告には人生のすべてを悔悟に捧げ、謝罪としょく罪の日を送らせるのが相当」と述べた。 | |
看護師の父親は、犯人逮捕に結び付く情報に懸賞金200万円をかけていた。 控訴せず、確定。 |
伊藤弘幸(40) | |
2003年4月17日(覚せい剤取締法違反の罪で起訴済) | |
1名 | |
殺人、殺人未遂他 | |
神奈川県松田町の無職伊藤弘幸被告は、職に就けないことなどのうっぷんを晴らすため、2003年3月29日夜、同町の町道で軽乗用車を運転し、歩いていた男性(当時58)の左腰を運転席から包丁で刺して殺害。さらに同日と21日、車から歩行者を刺したり、はねたりして3人にけがを負わせた。 | |
横浜地裁小田原支部 田中優裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年2月27日 無期懲役 | |
伊藤被告は死刑を求める嘆願書を繰り返し提出。結審した際、「死刑判決と半年以内の執行をお願いしたい。臓器提供で命の償いをしたい」と陳述していた。判決言い渡しの前にも「私にとって死刑が一番軽い(刑罰)」などと意見を述べた。これに対し、田中裁判長はいったん休廷したが、判決で「死刑」には言及しなかった。 田中裁判長は判決理由で「うっぷんを晴らすための無差別的犯行で極めて独善的だ。被害者には何の落ち度もなく地域住民に与えた衝撃も大きく情状酌量の余地はない」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2004年10月6日、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年3月1日、被告側上告棄却、確定。 |
金哲山(32) | |
2002年3月2日 | |
1名 | |
強盗殺人、加重逃走、強盗致傷他 | |
中国籍の無職金哲山被告は2002年2月26日午前1時頃、中国籍で知人の無職少年(事件当時19)と盗み目的で川崎市川崎区のナイトクラブの従業員寮に侵入し、フィリピン人男性従業員(当時36)をナイフで刺殺し、キャッシュカードを奪い、現金94,000円を引き出した。同年1月19日には2人で都内のマンション一室に侵入し、包丁で住人を脅し現金約26,000円などを奪った。 金被告は11月22日午後0時50分頃、川崎市川崎区の横浜地裁川崎支部構内で、独房の便器から取った金属製蝶番で腰縄を切り、護送用マイクロバスから降りたところで走って逃走。28日未明、大阪市生野区のスナックで女性店長(69)の首を絞め、現金8万円と女性が身につけていたネックレスなどを奪い、けがをさせた。29日午後4時半ごろ、大阪市西成区の路上にいるところを発見、逮捕された。 | |
東京高裁 原田国男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月1日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
弁護側は「殺意はなく、量刑は重すぎる」と主張したが、原田国男裁判長は「被告が殺害に同意したと認めた共犯者の供述は信用できる。逃走した上、強盗致傷事件を起こした責任は極めて重い」として退けた。 | |
法務省は2003年5月29日、護送を担当した副看守長と看守部長を減給一か月(百分の三)、副看守長を戒告のそれぞれ懲戒処分にした。また、監督責任者として、横浜刑務所長を厳重注意、横浜拘置支所長ら四人を訓告とした。 知人少年は2003年9月8日、横浜地裁川崎支部で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 2003年10月27日、横浜地裁川崎支部で求刑通り一審無期懲役判決。 |
伊藤昭(52) | |
2001年7月31日 | |
1名 | |
住居侵入、強盗致死、強盗傷人、覚せい剤取締法違反、電磁的公正証書原本不実記録・同供用、窃盗 | |
2001年4月28日、専門学校生安峰被告、専門学校生A被告(中国国籍 事件当時少年 一審懲役15年、検察側控訴)、元暴力団員伊藤昭被告、専門学校生R被告(中国国籍 犯行当時未成年だったことが判明したため公訴棄却、再起訴)は、山形県羽黒町の鶴岡市職員宅の倉から古美術品等を奪おうと侵入。玄関で職員の妻(当時51)の手足を粘着テープで縛り、左胸を包丁で刺して失血死させた。さらに、高校2年生の長女にも切り付け、腰に軽傷を負わせた。事件の計画、長女への傷害は伊藤被告、殺害は安峰被告であると起訴された。本事件では他に、運転手および運転手を手配した男がいずれも強盗致死、強盗致死ほう助罪などで起訴されている。 伊藤被告が犯行を計画したのは、別の事件で指名手配され逃走資金を得ようという理由だった。伊藤被告は知り合いの暴力団組長を通じ、日本人の運転手グループ、安被告らの中国人実行犯グループを探してもらう。O被告らは「アルバイト感覚で報酬目当てに」中国人犯罪者の送迎を常習的に続けていた。 安峰被告と専門学校生は2001年3月26日に台東区で強盗傷害事件を引き起こし、2001年11月9日に再逮捕されている。 | |
仙台高裁 松浦繁裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月2日 無期懲役(被告側控訴棄却) 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
伊藤被告は「安峰被告が包丁を持ち込んだことを知らず主婦殺害を予見できなかった」と主張。 仙台高裁、松浦繁裁判長は判決理由で、伊藤被告が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕状が出たことを知り逃走資金を得るために犯行を主導したと指摘、「社会に大きな恐怖感を与えた」と述べた。 | |
A被告は2003年6月2日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑無期懲役に対し一審懲役15年判決。2004年2月27日、仙台高裁で検察・被告側控訴棄却。上告せず確定。 安峰被告は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 運転手の手配をしたO被告(35)は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑懲役7年に対し、一審懲役5年判決。 運転手のO被告(24)は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑懲役7年に対し、一審懲役4年6月判決。 2003年8月18日、山形地裁で求刑通り一審無期懲役判決。上告せず、確定。 |
河原嫁実(59) | |
2003年5月29日(死体遺棄容疑。6月6日、強盗殺人容疑で再逮捕) | |
1名 | |
強盗殺人 | |
無職河原嫁実(かすみ)被告は借金があったことから、2000年6月24日朝、福岡県若宮町の山林に駐車した乗用車内で、パチンコ仲間である男性(当時82)の首を絞めて失神させ、現金約20万円入りの財布などを奪い、顔に粘着テープを巻き付けて窒息死させた。奪った金は生活費や遊興費に充てていた。 福岡県警捜査本部は、男性が出入りしていたパチンコ店の客約6,000人を聴取。犯行に使われた粘着テープに付着した指紋の分泌液から検出したDNA型が河原被告と一致したことから、死体遺棄容疑で逮捕した。 | |
福岡地裁飯塚支部 有吉一郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月3日 無期懲役 | |
量刑理由で、有吉裁判長は「生活費や遊興費を得るために殺害し金品を強取するなど言語道断。残忍で冷酷な犯行で、3年も逮捕を待ち続けた遺族の無念さ、心の傷は極めて深く、それを癒やす方法は見当たらない」などと述べた。 | |
被告側は控訴した。控訴判決日不明。2004年11月29日、被告側上告棄却、確定。 |
村田清子(63) | |
2003年7月31日 | |
1名 | |
強盗殺人、住居侵入、有印私文書偽造、同行使、詐欺 | |
保険外交員村田清子被告は高価な服や宝石を買い続けて借金を重ねたことから、長野市妻科で2003年5月7日深夜、金品を奪おうと一人暮らしのたばこ店経営者(当時81)方に侵入。目を覚ました経営者の頭などを叩いて金のある場所を聞き出そうとしたが、経営者が大声で助けを求めたため殺意をもって懐中電灯で殴り、粘着テープなどで顔と両手足を縛り、外傷性ショックで死亡させた。郵便貯金通帳などが入った手提げバッグを奪い、5月8日に現金200万円を引き出した。 | |
長野地裁 青木正良裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月4日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
公判で村田被告は「殺すつもりはなかった」として殺意を否認、弁護側は「強盗殺人ではなく、強盗致死に当たる」と主張していた。 青木正良裁判長は未必の殺意を認めたうえ「犯行態様は極めて非道かつ残虐」と指摘した。さらに村田被告を「短絡的で極めて身勝手であり、自己中心的」と厳しく断じた。 | |
被告側は控訴した。 被害者の遺族らは2004年4月26日、村田被告から遺族らに対して謝罪の意思表示がないことを重視。被害者が殺されたことへの慰謝料2,500万円のほか、村田被告が被害者の貯金通帳を使って現金を引き下ろしたとされる被害額200万円の支払いなど、総額約2,830万円の支払いを求める訴えを長野地裁に起こした。 2004年7月15日、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年3月8日、被告側上告棄却、確定。 |
少年(19) | |
2003年1月27?日(別の強盗傷害事件で逮捕済) | |
1名 | |
強盗致死、強盗傷害、傷害 | |
神奈川県秦野市の土木作業員で通信高校3年生の少年(当時18)は、2002年11月1日早朝、友人の少年(当時19 特別少年院送致)の乗用車に同乗し、信号待ちの際、後ろに停車した秦野市の学生(当時19)がクラクションを鳴らして発進を促したことに立腹し追跡。約6キロ先の神奈川県秦野市の路上で車を降りた学生を鉄パイプで殴り、死亡させた。車を運転していた少年は犯行に参加していない。 少年は遊ぶための資金が不足し、自動車教習所の受講料などの支払いに困ったことから、数日前から「若い学生から金を奪ってやろう」と計画、乗用車で付近をうろついていたと供述している。 また同月16日、秦野市内で通行人の男性2人を殴り、1人から現金3,000円と携帯電話を奪った。同年9月には、同市内でミニバイクの運転の仕方に腹を立て、男性を殴った。 他に1件の傷害事件で起訴されている。 | |
横浜地裁小田原支部 田中優裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月5日 無期懲役 | |
田中裁判長は「現金などを得るための余りにも自己中心的な犯行。被害者家族らの悲しみと憤りは察するにあまりある」などと述べた。 | |
控訴せず確定。 |
飯田勝久(59)/太田勝(57)/馬錦標(56 中国籍) | |
2003年3月13日 覚せい剤約260キロ(末端価格約156億円)を押収。 | |
0名 | |
覚せい剤取締法違反(営利目的所持)他 | |
貿易商飯田被告、無職太田被告、馬被告は暴力団幹部畠山正男被告、三浦久一被告と共謀。2003年1月から3月にかけて、覚せい剤の結晶など計約470kgを陶磁器製の人形の台座に隠す手口で中国・上海からコンテナ船で横浜港に密輸した。 | |
横浜地裁 松尾昭一裁判長 | |
無期懲役 罰金1,000万 | |
2004年3月8日 飯田被告、馬被告:無期懲役 罰金1,000万円 2004年3月8日 太田被告 :無期懲役 罰金 800万円 | |
松尾裁判長は「密輸した一部を約3億円で暴力団に売るなど利益を得るための無法極まる犯行。覚せい剤のまん延が深刻な社会問題となっており、刑事責任は極めて重大だ」と述べた。 | |
馬錦標被告は控訴せず確定。飯田被告、太田被告は控訴した。2004年9月17日、控訴棄却。2005年1月17日、被告側上告棄却、確定。 |
手柴勝敏(60) | |
1997年2月21日(暴力行為容疑) | |
2名 | |
強盗殺人、殺人、死体遺棄 | |
不動産ブローカー菅峰夫被告は会社社長を名乗り、1996年1月頃から、福岡県小郡市西部の工業団地開発計画予定地の地権者約50人に「予定地を買い取って大手企業を誘致したい」などと勧誘。菅被告と建設作業員手柴勝敏被告は「開発予定地の農地転用申請に必要」などとして、地権者の大半から土地の売買契約書や印鑑証明を入手しており、それを使って予定地の転売を計画していた。しかし地権者の世話役だった佐賀県鳥栖市の不動産会社社長(当時59)が邪魔になり、殺害を決意。6月8日午後11時半ごろ、同市で開かれた地権者との会合後、以前から二人に借金を申し込んでいた社長に「(現金を)用意している」と声を掛けて福岡県嘉穂郡庄内町の作業所に呼び出し、首を絞めるなどして窒息死させ、同町内の空き地に埋めた。 11月19日には、巨額で架空の建設計画で騙して呼び寄せた嘉穂郡穂波町の建設会社社長(当時54)を庄内町のアパートで殺害、社長の経営する会社振り出しの約束手形二通(額面総額4100万円)と現金900万円を奪い、遺体を同町内の造成地に埋めた。 菅被告は詐欺容疑で11月21日に、1997年1月23日には横領容疑で逮捕された。手柴被告は1997年2月21日に暴力行為容疑で逮捕された。二人が会社社長の死体遺棄容疑で逮捕されたのは2月22日だった。不動産会社社長の遺体は1997年4月24日に発見され、二人は再逮捕された。 | |
福岡地裁 林秀文裁判長 | |
死刑 | |
2004年3月11日 無期懲役 | |
菅被告は1997年10月1日の初公判で不動産会社社長の死体遺棄は認めたが、二人の殺害などについては無罪を主張。手柴被告は第二回公判の罪状認否で「二件の殺人、死体遺棄は菅被告に強要された。強盗はしていない」と主張した。 検察側は「借金返済を目的に一獲千金を狙った利欲的な犯行で、矯正の可能性はない」として両被告に死刑を求刑した。 林裁判長は2社長殺害などの共謀共同正犯を認定したが、主従関係や全容解明に寄与した手柴被告の自供内容などを重視。「手柴被告には素朴、人間的な心情がなお残っており、極刑にはためらいを覚える」と刑の軽減理由を述べた。 | |
菅峰夫被告は求刑通り死刑が言い渡された。検察・被告側は控訴した。2006年5月24日、福岡高裁で一審破棄、死刑判決。2009年12月11日、最高裁で被告側上告棄却、確定。 |
川上智弘(22) | |
2002年8月7日 | |
1名 | |
殺人未遂、強盗殺人、傷害、窃盗 | |
住所不定、無職の川上智弘被告は以下の事件を起こした。
川上智弘被告と荘司公彦被告は教護院(現在の児童自立支援施設)からの知り合いである。 | |
名古屋高裁 小出☆一裁判長(☆=金ヘンに享) | |
死刑 | |
2004年3月15日 無期懲役(検察、被告側控訴棄却) | |
検察側は「一審判決は情状面を過大評価し、軽すぎる」と主張したが、小出裁判長は「被害者が被告の仲間を脅迫したことが事件の発端になったのは否定しがたい。年齢が若く、服役を通して人間性に目覚める可能性を否定できない」と死刑を回避した理由を述べた。 | |
強盗殺人他で起訴されたK被告は2003年6月10日、名古屋地裁(片山俊雄裁判長)で求刑無期懲役に対し、一審懲役15年判決。片山裁判長は「K被告は殺人行為の主導的役割を果たしていない」と認定した。2004年1月20日、名古屋高裁(川原誠裁判長)で検察側控訴棄却。上告せず確定と思われる。 強盗殺人他で起訴された荘司公彦被告は2004年11月16日、名古屋地裁(片山俊雄裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定と思われる。 2003年8月19日、名古屋地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。被告側は上告した。2004年9月10日、被告側上告棄却、確定。 |
関井雅信(46)/大野義隆(44) | |
2001年7月26日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、建造物侵入、窃盗、有印私文書偽造、同行使、詐欺 | |
無職だった関井雅信被告と大野義隆被告は金に困り、1999年5月21日未明、名古屋市に住む知人のトラック運転手(当時36)を殺害し愛知県幸田町の山中に捨て、預金200万円を引き出した。2年後、別の窃盗容疑で自首し、逮捕された男性(どちらかは不明)が殺害を自供、遺体が発見された。 | |
最高裁第二小法廷 福田博裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月16日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2003年4月22日、名古屋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2003年10月8日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。 |
服部潤之輔(50) | |
2002年6月5日 | |
2名 | |
強盗殺人他 | |
服部潤之輔被告は、携帯金融を含む業者30社から借りた約1,300万円の返済に追われていた。2002年4月15日午後2時頃、義母である福岡市のアパート経営者(当時82)方を訪問。5年前に病死した義父の遺産について分与を依頼したが断られた。さらに同居している義姉(当時51)から借金問題でも非難されたため、義姉の殺害を決意。同日、鉄パイプなどを用意して義母方に侵入。義母と義姉の頭を殴って殺害、現金47万円などを奪った。奪った現金は返済に充てていた。 | |
福岡地裁 林秀文裁判長 | |
死刑 | |
2004年3月17日 無期懲役 | |
服部被告は公判で、現金や財布を盗んだこと、殺害の事実は認めたが、「強盗目的ではなく、義母に対しては殺意もなかった」と犯意など起訴事実の一部を否認していた。 検察側は「借金返済に窮し、相続財産を狙った残虐極まりない犯行。弁解を繰り返す服部被告に矯正の可能性はない」と死刑を求刑していた。 林秀文裁判長は「尊い命を奪った犯行は残虐極まりないが、計画は周到なものではなく、親族でもある遺族の処罰感情は複雑で、極刑適用にはためらいを禁じ得ない。矯正教育による改善の可能性がないとはいえない」「これまでは通常の社会生活を送っており、経済状態が芳しくなくなったことが犯行に及んだ最大の原因」「生涯を通じて被害者二人のめい福を祈らせ、命の尊厳、罪の重さを自覚させ、永く贖罪生活を送らせることが相当」と述べた。 | |
検察側は控訴した。2005年2月8日、福岡高裁で検察側控訴棄却。上告せず、確定。 |
村上勝広(60) | |
2001年1月26日 | |
1名 | |
電磁的公正証書原本不実記録、同供用(変更後の訴因 電磁的公正証書原本不実記録、同供用、詐欺未遂)、殺人未遂、詐欺、殺人 | |
建設会社の実質的オーナー村上勝広被告は、同社社長の男性(45 殺人の罪で懲役18年が確定)と共謀し、保険金目当てで同社役員の女性(当時38)の殺害を計画。2000年11月29日朝、男性に「(女性と一緒に)死んで金をつくれ」「やらないとおまえがやられる」と脅し、ナイフで女性を殺害させた。 建設会社は1989年頃から女性の夫が社長を務めていたが、1999年11月に不渡りを出すなど経営が悪化し、村上被告の運送会社が資金援助をしていた。村上被告は、9月頃に女性に掛けた生命保険金1億5千万円をだまし取ろうとしたが、未遂に終わった。 | |
札幌地裁 小池勝雅裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月18日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
村上被告、共犯として起訴されていた女性2被告(いずれも懲役5年求刑)は無罪を主張。 女性2被告は、女性役員宅に実行犯男性を送るなど犯行に加担した上、証拠隠滅を図った、として起訴されていた。 小池裁判長は、実行犯の男性の公判での証言について「『(被害者を)やれ』『(被害者には)保険金を掛ける』と勝広被告に言われたことや、それが殺害の指示と理解した心理経過はいずれも具体的で迫真性がある」と述べ、殺害が村上被告と男性の共謀だと認定した。 判決理由で「犯行の悪質性、動機の利欲性、対応の残忍性などを考えると、刑事責任は極めて重大」と指摘。殺人の罪に問われていた女性2被告の無罪理由については「殺害に関与したとするには合理的な疑いが残る」「(自白調書は)捜査官の誘導で得られた疑いが払拭できない」などとして信用性を否定した。 | |
被告側は控訴した。無罪を言い渡された2被告に対して、検察側は控訴した。2005年7月14日、被告側控訴棄却。女性2被告は殺人ほう助で懲役3年、執行猶予5年の逆転有罪判決が言い渡された。2007年1月22日、被告側上告棄却、確定。女性2被告の上告も棄却、確定。 |
渥美圭一郎(33) | |
2002年2月18日(詐欺容疑で起訴済) | |
2名 | |
強盗殺人、死体遺棄、窃盗他 | |
渥美圭一郎被告、佐藤浩和被告(一審無期懲役判決が確定)はパチンコの出玉を不正操作する「ゴト師」グループのメンバーだったが、リーダーの埼玉県川口市に住む元寿司店経営者の男性(当時36)と、ナンバー2の同県所沢市に住む元パチンコ店従業員の男性(同30)に黙って他の2名と手を組み、パチスロ機を不正に操る装置「裏ロム」を仕掛け、稼ぎを得ていた。この行動がリーダーに発覚し暴行を受けたため、恨みを晴らすのとグループを乗っ取る目的で殺害を計画。リーダーら2名の首を絞めて殺害し、計約120万円を奪い、2人の遺体を登別市内のトレーラー荷台に遺棄した。遺体は2001年11月に発見された。 | |
札幌高裁 長島孝太郎裁判長 | |
死刑 | |
2004年3月22日 無期懲役(検察側控訴棄却) | |
長島裁判長は「リーダーに対する不満や憤りなどが募り、犯行に及んだ。金品目的が中心の典型的な強盗殺人事件と同列視できない」と指摘した。 | |
2003年2月14日、札幌地裁で無期懲役判決。共犯2名は求刑無期懲役に対し「追従的立場である」と懲役15年の判決。検察側が3被告に対し「量刑不当」と控訴していた。共犯2名についても検察側控訴棄却。上告せず確定。 伊豆市に住む元パチンコ店員の遺族3人は損害賠償を求めて提訴。2004年5月27日、静岡地裁沼津支部は、犯行グループ4人に対し、元店員の子に2,500万円、両親に各250万円の支払いを命じた。 |
原田亜矢子(25)/安芸健太郎(34) | |
2002年8月26日(死体損壊、死体遺棄容疑。安芸被告は7月13日に起こした強盗殺人未遂容疑で、原田被告は事件直後に逃走した安芸被告に対し、県外への逃走を勧めたとして、犯人隠避容疑で、それぞれ逮捕、起訴されていた) | |
1名 | |
強盗殺人、強盗殺人未遂、窃盗、銃刀法※違反、死体損壊、死体遺棄、建造物侵入、窃盗、犯人隠避 | |
会社員原田亜矢子被告(23)と無職安芸健太郎被告(32)は、現金を奪う目的で、原田被告の知人女性(当時27)の殺害を計画。2002年7月7日未明、原田被告が女性を呼び出し、安芸被告が和歌山市内でドライブ途中に女性の首をタオルで絞め殺害した。現金約35,000円を奪い、遺体は和歌山県かつらぎ町の山中に運んで焼いた。原田被告は、殺害した女性の弟とも出会い系サイトで知り合い、交際していた。 さらに安芸被告が以前勤めていた同市内のカー用品店店長(当時48)から売上金を奪うため、殺害を2人で計画。同月13日夜、安芸被告がサバイバルナイフで刺し、重傷を負わせた。 原田被告と安芸被告は2001年8月、携帯電話の出会い系サイトで知り合った。空き巣や車上狙いなど計5件の窃盗罪でも起訴されている。いずれも原田被告の指示で安芸被告が実行した。 | |
和歌山地裁 樋口裕晃裁判長 | |
死刑 | |
2004年3月22日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
初公判で安芸被告は起訴事実を全面的に認めたのに対して、原田被告は、安芸被告と共謀したとする和歌山市内での強盗殺人未遂と銃刀法※違反の罪に関しては「殺してまでお金を取って欲しいとは思わなかった」などと主張し、弁護側も殺意はなかったとして、強盗致傷にあたると主張した。 これに対して、検察側は冒頭陳述で、原田被告が遊ぶ金欲しさに、原田被告に好意を持っている安芸被告を騙し、窃盗を繰り返した上、強盗殺人まで指示するようになったと主張した。 論告求刑公判で検察側は「平然と命を奪った猟奇的な犯行で、犯罪性向は根深く矯正は不可能だ」と指摘して死刑を求刑。 最終弁論で、安芸被告の弁護人は「安芸被告は原田被告の虚言に踊らされたもので、十分に反省している」。一方、原田被告の弁護人は「犯行は綿密な計画性のない幼稚なもので、取り調べにも素直に協力するなど、更生の可能性がある」などとしてそれぞれ情状酌量を求めた。 判決理由で樋口裕晃裁判長は「異性との自由な交遊のため無関係な人間を殺害するなど、極度に身勝手で冷酷非情な犯行」と指摘した上で、「安芸被告は天涯孤独の身で原田被告への依存を深め、金づるとして利用された。原田被告も自分から警察に事件を打ち明け、いずれも反省している」と、死刑を回避した理由を述べた。 | |
検察・被告側は控訴した。2005年1月11日、大阪高裁で検察・被告側控訴棄却。安芸被告は上告せず確定。2005年12月12日、原田(現姓太田)被告の上告棄却、確定。 |
田口まゆみ(42)/加藤繁夫(41) | |
2001年10月6日 | |
1名 | |
殺人、詐欺 | |
保険外交員田口まゆみ被告は借金の返済に困り、知り合いのトラック運転手加藤繁夫被告に田口被告の夫(当時38)殺害を依頼。加藤被告ら4人は1995年8月18日、夫にクロロホルムをかがせ、車ごと石巻市の漁港に沈めて水死させた。田口被告は8月20日、家出人届を提出。遺体は1995年11月7日に見つかった。田口被告は事故を装って生命保険金約1億3,000万円をだまし取り、加藤被告らに契約金2,500万円を支払った。 | |
最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月22日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
田口被告側は「クロロホルムで死亡した可能性があり、傷害致死に当たる」と主張していた。 決定理由で泉裁判長は「その時点で殺人の実行着手がされたと解釈でき、殺人の故意に欠けるところはない」とした。 | |
2002年5月29日、仙台地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2003年7月8日、仙台高裁で被告側控訴棄却。 実行犯3名は、一人が二審懲役18年、一人が二審懲役8年で確定。もう一人は一審懲役16年が確定している。 |
本嶋健(28)/紺野道明(29)/堀籠一也(24)/菊池和人(32) | |
本嶋被告:2002年6月28日(偽ルイ・ヴィトン販売による商標法違反事件で2002年6月13日、山形県警に逮捕された) 紺野被告:2002年6月19日(高橋被告ととも 死体遺棄容疑) 堀籠被告:2002年6月21日(器物損壊事件などで服役中) 菊池被告:2002年6月21日(詐欺事件などで逮捕済み) | |
2名 | |
強盗殺人、殺人、死体遺棄、詐欺 | |
宮城県の山口組系暴力団幹部高橋秀(すぐる)(旧姓石川)被告は、同じ幹部の本嶋健、堀篭一也、紺野道明、組員菊池和人各被告と共謀。2001年1月頃、仙台市内の駐車場で、組を脱退しようとした男性(当時25)を暴行し、コンクリートブロックなどの重しを付けて福島県相馬市の相馬港の海中に生きたまま投げ込み殺害した。 高橋被告と本嶋被告は、仙台市に住む貸金業の男性(当時36)の依頼で取り立てた約200万円を着服。返済を求められたため、返済を免れて所持金を奪おうと他の3被告を誘い、2001年2月3日夜、宮城県名取市の駐車場の車内でひもを使って絞殺。男性の所持金約30万円を奪い、遺体にコンクリートブロックを結び付けて仙台市宮城野区の仙台新港に捨てた。 高橋被告と本嶋被告は、仲間の組員の母から金をだまし取ろうと考え、岩手県内の女性に対し、「息子が借金をして、連帯保証人が母になっている。借金を支払え」などと要求。1999年4月から2000年7月までの間、数回にわたり計約2,500万円をだまし取った。 | |
仙台地裁 本間栄一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月25日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
検察側は冒頭陳述で「高橋、本嶋両被告は、男性に取り立てを頼まれて着服していた借金の返済金200万円を返すよう求められ殺害に及んだ。他の3人は、殺害すれば多額の現金が手に入ると持ちかけられた」と動機を指摘した。 5人は殺害と死体遺棄については起訴事実を認めたが、高橋被告と堀篭一也被告は「金品強奪の目的はなかった」と、強盗は否認した。また5人は殺意を否認した。 弁護側は強盗目的や殺意を否認、暴力団特有の上下関係に逆らえない事情があったなどとして情状酌量を求めていた。 | |
首謀者の高橋被告は求刑通り死刑判決。4被告側は控訴した。本嶋健被告のみ2004年中に控訴取下げ、確定。2005年7月26日、仙台高裁で被告側控訴棄却。2007?年、被告側上告棄却、確定。 |
米川春雄(50) | |
2001年10月26日 | |
1名 | |
殺人、殺人未遂、銃刀法※違反他 | |
水戸市の暴力団幹部米川春雄被告は、2001年10月26日午前0時頃、旭村滝浜の国道51号を走行中の乗用車内で、後部座席から助手席にいた同じ暴力団の幹部(当時33)を射殺。更に、運転していた無職男性の頭部に拳銃を突き付けて引き金を引いたが不発だった。米川被告は、殺害した幹部から多額の借金をしており、返済を執ように迫られていた。 | |
東京高裁 仙波厚裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月25日 無期懲役(一審破棄) | |
米川被告は起訴事実の認否で、「殺意はなく、もみ合っているうちに拳銃が暴発した」などと殺意を否認した。殺人未遂罪については「拳銃に弾が入っていないことを確認し、脅しのために銃を向けた」と主張した。 水戸地裁、林正彦裁判長は「公道上で拳銃を発射するという危険かつ反社会的な犯行で、法廷でも不合理な証言を繰り返し反省を示していない」とした。 | |
2003年10月2日、水戸地裁で一審懲役18年判決。検察側が「一審判決は軽すぎる」と控訴していた。被告側は上告した。2005年4月18日、被告側上告棄却、確定。 |
陳明(29) | |
2002年11月15日(陳祥発の偽名を使用。窃盗罪で起訴済) | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反、強盗傷害、窃盗他 | |
2002年1月5日、中国人陳明被告は、中国人何家忠被告らと共謀し、埼玉県川口市のJR西川口駅前の雑居ビルで、中国人マフィアの幹部(当時32)を射殺した。また、2002年7月2日から8月24日にかけて香川県高松市、岡山県倉敷市、三重県伊勢市で合計15件の強盗致傷事件や窃盗などを重ねた。 | |
東京高裁 仙波厚裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月25日 無期懲役(一審破棄) | |
一審判決では、陳被告は何家忠被告=殺人罪などで一審公判中=からけしかけられたことなどを考慮し懲役20年を言い渡した。これに対して控訴審判決は、「陳被告はためらわずに殺人に賛同している」などとし、「一審判決は著しく軽い」と判断。強盗などについて「被害者の恐怖と苦痛を重視すべきだ」と指摘した。 | |
2003年7月28日、一審さいたま地裁で懲役20年判決。被告側は上告した。2005年2月14日、被告側上告棄却、確定。 |
河合雅樹(40) | |
2002年3月19日 | |
0名 | |
強盗強姦、強姦致傷、強姦他 | |
元会社員河合雅樹被告は、1997年10月から2002年3月にかけ、無施錠のベランダなどから1人暮らしの女性の部屋に侵入。テレビドラマをヒントに、きんちゃく袋を女性の頭にかぶせて目隠しをする手口で、乱暴を重ねた。自らの犯行をビデオに録画することもあった。東京都江戸川区や千葉県市川市の23人の女性の家に忍び込み、18~46歳の17人を強姦。6人にけがを負わせたほか、現金や腕時計など約90万円相当を奪った。 | |
東京地裁 大島隆明裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月26日 無期懲役 | |
大島裁判長は「常習性は根深く、無差別性は顕著だ。女性が受けた恐怖心や屈辱感は一生消し去ることができず、被告の犯罪性向の矯正は相当困難だ」「女性を陵辱することに刺激を覚え、暴行を繰り返しており自己中心的。無差別性、執着性も際立ち、最上限の無期懲役で臨むしかない」と指摘した。 | |
阿部透(35) | |
2003年1月21日 | |
0名 | |
強姦致傷、強姦他 | |
東京都板橋区の無職阿部透被告は、1998~2003年に、杉並、練馬、中野、世田谷各区で、独り暮らしの若い女性を事前に探し、無施錠のベランダなどから部屋に侵入。「騒ぐと殺すぞ」などと脅し、12~34歳の女性16人を襲い、うち6人を強姦。6人を負傷させた。 | |
東京地裁 八木正一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月26日 無期懲役 | |
八木正一裁判長は、被害者に、事件後に妊娠したことが分かり中絶、恋人と別れて自殺未遂をした人や、小学生のときの被害で精神面での成長に悪影響が懸念される人がいることを指摘。「欲望を満たすため悪質な犯行を重ねた。その刑事責任は二十年を上限とする有期刑では到底まかなえない」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2004年11月、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年3月29日、被告側上告棄却、確定。 |
三浦幸子(48) | |
2003年11月6日(詐欺容疑 11月26日、強盗殺人容疑で再逮捕) | |
1名 | |
強盗殺人、有印私文書偽造他 | |
芦別市に住む主婦三浦幸子被告は、消費者金融など280万円の借金があったことから強盗殺人を計画。2003年10月17日午前10時頃、知人で芦別市に住む会社役員の母親(当時74)宅で母親の顔や首を、持参した小刀(約13.5cm)で突き刺すなどして殺害。たんすから母親名義の預金通帳と印鑑を奪い、銀行から現金50万円を引き出した。 | |
札幌地裁岩見沢支部 嶋原文雄裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月26日 無期懲役 | |
判決で嶋原裁判長は、「金のためには他人の生命さえも一顧だにしない冷酷、非道な犯行で、自己中心的かつ利欲的な犯行の動機に酌量の余地はない」と量刑理由を述べた。 | |
控訴せず確定。 |
伊原康介(24) | |
2003年1月12日(窃盗罪で起訴済) | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
無職伊原康介被告は、2002年7月31日午後9時~10時の間、東京都文京区のアパート2Fに住む無職女性(当時84)方に侵入。女性の口にタオルを押し込み窒息死させたうえ、現金約5,000円入りの財布を奪った。 伊原被告は2001年9月からこのアパートに住んでおり、31日は家賃を含めた借金10万円の返済期限だった。1ヶ月後の8月31日に、別の住人の女性宅から現金約8万円を盗んだとして、逮捕、起訴されていた。さらに別の2件の窃盗罪でも追起訴されている。 | |
東京地裁 村瀬均裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月29日 無期懲役 | |
村瀬裁判長は「金品に執着した犯行で、大胆かつ残忍、悪質。自白は十分信用できる」と指摘、無罪主張を退けた。 | |
被告側は控訴した。2004年12月21日、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年6月17日、被告側上告棄却、確定。 |
関和代(58) | |
2002年11月1日 | |
1名 | |
殺人 | |
函館市で飲食店を経営する関和代被告は、水産業の元夫(当時58)に掛けていた保険金3,000万円目当てに、函館市の暴力団組長H被告(43 懲役20年が確定)に殺害を依頼。H被告は2002年4月8日朝、元夫が七飯町のアパートの自宅にいたところを、窓ガラス越しに拳銃で撃ち、死亡させた。 | |
札幌高裁 長島孝太郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月29日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
長島裁判長は、判決理由で「犯行を計画し、実行を促すなど首謀者として重要な役割を図った」と述べた。 | |
2003年7月15日、函館地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
原田久芳(31) | |
2002年5月12日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、窃盗 | |
福島県相馬市の無職原田はるみ被告は、4年前に元雑貨商(当時77)へ結婚を持ちかけて借りた約350万円の返済を迫られ、2002年3月19日、夫の無職、久芳被告と長女(はるみ被告の連れ子 当時18 少年院送致)と共謀。相馬市内の自宅に元雑貨商を呼び出し、久芳被告が殺害。現金40万1,000円と乗用車を奪い、遺体をダム湖に捨てた。 原田はるみ被告は、当時引き網漁船の乗組員だった久芳被告が漁期になると週末ぐらいしか帰宅しないことに乗じ、知人などの男性から金を借り、遊興に耽っていた。久芳被告が無職になってからも、他の男性と交際してもらった金を生活費に充てていた。 他に、ホテルからのテレビの窃盗1件がある。 | |
最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2003年1月31日、福島地裁で原田はるみ被告とともに求刑通り一審無期懲役判決。原田はるみ被告は控訴したが、2月24日付で取下げ、確定。原田久芳被告は2003年11月20日、仙台高裁で被告側控訴棄却。 |
井上国雄(24) | |
2002年5月28日 | |
1名 | |
強盗致死他 | |
2002年4月6日午前2時50分頃、井上国雄被告は共犯のO被告とともに『おやじ狩り』と称して足立区梅田の路上で帰宅途中の会社員(当時43)の頭や腹を殴るなどして現金約2万円や腕時計、クレジットカードなどを奪った。さらに約1時間後、近くのディスカウントストアで、奪ったカードを使い高級腕時計2個を購入しようとした。会社員は入院先の病院で5日後、脳座礁のため死亡した。 井上被告は別の窃盗事件で5月16日に逮捕、今回の事件の一部を自供した。 | |
最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
第三小法廷は「被告側の主張は量刑不当であり、上告理由に当たらない」とした。 | |
共犯のO被告は2003年4月21日、東京地裁で懲役9年判決。2003年11月22日、一審破棄、懲役11年判決。上告せず確定か。 2003年4月21日、東京地裁で求刑無期懲役に対し、一審懲役15年判決。東京地裁は「死亡を十分予見できたとは言えず、真摯に反省している」として有利な事情を酌量した。検察側が控訴。2003年11月22日、東京高裁で一審破棄、求刑通り無期懲役判決。 |
守大助(32) | |
2001年1月6日(殺人未遂容疑) | |
1名 | |
殺人、殺人未遂 | |
仙台市の北陵クリニックの職員で准看護師守(もり)大助被告は、点滴に筋弛緩剤を混入して患者1人を殺害し、4人を殺そうとした。概要は以下。 〈起訴事実〉 (1)2000年11月24日、無職女性(当時89)に筋弛緩剤「マスキュラックス」を混入した点滴をし、窒息死させた。(殺人) (2)同年2月2日、女児(当時1)=快復=に同剤の溶液を点滴の管から注射器で注入し、窒息死させようとした。(殺人未遂) (3)同年10月31日、女児(当時11)=意識不明=に同剤を混入した点滴をし、窒息死させようとした。(殺人未遂) (4)同年11月13日、看護師を通じて男児(当時5)=快復=に同剤を混入した点滴をし、窒息死させようとした。(殺人未遂) (5)同月24日、同様に団体職員の男性(当時45)=快復=に同剤を混入した点滴をし、窒息死させようとした(殺人未遂) | |
仙台地裁 畑中英明裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月30日 無期懲役 | |
守被告は逮捕直後こそ容疑を認めたが、3日後に否認。公判では一貫して無罪を主張していた。 物証が極めて乏しく、裁判では(1)患者の体液などから筋弛緩剤を検出したとする鑑定の信頼性(2)守被告が逮捕直後に述べた自白の信用性――が最大の争点となった。 鑑定の信頼性について検察側は、患者の体液などの領置や保管の経過から、途中で筋弛緩剤を混入する余地はないと主張。鑑定結果に捏造はなく、事件そのものの存在を争う弁護側の主張には理由がないと強調してきた。 弁護側は、5人の患者ごとに容体急変の経緯とその際の守被告の行動を検証。「患者への点滴投与中に薬剤を注入したのは別の看護師だった可能性が高い」「勤務状況上、被告が点滴に筋弛緩剤を混入する時間はなかった」などと、守被告の無関与を強調した。 逮捕段階で犯行を認めた自白調書については「取調官の誘導や強要で作成された」と任意性を認めず、「取り調べのすり込みで被告は『自分の犯行』と思い込み、裁判官の拘置質問でも、うその自白を維持してしまった」と信用性も否定した。 動機については、「ストレス解消や自己顕示欲」とした検察側の主張に反論。「元上司や同僚は被告に好印象を持っており、検察の想定する犯人像とは全く結び付かない」と述べた。 【被害者をめぐる検察側、弁護側の主張】 (カッコ内は当時の年齢、容体急変日と現在の状態) ●女児(1=2000年2月2日、快復) 検察側 点滴のチューブから注射器で筋弛緩剤を注入 弁護側 風邪の悪化など ●女児(11=2000年10月31日、意識不明) 検察側 女児の点滴液に筋弛緩剤を混入 弁護側 呼吸管理を怠った医療過誤 ●男児(4=2000年11月13日、快復) 検察側 点滴用生理食塩水に筋弛緩剤を混入 弁護側 てんかん性発作や手術の影響など ●女性(89=2000年11月24日、死亡) 検察側 点滴用生理食塩水2本に混入。1本が使われた 弁護側 心筋梗塞 ●男性(45=2000年11月24日、快復) 検察側 死亡女性の食塩水2本のうち、1本が使用された 弁護側 抗生剤の副作用 畑中裁判長は、立証の柱となっていた大阪府警科捜研の鑑定結果について、資料保管の経緯、鑑定手法とも問題はないと判断。 各被害者の症状も、筋弛緩剤を投与した場合と符合するとし、「投与は医療行為や過誤で生じたものではなく、必然的にいずれも故意の犯罪行為として行われたものと認められる」と事件性を認定。その上で、逮捕時に守被告が犯行を認めた「自白」の任意性・信用性をほぼ認め、「医療行為を装った極めて特異な犯罪で、医療行為に対する不安感を醸成した悪影響も看過しがたい」と指摘した。 動機については、当時11歳の女児の事件に関し、「上司の医師の態度や患者に対する対応に不満やいらだちを募らせ、この医師を困らせてやろうとして犯行に及んだ」と認定。他の4件については「確定しがたい」としながらも、「こうした不満感や不充足感の反動として各犯行に及ぶということは十分了解可能」とし、事実認定の妨げにはならないと結論づけた。 | |
公判は原則として週2回の集中審理方式で進められ、2001年7月の初公判以降、約2年9カ月、156回を要した。北陵クリニックは事件後、来院者数が激減し、2002年3月に廃止された。被告側は控訴した。2006年3月22日、仙台高裁で被告側控訴棄却。2008年2月25日、被告側上告棄却、確定。 |
田野口明男(51) | |
2003年9月30日(甲府市の傷害事件で2003年8月6日逮捕済) | |
1名 | |
強盗殺人、傷害、住居侵入、窃盗 | |
無職田野口被告は2003年7月25日、山梨県東八代郡石和町の町営団地で一人暮らしをしていた女性(当時67)と偶然出会い、窓越しに話していたが、トイレに立ったすきに、こたつの上の財布を物色。しかし女性に見つかったため、電気コードで首を絞めて殺害。財布から現金約7000円を奪った。 さらに、2003年6~8月にかけ甲府市や石和町で、11件の空き巣狙いや車上荒らしの窃盗を繰り返していた。 2003年7月18日、甲府市のスナック、請求された飲食代1万円が高いと思い込んで腹を立て、請求した経営者の女性(59)の太ももをけるなどした。 | |
甲府地裁 山本武久裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月31日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
判決で山本裁判長は「極めて卑劣、残忍な犯行で刑事責任は重大。生涯をかけて被害者に対するしょく罪の人生を歩ませるのが相当だ」と指摘した。 | |
判決後、女性の二男は「田野口被告には長い時間をかけて、命の価値を深く考えてほしい。被告が犯した罪を考え、本当に理解したときに母の無念が晴れると思う」と話した。 控訴せず確定。 |
坂野上由行(34) | |
1999年5月28日(1999年5月21日 恐喝罪で起訴) | |
1名 | |
殺人、死体損壊、強盗強姦、強盗傷害、恐喝他 | |
暴力団組員で、大阪市内の繁華街で占師をしていた坂野上被告は、交遊グループ「畑蔵(はたくら)会」を結成し、会長を務めていた。借金返済をめぐるトラブルなどから、他のメンバーら9人と共謀して1998年11月28日、仲間の元会社員(当時30)を大阪市北区の路上で拉致。車の中や大阪府富田林市の仲間の家で集団で頭部などを殴打したり、アイスピックで足を刺したりするなどの暴行を加えて死亡させた。翌月、電気のこぎりで頭部を切断するなどした上、一部を兵庫県内の山中に捨てた。 1999年1~4月、女性3人と男性3人を大阪市や大阪府富田林市の路上などで次々に襲って金を奪ったり、因縁をつけて金を脅し取ったりした。このうち2月には、知人の女性と援助交際しようとした会社員(当時39)を「連れの女に何するんや」と暴行した上、現金約430万円などを脅し取った。 | |
最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年3月31日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2002年3月29日、大坂地裁で求刑通り一審無期懲役判決。古田浩裁判長は「無抵抗な被害者への暴行の態様は執よう、残虐、冷酷だ」とした。他の5被告は懲役8-6年の判決。2003年7月18日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
冨永一幸(35) | |
2002年10月18日 | |
1名 | |
強盗殺人、強盗殺人未遂、銃刀法違反他 | |
2000年12月29日午後0時50分頃、東京都江戸川区にて、元暴力団員の冨永一幸被告と中国籍の朴忠容疑者は信用金庫の軽乗用車を路上で襲撃、短銃を発砲した。運転席にいた職員の男性(当時46)を射殺、逃げるもう一人の職員にも発砲し、パチンコ景品交換所に届ける予定だった現金約4,600万円を奪った。 冨永被告は事件後の2001年1月上旬、朴忠容疑者の手引きで、偽造パスポートを使って成田空港から中国・大連に逃亡。その後、山東省の一軒家で朴容疑者と暮らした。奪った約4,600万円のうち、約3,400万円は朴容疑者が中国に送金。冨永被告の取り分は約1,000万円。取り分が少ないことに「むっとした」という冨永被告だが、朴容疑者に「将来、中国に来たら、家も世話するから」などと逃亡後の生活の面倒をみるといわれ、納得したという。中国語を勉強し、毎晩のように中国女性と遊んで暮らしたという。 2001年5月、朴忠容疑者は偽造した運転免許を使用したとして指名手配された。その後、冨永被告が事件で使われた車を購入していたほか「事件は自分がやった」と知り合いに話していたことがわかり、警視庁は2001年8月22日に強盗殺人の疑いで指名手配した。また、冨永被告とした交友関係の合った朴忠容疑者が捜査線上に浮上した。 朴容疑者は2002年4月中旬、中国黒竜江省の公安当局に別の事件で身柄拘束された。捜査本部は7月17日、朴忠容疑者の逮捕状を取った。捜査本部は国外犯規定を適用して日本に代わって犯人を処罰する「代理処罰」要請を真正、中国側が応じたが、処罰結果はまだ出ていない。 冨永被告は生活に困り、2002年8月、朴容疑者の知人を頼って遼寧省瀋陽へ。10日、偽造の身分証明書を所持していたとして身柄を拘束され、10月18日に国外退去処分、成田空港に到着した飛行機内で逮捕された。 | |
東京高裁 安広文夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月6日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
2発目は威嚇射撃だったとする公判では殺意の一部を否認。 安広裁判長は「被告の姿勢や銃口の方向などから殺意があったのは明らか」と指摘。被告側の主張を退けた。 | |
2003年8月8日、東京地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
本橋文男(53) | |
2002年12月4日 | |
1名 | |
殺人、人質による強要行為等の処罰に関する法律違反他 | |
本橋被告は、元請け会社によって、経営していた型枠解体業が廃業に追い込まれたと勝手に思いこみ、2002年12月3日午後0時半頃、この元請け会社の現場責任者だった男性(当時35)を三島市内の林道で射殺。その後、元請け会社と懇意にしていた建設会社に押し入り、社長や建設会社社員ら4人を人質に立てこもった。社長と家族2人は途中で脱出、本橋被告は約32時間半にわたって立てこもった後、翌日午後10時過ぎに投降した。 | |
東京高裁 白木勇裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月12日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
判決理由で白木勇裁判長は「自ら犯行計画を立て、拳銃を入手し下見するなど周到に準備しており、素人とは思えない犯行だ」と指摘。 弁護側は「被害者らが被告の解体業を廃業に追い込んだと誤解したための犯行で、無期懲役は重すぎる」と主張したが「廃業に追い込んだ事実はなく、被告の邪推だ。遺族にはかける言葉もなく、無期懲役は誠にやむを得ない」と退けた。 | |
2003年10月23日、一審静岡地裁沼津支部で無期懲役判決。被告側は上告した。 男性の遺族は本橋被告に損害賠償を請求。静岡地裁沼津支部は2004年5月24日、約9070万円の支払いを命じる判決を言い渡した。本橋被告は訴訟で支払い意思はみせたが「支払い能力がない」として、賠償額の減免を求めていたが認められなかった。遺族側弁護士は「裁判を起こした目的である『自分がしたことの重大さを認識し罪を償って欲しい』という遺族の思いを本橋被告に分かって欲しい」と話した。 2004年11月1日、被告側上告棄却、確定。 |
野尻義孝(63) | |
2003年6月29日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
野尻被告は2002年7月22日午後3時頃、岡山県倉敷市の金券ショップで店番中の男性従業員(当時38)をナイフで殺害。現金25万6千円が入った手提げ金庫を奪った。 | |
最高裁第三小法廷 伊東武是裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月12日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2003年5月7日、一審無期懲役判決。控訴審判決日不明。 |
江村知恵子(30)/江村滋映(35) | |
2002年8月5日 | |
1名 | |
強盗殺人、住居侵入、死体遺棄、窃盗 | |
無職江村知恵子被告と夫の無職滋映被告は、消費者金融などからの借金返済のために、2002年6月24日深夜、智恵子被告が以前交際していた、千葉県松戸市のマンションに住む文具メーカー社員の男性(当時50)宅に侵入して待ち伏せ。帰宅した男性の頭や顔を大理石の灰皿で殴り殺害。遺体を車で大栄町の山林に捨て、男性のキャッシュカードを使って131万円を引き出した。また、殺害前の1999年から合鍵で男性宅への侵入を繰り返し、盗んだキャッシュカードで現金257万円を引き出すなどした。引き出した現金は生活費や遊興費、消費者金融への返済、高圧電流銃購入に使った。 | |
千葉地裁松戸支部 小池洋吉裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月12日 無期懲役 | |
動機について小池裁判長は、「知恵子被告のツーショットダイヤル開業による無計画な借金、仕事に就かなかった滋映被告の怠惰」と指摘。さらに、殺害前にも1999年から4回に渡り男性宅に忍び込み同様の手口で計約257万円を引き出した事実を認め、男性に借金の連帯保証人を頼むなど「厚顔にして非道な犯行」と述べた。 そして小池裁判長は「実行行為の滋映、犯行を持ちかけた知恵子の両被告に責任の軽重はない」と述べた。「犯行後の情状も悪い」と厳しく批判した。 | |
両被告は控訴した。2004年11月15日、東京高裁で被告側控訴棄却。滋映被告は上告せず確定。2005年4月11日、知恵子被告の上告を棄却、確定。 |
武田晴信(32) | |
2003年6月29日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
大阪府の無職武田被告と女性2人は2001年12月14日午前2時40分頃、姫路市のレストラン駐車場で姫路市内の女性の車からバックを盗んだ。武田被告がワゴン車を運転、逃げる際、女性と交際している会社員(当時26)がその前に立ちふさがり、バックを取り返されるのを防ぎ逮捕を免れるため、会社員をはねて死亡させた。 | |
神戸地裁姫路支部 伊東武是裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月14日 無期懲役 | |
武田被告は「殺すつもりはなかった」などと殺意について否認。弁護側は「被害者が致命傷を負うまでの時間は瞬間的で、殺意を形成する余裕などなかった」と改めて未必の殺意を否定し、減軽を求めた。 判決理由で伊東武是裁判長は「人命を軽視した危険極まりない運転が引き起こしたむごい事件。犯行後も車を処分して証拠隠滅を図るなど悪質」と指摘した。また、「被告に確定的な殺意はなかったが、被害者をひいて死亡させるかもしれないと認識しながら走行を続けた」と述べ、未必の殺意を認定した。 | |
被告側は控訴した。2004年12月2日、大阪高裁で被告側控訴棄却。2005年4月11日、被告側上告棄却、確定。 |
本多孝彰(26) | |
2003年5月18日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
名古屋市の風俗店店員本多被告は、消費者金融に借金があったため、2003年5月13日夜、仕事仲間を通じて知り合った愛知県長久手町のタクシー運転手(当時46)方に侵入し金品を物色中、運転手に見つかり包丁で左胸を刺して殺害、現金20万円などを奪った。 | |
名古屋地裁 沼里豊滋裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月16日 無期懲役 | |
沼里豊滋裁判長は「借金返済のため、遺産相続した知人を狙った身勝手で計画的な犯行であり、相当に悪質」と述べた。 | |
被告側は控訴した。控訴審第2回公判から、被告は「実行犯は別にいる」と供述し始めた。2005年1月31日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。 |
松本知恭(24) | |
2001年6月21日(自首) | |
2名 | |
住居侵入、強盗殺人 | |
松本知恭被告は祖父名義の口座から約1,000万円を勝手に引き出したが、スナック通いや車購入に使い切ったので、さらに別の口座から金を引き出そうと印鑑を盗むことを計画。2001年6月18日夜、祖父宅に侵入し、祖母(当時81)の手首に手錠を掛け、両手で首を絞めるなどして殺害。さらに寝ていた祖父(当時83)の頭にコンクリートブロックを投げつけて殺害し、13万5千円を奪った。 | |
大阪高裁 那須彰裁判長 | |
死刑 | |
2004年4月20日 無期懲役(検察側控訴棄却) | |
検察側は「犯行はスナック通いの豪遊を続けるためで冷酷かつ残虐。死刑以外に選択の余地はない」と主張したが、那須裁判長は「利欲的で自己中心的だが若さゆえの思慮不足もあった。矯正の可能性があり極刑がやむを得ないとまでは言えない」と判断した。 | |
2003年6月4日、神戸地裁姫路支部で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。上告せず確定。 |
布目佳男(50) | |
2002年2月12日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
元暴力団組長で住所不定、無職の布目佳男被告は、茨城県岩井市の無職渋谷敏幸被告、フィリピン国籍の野田市上花輪のスナック従業員ロレナ・バセンシ・ナメカワ被告と共謀。2000年3月2日午前4時ごろ、野田市上花輪のスナックを経営する韓国人女性(当時42)の自宅に押し入り、手足を縛って「金や株券を出せ」と脅しながら暴行を加え、現金約350万円や貴金属、乗用車1台など計約660万円相当を奪った。さらに同日夜、スナックでひもで女性の首を絞めて殺害。渋谷服役囚が当時住んでいた茨城県岩井市の住宅床下に遺体を埋めた。渋谷服役囚はスナックの常連客だった。 野田市内の銀行で女性のキャッシュカードを使って数万円を引き出したとして、3月7日、野田署はロレナ被告を窃盗容疑で逮捕。ロレナ被告が犯行を自供し、17日、渋谷被告と野田市の暴力団幹部T容疑者を強盗殺人、死体遺棄容疑で逮捕。Y被告を強盗容疑で再逮捕。渋谷被告の供述で女性遺体が見つかった。3月31日、捜査本部は布目被告を強盗殺人、死体遺棄容疑で指名手配。千葉地検は4月3日、T容疑者を処分保留で釈放した。 2002年2月12日、捜査本部は潜伏先の東京都葛飾区の知人名義のアパートの一室で布目佳男被告を逮捕した。 | |
東京高裁 原田国男裁判長 | |
死刑 | |
2004年4月21日 無期懲役(検察側控訴棄却) | |
検察側が「組織内で出世するため財産を強奪した残虐な犯行」と控訴。 原田裁判長は、「死刑を求める検察の主張は理解できるが、被害者が1人の殺人事件で、死刑になるケースはほとんどない」と述べた。 | |
強盗殺人、死体遺棄容疑他で起訴された渋谷敏幸被告は2001年4月13日、千葉地裁(下山保男裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 強盗殺人、死体遺棄容疑他で起訴されたロレナ・バセンシ・ナメカワ被告は2001年7月18日、千葉地裁(下山保男裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 2003年7月11日、千葉地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。上告せず確定。 |
米村真也(38) | |
2003年7月9日(7月5日、マニラ近郊で身柄拘束) | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗 | |
元トラック運転手米村真也被告は、交際相手のいるフィリピンへの渡航費用に充てる現金欲しさから、2003年5月4日、会社の元同僚だった愛知県弥富町に住む会社員(当時32)に包丁を突きつけて消費者金融のカードを奪い現金をおろした上、水田で殺害した。米村被告は観光ビザを使い、5月8日にマニラに到着、フィリピン人女性の家に滞在していたが、ビザの滞在期限が切れていた。愛知県警から手配を受けた入管は7月5日にバレンズエラ市内で米村被告を発見、拘束した。強制送還で名古屋空港に向かう機内で逮捕された。 | |
名古屋地裁 沼里豊滋裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月21日 無期懲役 | |
米村真也被告側が「水田で初めて包丁を出した。強盗殺人罪は成立しない」などと主張した点について、沼里裁判長は「包丁を突き付けてカードを奪ったとする捜査段階の被告の供述は自然かつ合理的」と退けた。その上で「フィリピン女性との交際に充てるため借金を繰り返しており、犯行の背景に無計画かつ無責任な生活態度がある。犯行後は盗んだ金を使ってフィリピンに逃亡し、女性と享楽的な生活を送っていた。強盗殺人の中でも相当に悪質」と指摘した。 | |
被害者の実兄は判決後、会見し「あくまでも極刑を望んでいるが、現在の司法制度の下では納得するしかない」と話している。 |
宮原啓介(36) | |
2003年1月20日(火事で保険金をだまし取った詐欺で2002年12月に起訴済) | |
1名 | |
殺人、現住建造物等放火、詐欺 | |
福岡県久留米市の無職宮原被告は、借金返済と事業費、さらに女性との交際費のために保険金殺人を計画。1998年7月19日、別れた内妻(1997年死亡)との間に生まれた息子(当時6)を自宅浴槽に沈めて殺害、事故と偽って生命共済金800万円をだまし取った。また、2002年1月30日午後9時50分ごろ、母親所有の自宅に放火して全焼させ、火災共済金約2240万円をだまし取った。 | |
福岡地裁久留米支部 高原正良裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月27日 無期懲役 | |
被告側は公判で「子供の反抗的態度に激高し、興奮のため何をしているか分からなかった」などと、殺意と保険金目的を否認した。 殺意について高原裁判長は「捜査段階の供述は具体的で信用できる」と指摘。浴槽で男児を水没させた後、一一九番した際に「子どもが風呂でおぼれた」と通報した点などを挙げ、「冷静な行動状況からみても殺意がなかったとはいえない」として、「子どもに罰を与えていて起きた突発的な出来事」と殺意を否定した弁護側の主張を退けた。 また、高原裁判長は(1)保険の契約から殺害まで2ヶ月(2)葬儀後ただちに保険金を請求し、受領後すぐに引き出して女性との旅行費用や借金返済などに使った―点を指摘。「共済金を取得する目的を有していた事実を認めることができる」と述べた。 | |
論告求刑公判で、検察側は男児を宮原被告の実子と初めて認定した。控訴せず確定。 |
徳丸慈文(46) | |
2001年9月22日?(詐欺罪で9月20日に逮捕) | |
1名 | |
強盗殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、殺人予備、強盗予備 | |
徳丸被告は銃刀法※違反容疑で服役していた福岡刑務所を2001年9月17日に出所。同日、久留米市のスナック経営者(当時53)を牛刀で脅して現金約4万円を奪い、絞殺。2日後、熊本市内のスナックで強盗殺人を計画し、ナイフを持って店に入ったが、客が絶えなかったため断念。20日、無銭飲食で逮捕された。 | |
最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月26日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
同小法廷は「被告側は事実認定の誤りなどを主張するだけで、上告理由に該当しない」とした。 | |
2003年3月4日、福岡地裁久留米支部で求刑通り一審無期懲役判決。控訴審判決日不明。 |
今井和美(46)/石川恒雄(52) | |
2002年2月14日 | |
1名 | |
今井被告:強盗殺人、死体遺棄、窃盗、住居侵入、有印私文書偽造・同行使、詐欺 石川被告:強盗殺人、死体遺棄、窃盗、住居侵入 | |
元暴力団員の今井和美被告と石川恒雄被告は、2002年1月、新潟市内で今井被告と同居していた男性(当時48)を脅して現金約28,000円とキャッシュカードを強奪。革製ベルトで男性の首を絞めて窒息死させ、遺体を同市内の砂防林に埋めて遺棄した。更に、現金自動預払機を使い、奪ったキャッシュカードで銀行口座から現金80万円を引き出すなどした。死体は2月13日に発見された。 | |
最高裁第二小法廷 津野修裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年4月26日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
最高裁第二小法廷は「両被告は量刑不当などを主張するだけで、上告理由に当たらない」とした。 | |
2003年2月25日、新潟地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2003年10月20日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
松山真理子(44) | |
2003年4月15日 | |
1名 | |
強盗殺人、住居侵入、強盗、詐欺他 | |
宮崎市の無職松山真理子被告は仕事の営業成績を上げるための架空注文などで、消費者金融などから約1,000万円の借金を抱えていたため、2003年3月17日午前8時頃、近所に住む無職の男性(当時91)宅に侵入。金品を物色中に男性に見つかり、顔などを棒で殴って殺害。奪った通帳を使い、宮崎市内の信用金庫で200万円を引き出した。これ以前にも男性方に3回侵入、現金計120万円や通帳を盗み、22万円を引き出した。 また知人になりすまし消費者金融から借り入れる手口で計200万円をだまし取った。 | |
宮崎地裁 小松平内裁判長(久保雅文裁判長が代読) | |
無期懲役 | |
2004年4月27日 無期懲役 | |
弁護側は「多額の借金返済に追われ、平常な精神状態ではなかった」などとして情状酌量を求めた。 小松裁判長は判決理由で「逃げようとする被害者を執拗に殴り続けるという確定的殺意に基づく冷酷非道な犯行」と述べた。 | |
控訴せず確定。 |
菊池豊(35) | |
2002年7月25日 | |
0名 | |
麻薬特例法※違反他 | |
栃木県藤岡町の暴力団幹部菊池豊被告は、1999年6月から約3年間、栃木、群馬、茨城県内で1万回以上にわたって少なくとも100人に覚せい剤計約60キロ以上を密売し、約6億700万円の利益を得ていた。1人で売ったり、交際相手の女性(25 一審懲役6年、罰金300万円、追徴金約1億7,500万円判決 控訴中)らと共謀したりして密売していた。 | |
宇都宮地裁 飯渕進裁判長 | |
無期懲役、罰金1,000万円、追徴金約3億5,600万円 | |
2004年4月28日 無期懲役、罰金800万円、追徴金約3億5,600万円 | |
飯渕進裁判長は「社会に拡散された覚せい剤の害悪は多大である」と述べた。 | |
2002年9月8日、宇都宮地裁は菊池被告が12金融機関の15口座に預金していた約2億2,000万円に対し、覚せい剤取引による不法な利益と認定し、同法に基づき没収保全命令を出した。 2004年3月31日、宇都宮地検は覚せい剤で得た利益に当たる没収・追徴金を、2003年7月の求刑の約13億8,000万円から約6億700万円(高級車2台を含む)に減額した。地検は「(当初は)売り上げを二重カウントするなど、実際より多く計算しすぎた」としている。 犯罪によって得た利益は没収され、没収できない分は相当額が追徴される。菊池被告らに対しては地裁から没収保全命令が2002年9月に出され、預金約2億2,000万円は没収できるため、不法収益総額からこの没収額を差し引いた分が追徴される。 控訴せず、確定。 |
落合理(24) | |
2002年9月21日(富士市での強盗容疑) | |
0名 | |
強盗致傷、強姦他 | |
富士市の空調設備作業員落合被告は2002年2月11日午前1時10分ごろ、富士市の路上で、20歳代の女性を押し倒して脅し、現金1,000円を奪った。以降、同年3月14日午前1時50分ごろ、同市の路上で30歳代の女性を脅した後、高校のグラウンドで乱暴するなど約7カ月間に23人の女性に暴行を加えるなどして計約90万円を奪った。 | |
静岡地裁沼津支部 高橋祥子裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月6日 無期懲役 | |
高橋祥子裁判長は「借金の返済や遊興費欲しさの犯行は悪質で危険」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年3月22日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
高山正樹(29) | |
2000年8月8日 | |
0名 | |
強姦致傷、強姦未遂、強制わいせつ | |
高山正樹被告は1999年3月10日から2000年8月1日にかけ、仙台市内のマンションの階段踊り場などで、3歳から10歳の女児11人に対し、4件の強姦未遂、5件の強制わいせつ及び2件の強姦致傷事件を起こした。 | |
最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月10日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
(不明) | |
2002年3月27日、仙台地裁にて求刑通り一審無期懲役判決。2003年2月6日、仙台高裁で被告側控訴棄却。 |
森川小百合(38)/川下秀雄(52) | |
2003年7月15日 | |
1名 | |
殺人、殺人ほう助、銃刀法※違反 | |
森川小百合被告と義兄で重機オペレータ川下秀雄被告は、宮城県岩沼市に住む森川被告の夫の会社員(当時37)に掛けられた生命保険金をだまし取ろうと計画。川下被告の知人で無職M被告(46)に礼金数100万円を支払う約束で殺害を依頼。2003年5月29日午後9時頃、M被告は森川家に侵入し、2階で寝ていた会社員の胸などを包丁で刺して殺害した。森川被告の実妹であるN被告(37)は森川被告に頼まれて、M被告への手付金20万円と逃走資金50万円を渡した。会社員には2社に分けて7,000万円の生命保険金が掛けられていた。森川家には夫婦で計400万円、川下、M両被告にもそれぞれ数100万円の借金があった。 | |
仙台地裁 本間栄一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月11日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
本間栄一裁判長は「一獲千金をもくろんだ計画的で残忍非道な犯行」と述べた。 | |
M被告は求刑懲役16年に対し懲役15年、N被告は求刑懲役5年に対し、懲役2年6ヶ月が言い渡された。 |
前田孝恵(50) | |
2001年1月22日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
福岡県遠賀町の前田孝恵被告は夫(当時50)と共謀し、約170万円の借金があった北九州市の九電集金員(当時60)の殺害を計画。2000年10月16日、夫が集金員に睡眠薬入りのジュースや農薬入りドリンク剤を飲ませた上、芦屋町内の駐車場で、首をカッターナイフで切り付けて殺害した。 夫は犯行直後に遺体で見つかり、被疑者死亡のまま書類送検されている。自殺と見られている。 | |
福岡地裁小倉支部 若宮利信裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月17日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
前田被告は逮捕直後には容疑を認めていたが、公判で一転「殺害を思いとどまるよう夫を説得した」などと起訴事実を否認。無罪を主張していた。論告で検察側は「被害者から借金を重ね、返済に窮していた被告には強固な殺意がある。夫を巻き込んで共犯とし、公判では実行犯をすべて夫に押しつけ自己保身を図った」と指摘した。 判決で若宮利信裁判長は、夫との共謀を認定した上で「被告が果たした役割は重大」などと述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年4月13日、被告側控訴棄却。2005年9月27日、被告側上告棄却、確定。 |
西村成一(56) | |
2003年1月27日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
元コンビニエンス店長梶谷浩司被告(一審無期懲役判決が確定)と元警備員西村成一被告は、大阪府寝屋川市にあるスナックの常連客だったが、スナックの女性経営者(当時62)から賭博などの借金の肩代わりとして3,310万円、117万円の借金があった。2被告は借金を免れようと、2002年10月18日夜、女性経営者を焼き肉に誘いだし、車内で首を絞めて殺害。翌日、寝屋川市の貸しガレージで遺体をドラム缶に入れ、コンクリート詰めにして遺棄した。2人は11月11日、事情聴取直後に逃走、22日に指名手配された。 | |
大阪高裁 瀧川義道裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月18日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
被告側は借金の元本をほとんど返済していたなどとして、刑の減軽を求めたが、瀧川義道裁判長は「共犯者から持ち掛けられた計画にちゅうちょすることなく加わり、率先して行動した。情状酌量はできない」との判断を示した。 | |
2003年9月26日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2004年10月20日、被告側上告棄却、確定。 |
豊田晶子(41) | |
2001年1月31日(窃盗容疑) | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、窃盗他 | |
無職豊田晶子被告は2000年3月1日夜から朝の間、川崎市で一人暮らしの母親(当時67)宅で、母親を刃物で刺すなどして殺害。母名義の預金証書などを奪い、現金約1,542万円を引き出した。遺体は2001年1月28日に発見された。豊田被告は消費者金融に約2,000万円の借金があった。犯行直前、二人が激しく言い争い、警察官が仲裁に入っている。 | |
横浜地裁川崎支部 矢村宏裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月19日 無期懲役 | |
凶器などの物証は発見できず、検察側は状況証拠を積み重ね「借金を抱え、死後に現金を引き出すなど被告が殺害したのは明らか」と主張。被告側は「逮捕されるまで母親が死んだことも知らなかった。現金は下ろしたが、盗むなどしていない」「状況証拠は殺害との関連性が乏しい」と無罪を主張していた。 最大の争点は母親の死亡時期。検察は公共料金の支払いの遅れなど母親の生活が一変したことから、3月1日ごろだと主張。弁護側は「殺害との関連が薄い状況証拠」と反論していた。判決では検察側の主張に沿い、3月初旬以降に母親の生活の痕跡が確認できないことなどから「3月1日ごろ殺害した蓋然性が高い」と認定した。 また預金通帳など母親の資産の入手方法については、「預金通帳の処分権限をどうやって得たかについて合理的説明がなく、母親の意思に基づかずに入手した蓋然性が高い」と、贈与とする豊田被告の主張を退けた。 矢村宏裁判長は、母親には豊田被告に財産を贈与するような意思はなかったと指摘。事件当日に母親宅に押しかけ、死後に預貯金を入手したなどの状況証拠から「被告が殺害した蓋然性は高い」と認定。被告側の無罪主張を退けた。その上で「金銭的欲求のため肉親をも手にかけた人倫にもとる非道な犯行」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年3月22日、東京高裁で被告側控訴棄却。2006年10月31日、被告側上告棄却、確定。 |
石塚英地(29) | |
2001年3月13日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
内装工石塚英地被告は、横浜市磯子区の暴力団組員(当時27)の下で車両盗難保険金詐欺などを手伝わされてトラブルになっていた知人から組員殺害を持ち掛けられ、少年2人を含む仲間と共謀。2001年2月18日未明、横浜市磯子区にある組員宅のマンションで首をワイヤロープで絞めて殺害、現金17万5千円などを奪ったうえ、遺体を座間市内にある石塚被告の知人の民家の物置小屋に掘った穴に埋めた。 | |
最高裁第二小法廷 津野修裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月19日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
2002年8月23日、横浜地裁で求刑通り一審無期懲役判決。控訴審判決日不明。 |
岡英明(44) | |
2002年9月14日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
栃木県鹿沼市に住む無職の岡英明被告は、スナック通いや賭け事でできた消費者金融などの借金を返済するため、多額の預金があり、40万円を借りていた栗野町に住む元同僚の調理師の男性(当時48)から金を奪うことを計画。2002年9月2日午前1時ごろ、無施錠の男性宅玄関から侵入し、寝ていた男性の口をガムテープなどでふさいで両手足を縛った後、抵抗する調理師の首をタオルやビニールひもで2度にわたり絞めて殺害。遺体を壬生町の山林に埋めた後、キャッシュカードを使い計238円を引き出した。 9月14日、捜査本部は現金を引き出した窃盗容疑で岡被告を逮捕。28日、供述通り同県壬生町の山林から男性の遺体を発見、岡容疑者を死体遺棄容疑で再逮捕した。10月4日、強盗殺人容疑で再逮捕した。 | |
最高裁第二小法廷 滝井繁男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月19日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
2003年7月24日、宇都宮地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2003年11月28日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
山口礼子(45) | |
1999年8月30日(二男殺害容疑 外尾被告は8月26日逮捕) | |
2名 | |
殺人、詐欺未遂、窃盗、詐欺、住居侵入、強盗 | |
愛人関係にあった佐賀県鹿島市の古美術商外尾計夫被告と元生命保険会社営業職員山口礼子被告は、1992年9月11日未明、佐賀県太良町の海岸において睡眠導入剤などで眠らせた山口被告の夫(当時38)を水死させ、保険金約1億円をだまし取った。 1998年10月27日、長崎県小長井町の海岸で、山口被告の次男の高校生(当時16)に睡眠導入剤入りのカプセルを飲ませ、海に放り投げて殺害、保険金3500万円を騙し取ろうとした。 他にも鹿島市内の女性宅に押し入り、現金約13万7千円などを強奪していた。 | |
福岡高裁 虎井寧夫裁判長 | |
死刑 | |
2004年5月21日 無期懲役(一審判決破棄) | |
一審で山口被告側は「2件とも外尾被告が主導した」と従属的な立場を主張した。しかし長崎地裁山本恵三裁判長は、夫殺害について「発案・主導した山口被告の方が責任が重い」▽次男殺害については「両名が一体となって実行したもので、刑に軽重の差はつけられない」との判断を示した。 「外尾被告の暴力から逃れるためだった」との山口被告の釈明については「身勝手極まりなく、子供を犠牲にして殺害するなど言語道断。親子のきずなを断ち切るような犯行は許されない」と退けた。 また、山口被告側が「残された被告の2人の子供も極刑を望んでいない」と情状酌量を求めていたことについては「山口被告が死刑になれば(2人の子供は)実父と兄弟を殺害されたうえ、実母までなくすことになるが、(酌量の)評価には一定の限界がある」と述べた。 しかし、山本恵三裁判長は山口被告の長男や長女らによる母親の助命嘆願などを配慮。判決宣告後、死刑をやむなく選択したとして、控訴するよう呼びかけていた。外尾被告、山口被告は量刑不当を理由に控訴した。 控訴審で、山口被告は「夫と仲直りして殺意は喪失していたが、ギャンブルなどの借金返済に迫られていた外尾被告が一方的に計画を進めた。二男殺害は、思いとどまらせようと何度も抵抗した」と、強引な外尾被告に服従せざるを得なかったと主張していた。 外尾被告は「山口被告に同情し、救うために協力した。死刑は重すぎる」としていた。 控訴審判決は山口被告について、夫殺害では夫が家庭を顧みなかった点などを指摘し「犯行に至った経緯には一片の同情があってもよい」とした。一審は「山口被告主導」としていたが、虎井裁判長は「両被告の果たした役割に大きな違いはない」と述べた。 さらに、二男殺害についても、外尾被告から繰り返し誘われたことや、外尾被告が二男を殺そうとするのを度々妨害した点を挙げ「人間性と更生可能性を考える上で、十分しんしゃくするに値する」と判断。山口被告の2人の子供が極刑回避を求める嘆願を出していることも考慮に入れ、「責任は重大だが、それぞれに酌むべき点があり、原判決の量刑は重過ぎる」と結論付けた。 一方、外尾被告については、夫殺害に積極的に加担したうえ借金返済後の保険金のほとんどを競輪につぎ込むなどしており、「外尾被告の異常な行状がなければ両被告が重大犯行を繰り返す必要はなかった。極刑をもって臨むほかない」とした。 | |
2003年1月31日、長崎地裁で求刑通り死刑判決。外尾被告の死刑判決に対する被告側控訴は棄却された。検察側は上告を断念、被告側は上告した。2005年10月25日、被告側上告棄却、確定。 |
吉丸明則(55) | |
2001年1月9日(2000年11月28日、暴力行為容疑で逮捕) | |
1名 | |
暴力行為等処罰に関する法律違反、脅迫、殺人、詐欺未遂、現住建造物等放火 | |
会社役員吉丸明則被告(旧姓川下)は2000年8月12日、借金の返済などで金に困っていたことから、妻=殺人罪などで2003年3月24日求刑通り懲役20年一審判決=と共謀して保険金殺人を計画。社員(当時35)に8社分1億4500万円の生命保険をかけ、廃品回収業の男(当時44)=家宅捜査中に逃走しようとして転落死=に依頼し、社員を殺害させた。 別の知人の男二人と共謀し、西区の無職女性を立ち退かせようとして2000年2月16日、ガソリンをまいて女性宅に放火し、約230平方メートルを全焼させた。 | |
広島高裁 久保真人裁判長 | |
死刑 | |
2004年5月27日 無期懲役(検察、被告側控訴棄却) | |
一審では「犯行は計画的で悪質だが、被害者が1人というのは(過去の)刑の均衡性からみて、ただちに死刑にはならない」として無期懲役判決。検察・弁護側双方が控訴していた。 検察側は「遺族感情などを考慮すると死刑以外に選択の余地はない」と主張、弁護側は被告の不遇な生い立ちを挙げ、減軽を求めていた。 判決理由で久保裁判長は「暴力団からの借金返済のためなどに計画した保険金殺人。動機は極めて身勝手で酌量の余地はない」と指摘。「殺人の被害者は1人で、極刑にすべきとまでは断定しがたい」として死刑を選択しなかった。 | |
2003年1月29日、一審無期懲役判決。控訴審初公判で、吉丸被告が臓器提供の意思を示した手紙とドナーカードを証拠申請、採用された。検察側、被告側上告せず、確定。 |
畠山正男(56)/三浦久一(55) | |
2003年4月21日 | |
0名 | |
麻薬特例法※違反、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸入の共犯)他 | |
暴力団幹部畠山正男被告、三浦久一被告は覚せい剤取得のため、飯田勝久被告、太田勝被告、馬錦標被告(いずれも一審無期懲役判決)と共謀。2003年1月から3月にかけて、覚せい剤約260kgや覚せい剤の結晶約210kgを陶磁器製の人形の台座に隠す手口で中国・上海からコンテナ船で横浜港に密輸した。畠山被告らは1月、覚せい剤購入の手付金として、飯田被告に数千万円を支払ったとされる。 | |
横浜地裁 広瀬健二裁判長 | |
無期懲役 罰金1000万円 | |
2004年5月27日 畠山被告:無期懲役、罰金900万円 三浦被告:無期懲役、罰金600万円 | |
広瀬健二裁判長は「計画的、巧妙かつ組織的な犯行」と述べた。 | |
飯田勝久被告、馬錦標被告は2004年3月8日、横浜地裁で求刑通り無期懲役+罰金1,000万円判決。太田勝被告は2004年3月8日、横浜地裁で求刑無期懲役+罰金1,000万円に対し、無期懲役+罰金800万円判決。飯田被告、太田被告は被告側控訴中。馬被告は控訴せず確定。 被告側は控訴した。 |
中川勝(71) | |
2001年10月24日(別件の詐欺罪で起訴済) | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反、窃盗他 | |
無職中川勝被告は2001年8月18日午後3時すぎ、不動産業者(当時68)の事務所で、賃貸マンションの紹介を依頼したが、挙動不審に思った不動産業者は中川被告に店から出て行くよう要求。その言い方に腹を立てた中川被告は護身用として持っていた包丁で不動産業者の腹部などを刺して殺した。さらに不動産業者のジャケットを盗んで逃げた。 | |
東京地裁八王子支部 大渕敏和裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月28日 無期懲役 | |
大渕裁判長は「殺人への後悔や被害者に対する憐憫の情が認められないばかりか、被告は以前も殺人罪で服役しており、更正を期待することは困難」と判決理由を述べた。 これまでの公判で、中川被告は「現場にいなかった」などとして無罪を主張していたが、大渕裁判長は「犯行の経緯など不明な点は残るが、逮捕時の供述通り凶器が見つかっているなど、犯人であることは明らか」などとして、中川被告の犯行と断定した。 | |
被告側は控訴した。2005年5月30日、被告側控訴棄却。 |
長谷川一馬(55) | |
2003年3月19日(死体遺棄容疑) | |
1名 | |
殺人、死体遺棄、脅迫、覚せい剤取締法違反、公務執行妨害 | |
千葉県佐倉市の食品販売業長谷川一馬被告は、以前交際していた佐倉市のパート従業員の知人女性が長谷川被告から拳銃を預かったことを警察に供述したために銃刀法※違反で服役することとなり、娘夫婦が離婚することとなったため、女性を恨んでいた。そのため、2002年8月27日夜、自宅マンションに女性(当時42)を呼び出し、覚せい剤を大量に摂取させた上、8月28日午後4時頃、濡れたタオルをかぶせ口や鼻を押し当てて窒息死させて殺害。妻(後に離婚)とともに遺体を印旛村の山林に車で運び遺体を捨てた。 他に妻への脅迫、覚せい剤使用、留置所で警部補に暴行を加えた余罪がある。 | |
千葉地裁 山口雅高裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年5月28日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
弁護側は「殺害は、元妻が単独で行ったことで、被告は死体遺棄に手を貸しただけだ」と主張した。 山口裁判長は「殺害するのを目撃していた妻の供述は具体的で信用できる」として退けた。 | |
元妻は死体遺棄罪で懲役1年6月執行猶予3年の判決が確定。 |
斎藤正利(53) | |
2001年12月25日 | |
0名 | |
強盗傷害、強盗他 | |
元暴力団組員の斎藤被告はM被告=一審懲役15年判決=と共謀し、2001年1月から12月まで、大阪、京都、兵庫、奈良各府県の18の金融機関で、郵便局長を拉致したり、発砲して脅したりする手口で現金約8200万円を奪った(未遂、予備8件含む)。被害は総額1億4800万円に上った。2001年3月の東大阪金物町郵便局(大阪府東大阪市)に押し入った事件では、郵便局長を拉致して短銃を発射し重傷を負わせた。なおM被告は15件の郵便局強盗に関与しており、残り3件の銀行強盗はN被告、C被告と共謀して行っている。 | |
最高裁第二小法廷 滝井繁男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月1日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
一連の事件で10回の逮捕、拘置期間は297日になった。2003年3月27日、大阪地裁で無期懲役判決。2004年1月28日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
尾畑憲洋(50) | |
2003年2月4日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
無職尾畑憲洋被告は2002年10月7日午前2時半頃、福岡県玉名郡に住む交際中の女性看護師(当時35)から借りた千数百万円の借金の返済を免れるとともに、女性が加入していた死亡保険金などを入手しようと計画。女性宅で、女性の首を電気コードで絞めて殺害。現金7,000円を奪った。 | |
熊本地裁 松下潔裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月3日 無期懲役 | |
論告で検察側は「被告は返済の意思がないのに女性に繰り返し金を無心し、女性の資力が尽きると殺害して保険金を入手しようとした。動機は身勝手の極み」と指摘。殺害方法についても「抵抗できないよう睡眠導入剤を使用するなど巧妙かつ冷酷な犯行」と述べた。 これに対し、弁護側は「尾畑被告が自己破産の意思を伝えたところ、女性になじられたためカッとなって殺害した」と計画性を否認。「保険金の入手や現金を奪う目的もなかった」として、寛大な判決を求めた。 松下潔裁判長は「動機は身勝手で醜悪」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
控訴せず確定。 |
保田克博(33) | |
2003年1月29日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗他 | |
無職保田被告は2002年10月10日、顔見知りとなった大阪市に住む独居女性(当時87)を足の治療によい病院がある」などといって車で松原市内へ連れ出し、女性のキャッシュカードを奪ったうえ、女性を放自動車のトランクに閉じ込めたまま放置した。女性は脱水症などで死亡した。その後、カードを使って女性の口座から現金計約580万円を引き出した。 | |
大阪高裁 瀧川義道裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月3日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
弁護側は「殺すつもりはなかった」と量刑不当を訴えたが、瀧川義道裁判長は「トランク内に放置すれば、手を汚すこともなく発覚しにくいと考えるなど、犯行は冷酷非道。恐怖と絶望の中で絶命した被害者の無念さは余りある」と判決理由を述べた。 | |
2003年11月27日、大阪地裁堺支部で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2004年9月27日、被告側上告棄却、確定。 |
中村伸一(40) | |
2001年5月4日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、有印私文書偽造・同行使、詐欺 | |
ケアマネージャー(介護支援専門員)中村伸一被告は、ギャンブルなどによる500万~600万円の借金の返済に困り、2001年4月3日午後2時頃、勤めていた介護サービス会社の利用者で、ケアプラン(介護計画)作成時に知り合った和歌山市新雑賀町の元旅館女将(当時75)の首をひもで絞めて殺害。預金通帳や定額郵便貯金証書(残高計約3,000万円)などを奪い、和歌山市内の地銀窓口で現金75万3,500円を引き出した。さらに2日後、車で遺体を運び、同町最上の空き地で灯油をかけて燃やして埋めた。 また2000年11月から2001年3月の間、特別養護老人ホームなどで現金などを盗んだ。 | |
大阪高裁 近江清勝裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月4日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
弁護側は「借金の申し入れを聞き入れなかった被害者に騒がれ、口封じのため殺した。強盗の意思はなかった」と主張したが、近江裁判長は「殺害によって結果的に金が入手できるなど、被告には複数の動機があった。偶発的な犯行とは必ずしも言えない」と退けた。 | |
2003年10月15日、和歌山地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
中村光貴(23) | |
2001年7月31日 | |
0名 | |
強盗致傷(16件)、強盗(1件)、窃盗(8件)他 | |
暴力団組員中村光貴被告は、組の資金不足を稼ぐために、他の組員らとともに大阪府内のベンツ所有者や歩行者ら17人を金属バットで襲い、計約1,800万円を強奪した。2000年10月から2001年6月までの10件の犯行についてと、6月から7月までの15件の犯行について、別々に起訴された。 | |
最高裁第二小法廷 北川弘治裁判長 | |
無期懲役及び懲役15年 | |
2004年6月8日 無期懲役及び懲役15年(被告側上告棄却、確定) | |
中村被告は2001年6月に別の窃盗事件で懲役1年執行猶予3年の有罪判決が確定しているため、一・二審は刑法の規定(併合罪)により確定判決前の10件に無期懲役を、後の15件に懲役15年を言い渡した。確定後はより重い無期懲役から執行され、仮出獄が認められれば、懲役15年の執行に変更される。 2003年3月13日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役・懲役15年判決。二審判決日不明。 |
今義裕(41) | |
1996年4月9日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
栃木県佐野市の運送業今義裕被告は仲間の建材業者(無期懲役が確定)と共謀し、出入りしていた給油スタンドなどを経営していた男性(当時65)から金を奪うことを計画。1996年3月28日午後7時ごろ、佐野市にある今被告の自宅に男性を連れ込み、手足を粘着テープなどで縛り、預金通帳1通と銀行のキャッシュカード2枚を奪い取った。さらに男性の頭などをゴルフクラブなどで殴った後、翌29日午前10時半ごろ、高圧電流銃を押しつけ首を同軸ケーブルで絞め付けて窒息死させ、遺体を布団袋に入れて車で藤岡町の渡良瀬遊水地に運び捨てた。 29日、今被告は当時同居していた女性にキャッシュカードを持たせ、現金約100万円を引き出した。 | |
最高裁第一小法廷 甲斐中辰夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月8日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
今義裕被告は逮捕時全容疑を否認。共犯の公判における弁護側証人尋問で、死体遺棄のみを認めた。しかし強盗殺人罪については「共犯者の単独犯行」と証言し、一貫して否認していた。 宇都宮地裁での一審判決では共犯者の供述の信用性を認めたうえで、今被告が経済的に苦境にあった▽事件当時に共犯者と頻繁に連絡を取り合っていた▽交際していた女性に被害者の口座から現金を引き出させていることなどから、今被告が犯行に主体的、積極的にかかわっていたことを認定した。被告弁護側は「判決は共犯者の供述だけに頼るもので、動機の点など弁護側の反論について判断していない。疑わしきは罰せずの観点からも、被告の強盗殺人罪については無実」と主張し、控訴した。 控訴審で弁護側は「強盗殺人に関与していない」と主張したが、二審判決でも「共謀を認めた共犯者の供述は信用性が高く、被告の弁解は信用できない。被告は経済的苦境から脱するため犯行に及んだ」と述べた。 | |
2000年2月29日、宇都宮地裁(肥留間健一裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。2001年3月15日、東京高裁(金山薫裁判長)で被告側控訴棄却。 |
中村英雄(29) | |
2002年9月26日 | |
2名 | |
殺人 | |
会社員中村英雄被告は2002年9月26日午前0時45分ごろ、借金返済に絡むトラブルから、徳島市の歩道付近で、近くの元金融会社男性社員(当時31)と口論になった。中村被告は持っていたフィッシングナイフで男性と、男性の知人の女性(当時27)の腹部などを何度も刺して失血死させた。中村被告は現場から車で逃走したが、パトカーが追跡。車は約500メートル離れた道路脇の鉄柱に衝突し、中村被告は全身打撲の重傷を負った。 中村被告は「男性らから呼び出されて借金を取り立てられ、口論になって刺した」と逮捕当時供述している。 | |
徳島地裁 岡田信裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月17日 無期懲役 | |
中村被告の弁護側は「事件当時ナイフを所持しておらず、被害者にナイフを突き付けられ、もみあいになって殺害した。殺意や計画性はなく、正当防衛か過剰防衛が成立する」と主張。 これに対し、検察側は論告で「(中村被告は)凶器を現場に向かう途中の知人の車の中で手に入れた。男性を三十数回も刺し、男性殺害を見られたことから女性を殺害するなど計画性と強固な殺意が認められる」と述べた。 岡田裁判長は「状況証拠から、凶器は現場に向かう途中の知人の車の中で入手したと認められる」と正当防衛の主張を退け、計画性も否定。そのうえで、「被害者は無許可・高利で被告人に金を貸し付け、厳しい取り立てで多額の利息を取っていた問題はあるにしても、生命のやりとりをするような事柄でない。被告は不合理な弁明で被害者に責任転嫁しようとしており、刑事責任は重大」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2006年2月28日、高松高裁で被告側控訴棄却。2006年9月4日、被告側上告棄却、確定。 |
伊藤白水(50) | |
2002年10月26日(自首) | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反 | |
右翼活動家伊藤白水被告は2002年10月25日、民主党衆議院議員(当時61)の自宅前で議員を刺殺した。伊藤被告は家賃を3年間分・約200万円を滞納、10月17日に世田谷区のアパートを強制退去させられるなど経済的に逼迫しており、以前から面識のあった議員に助けてほしいと頼んだが、断られたのが動機と供述している。 | |
東京地裁 成川洋司裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月18日 無期懲役 | |
検察側は「引っ越し費用を無心したが断られ、怒りを爆発させた。自分の意に沿わないからと政治家を殺害したことは、民主主義への重大な挑戦だ」と指摘した。 弁護側が最終弁論で「殺害の動機が解明されておらず、審理が不十分」と主張した。 伊藤白水被告は最終意見陳述で「石井議員に現金を提供するなど便宜を図ってやったのに、恩をあだで返された憤りが殺意の引き金になった」と述べた。 判決で成川洋司裁判長は、「国会議員の生命を奪うという形で民主主義の存立を脅かす結果に至った」と指摘した。 殺害の動機については「荒唐無稽な供述から動機は不明」としながらも「元議員の政治活動に自分がしてきたと思い込んでいる貢献に、見合った見返りを受けられないという憤まんの情を抱いていたことがうかがわれる」と述べた。また「包丁での殺害失敗に備え、ナイフや手裏剣も用意、約1週間も殺害の機会をうかがうなど周到な計画性も認められる」とした。伊藤被告側が恩をあだで返されたと主張したことについて成川裁判長は、「供述は全く信用することはできず、現金の提供自体なかった」と退けた。 | |
求刑論告の意見陳述で、元議員の妻は「公判で被告から納得できる動機が聞けず、事件の背後に何が隠れているのか、いまも疑念が消えない。私の心はいまも、事件を事実として受け止めることを拒んでいる。判決は死刑しかあり得ない」と語った。娘も「かけがえのない父の命を奪い、家庭を崩壊させた。私は決して許せない」と述べた。 検察側によると、国会議員の殺害は戦後、4件起きたが、他の事件は容疑者が自殺するなどしており、判決は初めて。 被告側は控訴した。2005年6月30日、被告側控訴棄却。2005年11月15日、被告側上告棄却、確定。 |
千葉憲司(56) | |
2000年7月29日 | |
1名 | |
殺人、現住建造物等放火他 | |
日立市の千葉憲司被告は、前妻と離婚したのは隣人で仲人だった漁業Iさん夫妻のせいだと逆恨みし、一家を道連れに自殺しようと計画。2000年3月1日未明、Iさん方に侵入しガソリンをまいてライターで火を放ったうえ、物音で起きてきた家族にも次々とガソリンを浴びせた。Iさんの妻(当時71)は、やけどのため翌月に死亡、長女と長女の夫、長女の娘の3人が顔や手などに大やけどを負った。Iさんは漁に出ており留守だった。 | |
最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長 | |
死刑 | |
2004年6月22日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
事件当時の被告の精神状態について争点となった。一審水戸地裁判決では「妄想は重症ではなく、完全な責任能力があった」としていた。しかし二審東京高裁判決では、「被害者夫婦が信仰する宗教団体から、組織的嫌がらせを受けているという妄想に支配されていた」と指摘し、限定的な責任能力しか認めなかった。 最高裁での争点は不明。 | |
2002年3月4日、水戸地裁で求刑通り死刑判決。2003年12月9日、東京高裁で一審破棄、無期懲役判決。被告側のみ上告していた。 |
元少年(22 犯行当時19) | |
2001年5月8日(4月18日に大麻取締法違反(所持)で逮捕済) | |
1名 | |
強盗殺人、強盗傷人、銃砲刀剣類所持等取締法違反、強盗致傷、大麻取締法違反(所持) | |
当時19歳の無職の男は2001年2月1日午後7時50分ごろ、東京都江戸川区の都営アパートの階段踊り場付近で、部屋から出てきた耳の不自由な女性(当時64)に「金を出せ」と脅し、女性に所持金がなかったため、持っていたナイフで刺した。女性は近くの知人宅に助けを求め、手話で被害を伝えた後に意識を失って死亡した。 この事件の他、別の強盗致傷や大麻取締法違反の罪にも問われた。 被告は逮捕後、東京家裁の少年審判で「刑事処分が相当」との決定を受けて東京地検に逆送致され、6月に起訴された。 | |
東京地裁 服部悟裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月25日 無期懲役 【判決文】(「裁判所ウェブサイト」内のPDFファイルが開きます。リンク先をクリックする前に、注意事項をご覧下さい) | |
男は「人を殺して金品を奪おうとは思わなかった」と殺意を否認。弁護側は「被告には幼いころからの虐待による心的障害があり、犯行当時は心神耗弱状態だった」と主張した。 検察側は論告で「生活費欲しさの計画的犯行で、無抵抗の年配女性を24回も刺しており、極めて残虐で悪質」と述べた。 判決は「多数回刺したことから殺意は明らかで、真摯な反省もみられない。成育環境が不遇だった面もあるが、結果は重大だ」と退けた。 | |
被告側は控訴した。2006年5月16日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
六鹿慎祐(26)/鈴木実(35)/愛甲龍二(34) | |
2002年9月3日(死体遺棄容疑 18日強盗殺人容疑で再逮捕) | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
名古屋市の会社員六鹿慎祐被告は、名古屋市に住む元ホステスの女性(当時36)と1年ほど交際していたが、別の女性と婚約したため別れ話を持ち出したところ、オートバイ購入金や小遣いなどの返済を求められたため、関係を清算するために殺害を決意し、知人の内装業鈴木実被告に殺害を依頼。鈴木被告は遊び仲間の無職愛甲龍二被告とともに実行役を担当。 2002年6月5日夕方、六鹿被告は女性を自宅から連れだし、名古屋市中区内で鈴木被告らに女性を引き渡した。愛甲被告らは約26時間にわたり女性をレンタカーに監禁、暴力団員を装って「金を返せ」と脅迫。レンタカーを交代で運転して愛知県内や千葉県内を連れ回し、名古屋市内の郵便局などで女性の口座から現金約650万円を引き出させて奪ったうえ、6日午後8時ごろ、湖西市の海岸で愛甲被告がスコップで女性の頭を殴り殺した。 鈴木被告の中学時代の後輩である運送業I被告もレンタカーに同乗し、愛甲被告らが車内で女性の手足をガムテープで縛るのを手伝って、愛甲、鈴木両被告から約20万円の分け前をもらっていた。I被告は途中で下車しているため、殺人の現場には立ち会っていない。 六鹿被告は、女性を引き渡した後、一人で女性宅に戻り現金8万円などを盗んだ。その後、当時の勤め先のスポーツクラブに出勤するアリバイ工作をしていた。 遺体は2002年9月3日に見つかった。 | |
名古屋地裁 沼里豊滋裁判長(異動のため柴田秀樹裁判長代読) | |
無期懲役 | |
2004年6月25日 無期懲役 | |
判決理由で沼里裁判長は、六鹿慎祐被告は別の女性と婚約したため、同時に交際中の女性の殺害をほかの2被告に依頼したとして「自らの不健全な女性関係を清算しようとした動機に酌むべき余地はない」と指摘。他の2被告については「報酬目当てに見ず知らずの女性を殺害し、理不尽極まりない」と述べた。 弁護側は有期刑などの寛大な判決を求めていたが、沼里裁判長は「犯行の悪質性は顕著で、刑を軽減するのは相当でない」として退けた。 | |
I被告は強盗殺人罪で起訴。2004年8月13日、求刑懲役10年に対し懲役8年の判決が言い渡された。2005年5月16日の名古屋高裁で強盗傷害が適用され、懲役6年が言い渡された。 六鹿被告、愛甲被告は控訴せず確定。2005年1月31日、名古屋高裁で鈴木被告の控訴棄却。 |
馬野一也(58) | |
2003年3月24日 | |
1名 | |
殺人、殺人未遂他 | |
元暴力団組長馬野一也被告は、肝臓病のため堺市の病院で入退院を繰り返していたが、再入院を断られるなどしたことから、副院長とその弟の殺害を決意。 2003年2月27日午後3時15分頃、病院を訪れ1階事務室で「副院長を呼べ」などと言い、看護師長(当時39)に拳銃を突きつけたが、看護師長が「警察を呼んで」と叫んだことに立腹。看護師長の胸に拳銃1発を発射して殺害した。さらに副院長の弟である医師(当時37)の右脇腹を包丁で刺し、重傷を負わせた。 事件後、馬野被告は包丁で自殺を図り入院。持病も悪化したため、快復を待って逮捕された。 | |
大阪地裁 小川育央裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月28日 無期懲役 | |
馬野一也被告は起訴事実を認めていたが、法廷で「病院から冷たい仕打ちを受けた。今でも腹が立ち、医師を殺せなかったことが悔しい」などと述べていた。 大阪地裁の小川育央裁判長は「自らの病院での態度を省みることなく、病院に一方的に不満を募らせた、あまりに短絡的な犯行だ」とした。 | |
被告側は控訴した。控訴審判決日不明。2005年3月28日、被告側上告棄却、確定。 |
得永幸治(58) | |
2002年4月30日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
住所不定、無職の得永幸治被告は金に困って2002年4月26日午後7時過ぎ、札幌市東区内のスーパーで買い物をして乗用車で帰ろうとした同区の主婦(当時48)に刃物を突き付けて車を乗っ取り、約10km離れた手稲区のホテルに連れ込んだ。宿泊料を払うため現金1万円を奪い、翌日午前0時半ごろまでに客室で口封じのため左胸を刃物で数回刺し、首を絞めて殺害した。 得永被告は住んでいた北区のアパートが2001年暮れに取り壊され、以後は車で寝泊まりをしていた。4月15日に失職し、ホームレス同然の生活をしていた。被害者の主婦とは面識はなかった。 捜査本部は室内などに残っていた指紋、スーパーの駐車場で26日夜、不審車両として放置されていた乗用車のナンバーなどから得永被告を割り出した。30日午前8時ごろ、同市北区内の駐車場で得永被告が乗用車の中で寝ているのを捜査員が発見。同署に任意同行して、取り調べた。得永被告は容疑を否認したが、ホテル従業員などの証言などから同日、殺人容疑で逮捕した。 札幌地検は5月21日、強盗殺人の罪で起訴した。 | |
最高裁第一小法廷 泉徳治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月28日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
一・二審とも被告、弁護側は起訴事実を全面否認していた。 | |
2003年3月25日、札幌地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年2月5日、札幌高裁で被告側控訴棄却。 |
上條英雄(60) | |
2003年7月26日 | |
1名 | |
殺人 | |
埼玉県吉川市の会社員上條英雄被告は、多額の住宅ローンがあったことや土地購入のために保険金目的の殺人を計画。東京都台東区付近で路上生活をおくっていた弟(当時54)に約4,000万円の保険金を掛け、新潟に住む母親を受取人に指定。2001年9月28日、勤務先がある豊島区内で弟と落ち合い泥酔させ路上に放置し、車でひき殺した。 事件当初はひき逃げ事件として捜査されていたが、保険金が掛けられていたことが判明し、殺人事件として捜査が進められた。母親は何も知らず、保険金は不審な点があるとして支払われていない。 | |
東京高裁 植村立郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年6月30日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
植村立郎裁判長は「保険金殺人は増えており、一般予防の見地から厳しい対応が必要」と述べた。 | |
2004年1月29日、東京地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
角田篤人(49) | |
2002年11月27日(死体遺棄容疑 12月7日に殺人容疑で再逮捕) | |
1名 | |
死体遺棄、殺人、死体損壊、恐喝未遂 | |
無職角田篤人被告、解体工信沢藤利被告、とび職N被告は、群馬県赤城村樽に住む無職の男性(当時41)に数ヶ月にわたって暴行を振るい、消費者金融から度々借金させ、金銭を要求していたが(N被告は途中から参加)、男性が新たに借金できなくなったため、2001年5月上旬頃、子持村の山林で殴ったり蹴ったりし、重さ約70キロの丸太を体の上に落とすなどして殺害。遺体を半透明のシートに包み、群馬県赤城村の山林に深さ80センチの穴を掘って埋めた。 他に2002年4月23日午前6時30分頃、渋川市の路上で知人の男性(当時39)を車に連れ込み、停車した駐車場の車内で脅し、サラ金会社から20万円を借りさせようとしたが、男性が警察へ通報したため、未遂で終わった。 11月27日の逮捕時は、別の窃盗事件で3被告とも服役中だった。 | |
最高裁第二小法廷 福田博裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月6日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
小法廷は「弁護人は事実誤認などを主張するだけで、法に定めた上告理由に該当しない」とした。 | |
信沢藤利被告は2003年7月29日、前橋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年1月13日、東京高裁で被告側控訴棄却。上告したかどうかは不明。 N被告は2003年7月29日、前橋地裁で一審懲役15年判決(求刑懲役18年)。控訴したかどうかは不明。 2003年7月29日、前橋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。控訴審判決日不明。 |
唐木沢一男(61) | |
2003年12月3日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗 | |
元JR長野駅助役の唐木沢一男被告は、1990年にJRを退職した後、職を転々としていたが金に困っていた。2003年8月27日未明、荒川区のホテルに中国人女性(当時24)を呼び出し、クロロホルムをしみこませたタオルを鼻と口に押しつけて意識不明にさせ、現金約5万5千円を奪った。女性は急性薬物中毒で死亡した。 このほか、2003年8月8日午前6~7時、文京区のホテルで別の中国人女性(当時23)を呼び出し、体をひもで縛ってクロロホルムを染みこませたタオルを鼻と口に押しつけて意識を失わせたうえ、現金約4万7千円を奪った。 起訴された2件を含め、2003年4~8月に10件以上、同様の犯行を繰り返していたと供述しているが、ほかの女性からは被害届が出ていない。 | |
東京地裁 服部悟裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月7日 無期懲役 | |
検察側は「犯行は連続しており、計画的。クロロホルムが人を死亡させる危険性も認識していた」と述べた。 弁護側は、強盗致死の法定刑は死刑または無期懲役だが、故意はないと述べ、有期懲役刑への減軽を求めた。 服部悟裁判長は「事前に犯行のための道具を準備するなど計画的で、動機も金目当てと自己中心的であり、同情の余地は皆無」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
唐木沢被告は1994年5月に長野県上田市で、女性を殴ってクロロホルムをかがせ暴行する事件を起こすなどし、1996年3月に実刑判決を受けていた。 被告側は控訴した。 |
上辻一道(29)/赤波江秀之(23) | |
2003年5月26日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
大阪府寝屋川市のスナック店長上辻一道被告と従業員赤波江秀之被告は、店の経営不振などから経営者(当時28)が給料を支払わないことなどに恨みを抱き、殺害して金品を奪おうと計画。2003年3月9日午前5時頃、スナック店内で経営者の頭を金属バットで殴って殺害し、現金約12万円を奪ったうえ、10日午前10時頃、奈良県十津川村の山中に遺体を捨てた。 | |
大阪高裁 那須彰裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月8日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
両被告は経営者から給料をもらえず、暴力を振るわれるなどの理不尽な仕打ちを受けたと主張し、刑を軽くするよう求めたが、那須彰裁判長は「警察に訴えるなど、ほかに手段はあった。犯行は自己中心的で殺害方法も残虐非道」と退けた。 | |
2004年2月17日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。赤波江被告は上告せず確定。上辻被告は上告した。2005年2月17日、被告側上告棄却、確定。 |
大石一敏(51) | |
2000年12月13日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
設計事務所を経営していた大石一敏被告は、とばくで多額の損失を抱え、事務所の経営も悪化していたことから、美術品強奪を計画。2000年11月19日夜、静岡県焼津市で東京都大田区の美術商(当時52)の首を絞めて殺害。美術商が所有する美術品17点(約2,237万円)を盗み、20日未明、事務所にて遺体をのこぎりでバラバラにして大井川港に遺棄した。 | |
最高裁第二小法廷 滝井繁男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月12日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2002年7月1日、静岡地裁は強盗殺人罪を否定し、殺人罪と窃盗罪を適用して懲役18年判決。不服とした検察側と、量刑が重すぎるとして弁護側の双方が控訴していた。2003年10月21日、東京高裁で一審破棄、無期懲役判決。 |
野沢哲夫(45) | |
1999年11月4日 | |
1名 | |
強盗殺人、現住建造物等放火 | |
元建設会社社長野沢哲夫被告は自分の借金返済のため、東京都江戸川区に住む知人のマージャン店店長(当時49)殺害を計画。1999年8月24日夜、店長宅を訪ね、頭部を鈍器で十数回殴打し、首をタオルで絞め、両手首の内側を切るなどして殺害した。その上で、店長が同被告に貸すために用意した現金200万円を奪い、持参したガソリンを室内にまいて放火、室内の一部を焼いた。 | |
東京高裁 原田国男裁判長 | |
死刑 | |
2004年7月14日 無期懲役(検察、被告側控訴棄却) | |
一審で死刑を求刑した検察側は量刑不当を主張したが、原田国男裁判長は「死刑はあくまで例外的なもの。強盗殺人の被害者は1人であり、無期懲役が相当だ」と述べた。 弁護側の無罪主張も「間接事実を総合して被告の犯行と認めた一審判決は正当」と退けた。 | |
2002年8月30日、東京地裁で求刑死刑に対し、一審無期懲役判決。野沢被告は無罪を主張していたが、池田裁判長は同被告が事件当日にガソリンを購入していたことや、血を洗い流したとみられる紙幣を所持していたことなどから、同被告の犯行と認定。その上で「残虐な犯行で、反省もしていない」と述べた。 被告側は上告した。2005年3月8日、被告側上告棄却、確定。 |
今村宗則(43) | |
2001年10月11日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗未遂他 | |
無職今村宗則被告は金に困り、2001年8月15日早朝、大阪市北区の洋服店店主の男性(当時84)の店に2階の窓から侵入し、就寝中の店主の頭部を角材のようなもので殴った上、電気コードで首を絞めて殺害。現金約3万円とキャッシュカードを奪った。大阪府内の3つの銀行支店で現金を引き出そうとしたが、暗証番号が一致せず失敗した。 | |
大阪高裁 近江清勝裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月14日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
今村宗則被告側は、証拠とされた大阪府内の銀行3カ所でカードを使い現金を引き出そうとする男の防犯ビデオ映像について「鮮明でなく、着衣や身体的特徴も被告と同じとはいえない」として無罪を主張したが、近江清勝裁判長は「酷似しており、偶然の一致とすることはできない」と退けた。 | |
2003年12月1日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2004年12月13日、被告側上告棄却、確定。 本事件より前に起こした別の強盗殺人事件で2010年5月31日、大阪地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。2011年2月24日、大阪高裁で検察側控訴棄却。2012年12月17日、検察側上告棄却、確定。この時の裁判で、本事件についても犯行を認めた。 |
田村好(63) | |
2003年2月6日 | |
1名 | |
逮捕・監禁、営利目的等略取誘拐、殺人、死体遺棄 | |
栃木県鹿沼市内の産業廃棄物運搬業者社長は、長年にわたり鹿沼市の最高幹部や所管管理職に取り入って様々な権益を享受していた。しかし市長の交代に伴い、鹿沼市環境対策部参事に就いた幹部が、一般廃棄物の許可や不法投棄の防止などについて厳正に対応。社長は他の市幹部を脅したり、幹部本人を恫喝したりしたが、意のままにならなかったことから仕事が停滞し、逆恨みして殺害を決意。社長は下請け業者のS被告に殺害を持ちかけた。S被告は知人である暴力団組員田村好被告に報酬と引き替えの上で殺害実行を依頼。田村被告は知人の元暴力団組員Y被告と舎弟分のT被告を誘った。 2001年10月31日午後5時45分頃、3被告は鹿沼市上殿町の路上で、帰宅途中の幹部(当時57)を乗用車内に押し込み、11月1日午前3時ころ、群馬県高崎市もしくはその周辺の山中、または同県榛名町もしくはその周辺の山中で、田村被告とY被告がロープでその頸部を絞め付け、田村被告が、拳銃で弾丸1発を発射して幹部の身体に命中させて殺害。Y被告及びT被告が、幹部の死体を道路脇の断崖からがけ下に遺棄した。幹部の遺体はまだ見つかっていない。 2003年2月6日、栃木県警はS被告(当時48)、田村好被告(当時62)、Y被告(当時60)、T被告(当時52)を逮捕した。同日午前8時25分頃、逮捕状を取っていた産業廃棄物運搬業者社長(当時61)の遺体が、鹿沼市池ノ森の工場建設予定地に駐車されたダンプカー内で見つかった。自殺と見られる。 2月11日、殺害された幹部の前任者である元参事(当時53)が市役所新館から飛び降り自殺した。 | |
宇都宮地裁 飯渕進裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月15日 無期懲役 | |
田村好被告は当初、殺害と死体遺棄を認めたが、途中から「途中で運搬業者社長に引き渡した」と否認に転じた。 論告で検察側は「実行グループ内で主導的立場にあり、責任は最も重い」と主張。 弁護側は、田村被告が主導して幹部を殺害したとする検察側主張に対し、(1)田村被告が殺害したとするのは、共犯とされるY被告ら2人の供述からだけで、客観性に欠ける(2)供述に一貫性がなく、信用できない――などと反論した。最終弁論で「遺体が発見されないなど客観的証拠がない」と殺人と死体遺棄について無罪を主張し、拉致した逮捕・監禁・営利略取罪についてのみ認めていた。 判決理由で飯渕裁判長は「業者と一部の市職員の癒着体質が犯行の温床となった」と指摘した上で「被告は犯行の大半を立案、指揮し重要な役割を果たした。共犯者に責任転嫁するなど酌量の余地はない」と述べた。 | |
Y被告は一審懲役17年(求刑20年)判決、控訴中。 T被告は一審懲役14年(求刑18年)判決の確定後、病死した。 S被告は一審懲役18年(求刑20年)判決、控訴したが、「自分が脅されて犯行に加わったという主張が入っていない調書で判決が出たことは悔しいが、被害者の妻が18年が妥当と話していたことを知り、償いとして受け入れたいと思った」と理由を説明し、8月18日に控訴を取下げた。 被告側は控訴した。2005年6月15日、東京高裁で被告側控訴棄却。2006年2月8日、被告側上告棄却、確定。 |
村田清子(63) | |
2003年7月31日 | |
1名 | |
強盗殺人、詐欺他 | |
保険外交員村田清子被告は高価な服や宝石を買い続けて借金を重ねたことから、長野市妻科で2003年5月7日深夜、金品を奪おうと一人暮らしのたばこ店経営者(当時81)方に侵入。目を覚ました経営者の頭などを叩いて金のある場所を聞き出そうとしたが、経営者が大声で助けを求めたため殺意をもって懐中電灯で殴り、粘着テープなどで顔と両手足を縛り、外傷性ショックで死亡させた。郵便貯金通帳などが入った手提げバッグを奪い、5月8日に現金200万円を引き出した。 | |
東京高裁 須田賢裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月15日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
村田清子被告は「殺意はなかった」と主張し、強盗致死罪の適用を求めていたが、須田裁判長は「被害者が何度も殴られて苦しそうに小刻みにハアハアと息をする状況変化を被告は感じていた。被害者が外に助けを求め出て犯行が発覚するのを恐れて足を縛っており、死んでしまうかもしれないという未必の殺意があった」と認定。「一審の判断は是認できる」とした。 また、弁護側の「無期懲役は重すぎる」との主張に対し、須田裁判長は「虚栄心を満たすために借金を重ねて高価な物品を購入し、その借金返済に窮して独居老人を襲った犯行は、短絡的で自己中心的。無期懲役は妥当」と退けた。 | |
被害者の遺族らは2004年4月26日、村田被告から遺族らに対して謝罪の意思表示がないことを重視。被害者が殺されたことへの慰謝料2,500万円のほか、村田被告が被害者の貯金通帳を使って現金を引き下ろしたとされる被害額200万円の支払いなど、総額約2,830万円の支払いを求める訴えを長野地裁に起こした。9月29日、被告側が全額支払うことで和解が成立。 2004年3月4日、長野地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年3月8日、被告側上告棄却、確定。 |
大場健司(25) | |
2003年12月27日 | |
1名 | |
強盗殺人、銃刀法※違反他 | |
東京都多摩市の無職大場健司被告は、パチンコなどのギャンブルで消費者金融から約400万円の借金があったため、放浪生活を送っていた。大場被告は2003年12月20日に長崎から飛行機で沖縄に来たが、飲食費やパチンコなどで所持金約6万円を使い果たした。実家へ帰るための旅費と飲食費等を得るために強盗を計画。2003年12月26日午前3時頃、那覇市で客待ちしていたタクシー運転手(当時64)のタクシーに乗車。午前3時15分頃、持っていた包丁で運転手を刺殺、売上金約9,600円を奪った。 | |
那覇地裁 横田信之裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月16日 無期懲役 | |
第二回公判で被害者の長男(24)が検察側証人として出廷し「(父が受けた仕打ちを)倍にしてやりたいくらいの気持ち。極刑にしてもらいたい」と厳しい処罰感情を語った。 論告に先立ち、被害者の娘が「父はすごくやさしく家族にとって太陽のような存在。身勝手な理由で人の命を奪っていいのか。犯人を絶対許せない。言いたいことはたくさんあるが、気持ちを言葉にするのは苦しい」と涙ながらに語った。 弁護側は「被告は幼児期の虐待による発育不全があった。矯正は可能」として有期刑の判決を求めた。大場被告は最終陳述で「被害者と家族の方に対し本当にとりかえしのつかないことをして申し訳ありません」と語った。 横田信之裁判長は「犯行の動機、態様、結果のいずれも犯情は極めて悪質である」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。弁護側の情状酌量の主張については「被告人の生い立ちに気の毒な面が認められ、犯行を反省、前科がなく25歳と若いことなどを最大限考慮しても主文の刑に処するのが相当」と退けた。 | |
控訴せず確定。 |
陳厚忠(54)/陳財福(42) | |
2003年4月11日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗傷害 | |
中国籍で元建設作業員の陳厚忠(ちん・こうちゅう)被告、陳財福(ちん・ざいふく)被告は逃亡中の仲間と共謀し、2003年1月5日午後11時頃、横須賀市の老夫婦方に侵入。妻(当時73)の顔を殴るなどの暴行を加えて10日間のけがを負わせ、現金56,000円と、ネックレスなど46点(時価141万円相当)を奪った。さらに、肺気しゅで酸素吸入チューブをつけて寝ていた夫(当時79)に暴行したため、夫はチューブが外れて死亡した。陳厚忠被告は2002年12月、老夫婦方裏にある傾斜地で土木工事をした際、夫婦にお茶やミカンを差し出されるなど親切にされた。夫婦が2人暮らしと知り、ほかの2人に犯行を持ち掛けたという。 | |
東京高裁 原田国男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月16日 無期懲役 | |
判決理由で原田裁判長は「厚忠被告は主導的立場で被害者を死亡させ、財福被告もピッキングでの侵入を提案するなど責任は極めて重大」と述べ、弁護側の量刑不当の主張を退けた。 | |
2004年1月29日、横浜地裁横須賀支部で求刑通り一審無期懲役判決。陳厚忠は上告せず確定。陳財福被告は上告した。2004年12月13日、被告側上告棄却、確定。 |
須藤浩二(24) | |
2003年9月30日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
牧場作業員須藤浩二被告は消費者金融など数社から多額の借金があったため、2003年9月22日午前2時半ごろ、顔見知りだった宮崎県高鍋町の男性(当時74)方に侵入して金品を物色中、男性に発見されたため首を絞めて殺害。クレジットカードなど17点と現金約1,000円を盗んだ。さらに同月24日、都城市内で盗んだクレジットカードを使い現金50万円を引き出した。引き出した金は借金返済の一部に充てた。 | |
宮崎地裁 久保雅文裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月20日 無期懲役 | |
検察側は「発見された時のためにあらかじめ被害者方の台所から包丁を探しだした上、被害者の後ろから覆いかぶさり首を絞めるなど確定的殺意があり、逮捕を免れるために殺害した」などと述べた。 一方、弁護側は最終弁論で、須藤浩二被告は発見時に包丁を捨て、顔見知りの男性に謝罪し許してもらおうとしたが、男性が包丁を拾って須藤被告の足を刺したことからもみ合いになり、首を絞めたと主張。強盗殺人ではなく窃盗と殺人にあたり、殺人については正当防衛、または過剰防衛として、無罪か刑の減免を求めた。 判決で久保裁判長は「被告に対する反撃は適法。刑事責任は極めて重大」と弁護側の主張を退けた。 | |
被告側は控訴した。2004年10月5日、控訴取下げ、確定。 |
杉本繁郎(45) | |
1995年5月16日 | |
14名 | |
殺人、殺人未遂、死体損壊 | |
オウム真理教元幹部の杉本繁郎被告は他の被告と共謀し、以下の事件を起こした。 ●男性信者殺害事件 修行中の男性信者が1988年9月、死亡した際、教団が宗教法人の認可を得るうえで障害になると考えた教祖麻原彰晃(本名松本智津夫)はひそかに焼却を指示した。1989年2月10日、この信者死亡事件を目撃していたTさん(当時21)の脱会意向を知った麻原は、「事件のことを知っているからこのまま抜けたんじゃ困る。考えが変わらないならポアしかないな。私は血を見るのが嫌だから、ロープで一気に絞めて、その後は護摩壇で燃やせ」と、早川紀代秀被告らに殺害を指示。幹部四人が教団施設内でTさんを殺害し、死体を焼却した。 ●元信者殺人事件 1994年1月30日、元オウム真理教信者だったOさん(当時29)は教団付属病院に入院している女性信徒を救助しようと、女性の親族であり脱会の意志を示しているY被告とともに救い出そうとしたが、警備の信徒に取り押さえられた。教祖麻原彰晃(本名松本智津夫)はY被告に処刑をほのめかしつつ、Oさんと親族のどちらが大切かを迫り、幹部10数名らにOさんを押さえつけさせ、Y被告に絞殺させた。遺体は教団施設内にて焼却した。 ●地下鉄サリン事件 目黒公証役場事務長(当時68)拉致事件などでオウム真理教への強制捜査が迫っていることに危機感を抱いた教祖麻原彰晃(本名松本智津夫 当時40)は、首都中心部を大混乱に陥れて警察の目先を変えさせるとともに、警察組織に打撃を与える目的で、事件の二日前にサリン散布を村井秀夫(当時36)に発案。遠藤誠一(当時34)、土谷正実(当時30)、中川智正(当時32)らが生成したサリンを使用し、村井が選んだ林泰男(当時37)、広瀬健一(当時30)、横山真人(当時31)、豊田亨(当時27)と麻原被告が指名した林郁夫(当時48)の5人の実行メンバーに、連絡調整役の井上嘉浩(当時25)、運転手の新実智光(当時31)、杉本繁郎(当時35)、北村浩一(当時27)、外崎清隆(当時31)、高橋克也(当時37)を加えた総勢11人でチームを編成。1995年3月20日午前8時頃、東京の営団地下鉄日比谷線築地駅に到着した電車など計5台の電車でサリンを散布し、死者12人、重軽傷者5,500人の被害者を出した。 | |
東京高裁 高橋省吾裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年7月28日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
杉本繁郎被告側は「送迎役は犯行に不可欠ではなく、幇助犯にとどまる」と主張。しかし、判決は「結局は自らの意思で松本被告の指示に従い、犯行を敢行する道を選択し、これを実行した」などとして退けた。 | |
2000年7月17日、東京地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2009年4月20日、被告側上告棄却、確定。 |
石川義純(32) | |
1997年6月16日 | |
2名 | |
殺人、死体遺棄 | |
人材派遣業石川義純被告は1997年4月21日深夜、人材派遣会社設立の出資金を巡ってトラブルになった福井市の日系ブラジル人の男性(当時30)方で、男性と同居人(当時30)の胸や背をナイフで刺して殺害、遺体を福井県丸岡町の山中に捨てた。 | |
最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長 | |
死刑 | |
2004年7月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2001年8月2日、福井地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。2003年10月30日、名古屋高裁で検察・被告側控訴棄却。 |
堤美由紀(44) | |
2002年4月28日((3)事件の容疑。(1)の事件で逮捕済?) | |
2名 | |
殺人、詐欺 | |
同じ看護学校出身である元看護師吉田純子被告、治験コーディネーター堤美由紀被告、看護師池上和子被告、元看護師IH被告は共謀して、以下の事件を起こした。
| |
福岡地裁 谷敏行裁判長 | |
死刑 | |
2004年8月2日 無期懲役 | |
検察側は「看護師としての能力が高い堤被告の存在なくてはあり得なかった事件」として堤被告を吉田被告とともに主犯格と位置づけたが、弁護側は「吉田被告の供述には計算や策謀があり、陰でそっと舌を出しているだろう」と述べた。 弁護側は仲間三人を殺害行為に引き込んだとされる主犯格の吉田純子被告の性格の特異性を強調。「堤被告はうそや脅しで『使える』人間として育て上げられた。(逮捕後は)必死に過去の自分に向き合い、真実解明に努力してきた」とし、死刑回避を求めた。 谷敏行裁判長は元看護師の吉田純子被告(求刑・死刑)が一連の事件を主導したと認定した上で、「犯行は吉田被告に引きずられた従属的な面がある。医療知識を悪用した点も、吉田被告に体よく利用された」として情状酌量し、無期懲役を言い渡した。 | |
検察、被告側は控訴した。2006年5月18日、検察・被告側控訴棄却。上告せず確定。 |
伊藤伸治(37) | |
2004年1月6日(別の強盗未遂罪で起訴済) | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、強盗未遂 | |
無職伊藤伸治被告は消費者金融などに数100万円の借金があったことから、数回通っていた名古屋市内の飲食店の従業員の女性(当時23)から金を奪うことを計画。2003年10月24日、女性を食事に誘い、午後7時頃、愛知県一宮市内の路上に駐車した乗用車内で女性の首を手で絞めて殺害し、現金約15,000円やバッグなどを強奪。25日午前5時ごろ、弥富町稲荷の堤防で遺体にコンクリートブロックを縛り付け、川に投げ捨てた。 伊藤被告は、2003年10月11日に名古屋市内の女性(当時21)にナイフを突き付けて金を奪おうとしたとした強盗未遂の疑いで12月に逮捕、起訴されていた。 | |
名古屋地裁 石山容示裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月4日 無期懲役 | |
公判で検察側は、犯行は計画的で悪質であり、人間性が欠如し反省の態度が見られないとして無期懲役を求刑した。 被告側は「殺害してから金品を奪うことを思いついた。強盗殺人罪ではなく、殺人と窃盗罪に当たる」などと主張。弁護側は、殺人は突発的で計画性はないとして寛大な判決を求めた。伊藤被告は「深く反省しています。本当に申し訳ないことをしました」と述べた。 石山容示裁判長は「突然に生命を奪われた被害者の無念は容易に推し量ることができる。被告は殺害後に犯行を隠ぺいするため、遺体にブロックを付けて投棄した。遺族の精神的衝撃も大きい」と指摘、「短絡的で自己中心的な動機や経緯に、くむべき事情はない」などとして、求刑通り無期懲役を言い渡した。計画性の有無については「殺害する時点で金品を奪う意図があったと推認できる」として被告側の主張を退けた。 | |
被告側は控訴した。2004年12月21日、被告側控訴棄却。 |
黒岩豊数(51) | |
2001年11月29日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
無職黒岩豊数被告は約2年間仕事がなく、消費者金融などに数百万円の借金があったため、2001年9月10日午前4時頃、大阪市住吉区の酒店に侵入。店舗兼住宅の1階で寝ていた店主(当時71)の首や胸を包丁で刺して殺害した。2階で寝ていた二女が物音に気付き、二人が格闘するのを見て大声を上げたため何も盗らずに逃走した。黒岩被告は数年前に現場近くのマンションに住む女性と交際していた当時、酒店に客として出入りし、被害者とは顔見知りだった。 | |
大阪地裁 小川育央裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月11日 無期懲役 | |
黒岩豊数被告は一貫して否認しているが、検察側は論告で、「侵入経路の木戸に付着した粘着テープから被告の指紋と被害者の血痕が出ており、被告の犯行だと強く推認できる。被告の後ろ姿が目撃証言とも一致する」などと指摘。弁護側は「被告が粘着テープを持ち込んだ証拠はない。粘着テープが犯人の遺留品というには疑いが残る」などと改めて無罪を主張した。 小川育央裁判長は「現場に残された粘着テープから見つかった指紋は、被告人のものと矛盾しない。また、借金を重ねていて、犯行が推認される」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
被告側は控訴した。2004年12月24日、被告側控訴棄却。2005年6月17日、被告側上告棄却、確定。 |
張斗龍(69) | |
2004年1月21日(2003年9月、特殊開錠用具の所持の禁止に関する法律(ピッキング防止法)違反容疑で逮捕、起訴済) | |
1名 | |
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反、銃砲刀剣類所持等取締法違反、住居侵入、窃盗、強盗致死 | |
無職張斗龍(チャン・トゥヨン)被告は2002年12月7日未明、千葉県市原市柳原に住む運送会社役員の男性(当時62)の自宅駐車場に止めてあった乗用車を物色中、物音で気づいた男性に見つかり、右肩をつかまれたため振り払おうとし、持っていたナイフで胸を刺して死亡させた。張被告は常習的に自動車内荒らしを繰り返していた。 | |
千葉地裁 金谷暁裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月18日 無期懲役 | |
検察側は、張被告は年金収入などで生活が出来たにもかかわらず、遊ぶ金ほしさに車上狙いを繰り返していたと指摘。「逃げるためなら他人を傷つけても構わないという短絡的で自己中心的な犯行だ」と述べた。 金谷裁判長は判決で「利欲的であるだけでなく、冷酷かつ自己中心的な犯行だ」と述べた。 | |
カンソ・マルコ・アントニオ・カルドーソ(29)/ヘスス・アントニオ・ナテス・リンコン(28) | |
2003年1月30日(窃盗罪で起訴済) | |
1名 | |
強盗致死、窃盗、強盗致傷他 | |
名古屋市に住むブラジル国籍の無職カンソ・マルコ・アントニオ・カルドーソ被告、コロンビア国籍の無職ヘスス・アントニオ・ナテス・リンコン被告は他の外国人2名とともに、2002年8月31日午後11時40分頃、愛知県七宝町に住む贈答品販売会社社長(当時65)宅に押し入り、社長夫婦を粘着テープで縛り、スタンガンを押しつけるなどして現金約258万円を奪って逃げた。社長は粘着テープで口と鼻をふさがれ、病院に運ばれたが、窒息により死亡した。両被告は奪った金の分け前を本国の家族に送金した。 2被告は名古屋市内の外国人がよく集まるバーで、別のコロンビア人らしき2人から誘われた。他の2人は既に海外へ逃亡した可能性がある。 他に2001年11月30日午前、別のブラジル人男性2人(起訴済)と共謀し、名古屋市中区のコンピューターソフト開発会社に押し入り、社長の顔に催涙スプレーをかけて現金約40万円を奪い、粘着テープで目隠しするなどして逃走した。 2被告らは2001年11月からの約1年間に、愛知県内で現金や貴重品など計約900万円相当を盗み、奪うなどした。 | |
名古屋地裁 柴田秀樹裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月20日 無期懲役 | |
柴田秀樹裁判長は「計画的で証拠隠滅するなど悪質な犯行。さらに窃盗も重ねており、刑事責任は重い」として、両被告に求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
被告側は控訴した。2005年2月17日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。リンコン被告は上告せず確定。2005年6月20日、カルドーソ被告の上告棄却、確定。 |
西村文夫(63) | |
2003年6月3日 | |
1名 | |
現住建造物等放火、殺人 | |
長野市の無職西村文夫被告は、2003年6月3日午前10時40分ごろ、解雇された同市の建設会社事務所を訪れ、退職金の支払いや借金を無心したが断られたため腹が立ち、ガソリン4Lを社長(当時65)の全身に浴びせライターで火をつけて死亡させた。また同事務所を焼損させた。事務所には社長と女性従業員の2人がいた。 | |
長野地裁 青木正良裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月25日 無期懲役 | |
西村文夫被告側は初公判から一貫して「殺害を被害者に依頼された」と主張し、犯行当時も心神耗弱状態にあったなどとして争う姿勢をみせていた。 これに対し検察側は、「(被害者が)他者にガソリンをかけてもらい、火を付けさせるのは不自然」と反論し、西村被告がガソリンを購入する際に理由を偽っていた点に触れ、「狡猾かつ計画的に犯行に及んだ」と指摘。「金の無心を断られ一方的に逆恨みした」と犯行動機を明らかにするとともに、「罪を逃れようと虚偽の供述を繰り返し、反省の態度はまったくない」とした。その上で「相手の名誉を傷つけるなど、反省の色がない」と厳しく非難し「地域住民だけでなく、社会に与えた影響も大きい」として、無期懲役を求刑した。 青木裁判長は「被害に遭う前の被害者の行動から、自殺を希望していないことは明らか」、また犯行を目撃した女性事務員の証言などから「犯行は明白」とし、弁護側の無罪主張を退けた。弁護側の心神耗弱との主張には、「準備は入念で手際よく、証拠も隠滅しており、犯人の行動として合理的」と退けた。 | |
被告側は控訴した。2004年12月24日、被告側控訴棄却。2005年4月26日、被告側上告棄却、確定。 |
渡辺敬介(42) | |
2002年5月23日 | |
1名 | |
強盗致死他 | |
消費者金融会社に約100万円の借金があった静岡県の無職渡辺敬介被告は2002年3月25日夜、飲食店などを経営する会社の専務だった神奈川県平塚市の元上司(当時84)方を郵便局員を装って訪問。出てきた男性の鼻や口を手でふさぐなどして窒息死させ、現金10万円と時計を奪った。 渡辺被告は被害者と同じ会社で係長を務めていたが、1996年に会社の売上金1,265万円余を盗むなどして解雇されていた。 | |
東京高裁 仙波厚裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月26日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
渡辺被告は無罪を主張した。仙波厚裁判長は「(主張の変更に関する)弁解は不合理で納得できない。(無罪主張前の)供述は具体性、迫真性があり信用性が高い」と述べた。 | |
2004年1月22日、横浜地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年1月17日、被告側上告棄却、確定。 |
喩貽(23)/●嘯天(24)/孫凱(23) | |
2002年12月27日 | |
1名 | |
身代金拐取、拐取者身代金要求、逮捕監禁、殺人、住居侵入 | |
元留学生の喩貽、●嘯天(●は刑のつくりがおおざと)、孫凱被告は、他の中国人の男性3人(分離公判中)とともに2002年12月4日午前6時20分頃、風俗店を経営する中国人女性(当時43)を乗用車で連れ去って約16時間監禁し、内縁の夫の中国人男性(46)に身代金8,000万円を要求。しかし、警察に察知されたと思い込んで身代金受け取りを断念し、同日夜、女性の首を絞めて旅行かばんに詰め込み、名古屋港で海に投げ込んで水死させた。 | |
名古屋高裁 川原誠裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年8月27日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
川原裁判長は判決理由で「被告らは犯行を主導していないが、遊興費の借金返済などの動機を考えると責任は重い。量刑は不当とは言えない」と述べた。 | |
2004年2月3日、一審無期懲役判決。喩貽被告のみ上告。他2被告は上告せず、確定。2004年12月15日、喩貽被告の上告棄却、確定。 |
土井平行(35?) | |
2002年2月1日 | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反 | |
暴力団幹部土井平行被告は他の仲間と共謀して2000年2月7日、東京都港区のビジネスホテル1階レストランにいた元幹部(当時49)を、路上から窓越しに短銃で2発撃ち、射殺した。元幹部は1999年7月に組から絶縁されたが、組の名を騙って活動していたため、報復としての行動とされている。 他に土井被告は、国の中小企業助成制度を悪用し、計約2,700万円をだまし取った。 | |
東京高裁 裁判長名不明 | |
無期懲役 | |
2004年8月?日 無期懲役(一審破棄) | |
逮捕当初は組幹部からの指示を含めて殺人容疑を認めていたが、一審初公判で、幹部からの指示について否認していた。その他の焦点は不明。 | |
一審東京地裁(判決日不明)は懲役16年。被告側は上告した。2005年2月28日、被告側上告棄却、確定。 |
山本章代(41) | |
2001年9月26日 | |
2名 | |
強盗殺人他 | |
交際していた庄子幸一被告と山本章代被告は共謀して、2001年8月28日、神奈川県大和市の主婦(当時54)の家にて刺殺、現金約23万円とキャッシュカードなどを奪った。同年9月19日、同市の主婦(当時42)の家で主婦の手足や顔に粘着テープを巻き、浴槽内に顔を押しつけて窒息死させ、現金6万円と通帳などを奪った。被害者はどちらも山本被告の顔見知りだった。7月に横浜市内で指圧治療などをしている女性から「5人が二人の幸福の邪魔をしている」と言われたため、犯行を行ったと庄子被告は述べており、他に3人の知人の殺害を計画していたことが明らかになっている。 | |
東京高裁 安広文夫裁判長 | |
死刑 | |
2004年9月7日 無期懲役(検察側控訴棄却) | |
安広文夫裁判長は「庄子被告に利用された面があることも否定できない」と判断し、一審の無期懲役の量刑を支持した。 | |
2003年4月30日、横浜地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年1月25日、被告側上告取下げ、確定。 庄子幸一被告は一・二審死刑判決。上告中。 |
小田嶋透(47) | |
1996年11月14日(有印私文書偽造容疑) | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗、有印私文書偽造他 | |
自称デザイナー小田嶋透被告は、派手な生活を維持するため、証券会社の課長代理に顧客から金を集めさせ、これを奪うことを計画。1995年9月ごろ、架空の出資計画を作り上げ、課長代理に持ち掛けた。 出資計画を信じた課長代理が顧客に説明し、出資金4億1,900円を集めた。小田嶋被告は1996年1月に横浜市内でナンバープレートを盗んだほか、山梨県小淵沢町内の貸別荘を借り、遺体を埋める場所を下見するなど犯行を準備。1996年2月5日、小田嶋被告は「小淵沢でミーティングをする」とだまして課長代理を連れ出し、午後10時すぎに山梨県内の中央自動車道小淵沢インターチェンジ近くに止めた自分の車の中で、課長代理(当時33)の首をロープで絞めて殺害、現金を奪い、遺体を長野県富士見町の山林に埋めた。 警視庁は、失跡した課長代理を詐欺容疑で指名手配するとともに、最後に接触していた小田嶋被告から任意で事情を聴くなどして調べていたが、小田嶋被告はその最中の1996年9月25日より、狂言誘拐事件を起こした。11月には自分で指を切って自宅に送るなどの工作も行っている。11月13日、警視庁は自作自演と断定、14日逮捕した。 その後、小田嶋被告が犯行の下見に同行させたとされる女性の証言に基づき捜索したところ、貸別荘近くから課長代理の遺体が見つかり、警視庁は12月6日に小田嶋被告を強盗殺人、死体遺棄容疑で再逮捕した。小田嶋被告は1996年8月、北海道に住むこの女性に約2億8,000万円の現金が入ったスーツケースを送っていたことが判明している。 | |
東京高裁 河辺義正裁判長 | |
死刑 | |
2004年9月9日 無期懲役(検察・被告側控訴棄却) | |
小田嶋透被告側は強盗殺人、死体遺棄について無罪を主張していた。ただし小田嶋被告は逮捕前、「首を絞めて殺し、遺体を埋めた」などとする上申書を提出している。狂言誘拐については、株取引に絡む詐欺事件で警視庁の調べを受け、それから逃げ出したかったので、狂言誘拐をしたと自供している。 河辺義正裁判長は「事件の重大性や計画性、遺族感情に照らせば、死刑の選択もあり得るが、被害者が1人にとどまり、極刑がやむを得ないとまではいえない」と述べた。 | |
2002年5月8日、東京地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。判決理由で岡田雄一裁判長は「完全犯罪を企て、周到な準備に基づき実行した計画的な犯行。労せずして一挙に多額の現金を得ようとした動機に酌量の余地はなく、非道の極み」と指摘したが「更生が全く期待できないわけではなく、極刑がやむを得ないと断じるには躊躇を感じる」と述べた。「被害者からマネーロンダリング(資金の洗浄)を頼まれ、自分の金と被害者の金を交換したが、別れた後は一度も会っていない」とする小田島被告の公判での供述については「話の内容自体が不合理で弁解は信用できない」と退けた。死刑を求刑した検察側と、無罪を主張する被告側がともに控訴していた。 捜査本部は1990年のサントリー株事件の実行役で現金4億5,000万円を持ったまま行方不明になっている投資顧問業者(詐欺罪で指名手配)の失跡にも関与した疑いがあるとみて関連を調べていたが、起訴されなかった。 被告側は上告した。2006年9月12日、被告側上告棄却、確定。 2005年5月11日、元証券会社社員を使って持ち掛けた架空の投資話で現金をだまし取られたとして、東京都内のコンピューターソフト制作会社が小田嶋被告に9,000万円の返還を求めた訴訟で、東京地裁は全額の支払いを命じた。 |
川上智弘(23) | |
2002年8月7日 | |
1名 | |
殺人未遂、強盗殺人、傷害、窃盗 | |
住所不定、無職の川上智弘被告は以下の事件を起こした。
川上智弘被告と荘司公彦被告は教護院(現在の児童自立支援施設)からの知り合いである。 | |
最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長 | |
死刑 | |
2004年9月10日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
強盗殺人他で起訴されたK被告は2003年6月10日、名古屋地裁(片山俊雄裁判長)で求刑無期懲役に対し、一審懲役15年判決。片山裁判長は「K被告は殺人行為の主導的役割を果たしていない」と認定した。2004年1月20日、名古屋高裁(川原誠裁判長)で検察側控訴棄却。上告せず確定と思われる。 強盗殺人他で起訴された荘司公彦被告は2004年11月16日、名古屋地裁(片山俊雄裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 2003年8月19日、名古屋地裁で求刑死刑に対し、一審無期懲役判決。2004年3月15日、名古屋高裁で検察・被告側控訴棄却。 |
猪又靖浩(31) | |
2004年1月28日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
松本市の会社員猪又靖浩被告は遊興費などで借金が膨らんだことから、強盗殺人を決意。知人のブラジル人ソノダ・ジュリアノ・エンリケ・デ・ソウザ容疑者と共謀し、2003年7月10日午後9時半頃、松本市に住む貸金業者の男性(当時59)の自宅兼事務所に客を装って入り、ひも状の物で男性の首を絞めて殺害、現金約41万円を奪った。 ソノダ・ジュリアノ・エンリケ・デ・ソウザ容疑者は2003年12月に名古屋空港から出国し、パリ経由でサンパウロに到着した。長野県警は同容疑者を強盗殺人容疑で指名手配し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配した。 | |
長野地裁松本支部 峯俊之裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月13日 無期懲役 | |
検察側は、「自己中心的で極めて悪質」「弁解の余地はない」と断じた。猪又被告は「取り返しのできないことをしてしまいました」と、遺族が座る傍聴席に頭を下げた。 峯裁判長は「殺害方法は極めて残忍で自己中心的な犯行」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
控訴せず確定。 2007年3月、長野県警はジュリアノエンリケ・ソノダ容疑者の代理処罰(国外犯処罰)をブラジルに求める方針を固めた。12月20日、ブラジル政府当局者は日本政府から代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)を正式に要請されたことを明らかにした。2008年1月29日、ブラジル・サンパウロ州検察当局はソノダ容疑者を強盗殺人の罪で起訴した(ブラジルでは逮捕前に起訴が可能)。サンパウロ州警察当局は2月1日、同州北西部にあるフェルナンドポリスにある母親の家に身を寄せていたソノダ被告を逮捕した。日本がブラジルに代理処罰を求めた事件で起訴は4件目で、そのうち逮捕は3件目となった。逮捕後、被告の身柄は拘置施設があるグアラニドエスチに移送された。 2008年2月21日、サンパウロ州裁判所で初公判が開かれ、ソノダ被告は起訴事実を否認した。審理は裁判官の職権で非公開となっている。ソノダ被告の弁護側は、被告の拘置は長期間にわたる上に、公共の安全を脅かす恐れがある場合などに限って拘置を認めるとする憲法に違反しているなどと主張して身柄拘束の解除請求を求めたが、2009年8月にサンパウロ州裁判所は請求を却下。弁護側は不服申し立てを行ったが、連邦最高裁は2010年5月28日付で請求を却下した。 2015年9月25日、サンパウロ州裁判所は禁錮30年の判決を言い渡した。判決は、被告が犯行を複数の知人に打ち明けたとの証言があることなどから「被告の犯行を疑う余地は全くない」と無罪主張を退け、「犯行は冷酷に準備された計画的なもので、冷酷で計算高く無情な被告の人間性を示している」などと厳しく批判した。 ブラジル・サンパウロの裁判所は2016年9月15日、一審判決を支持し、控訴を棄却した。 |
川原崎康広(43) | |
2000年5月31日 | |
1名 | |
殺人、詐欺、公正証書原本不実記載・同行使他 | |
金融ブローカー川原崎康広被告は、5,000万円の保険金を得ようと不動産ブローカー石川真澄被告(2002年5月9日、一審無期懲役判決、確定)と共謀。多額の報酬を約束して他の3人(実行犯が懲役16年、その他は8年が確定)を仲間に引きずり込んだ。東京都江東区に住む元飲食店店員(当時29)を飲食店店員の女性(公正証書原本不実記載・同行使で起訴)と偽装結婚させたうえ、2000年4月11日未明、男性を東富士五湖道路に連れ出し、交通事故を装って乗用車ではねて殺した。保険金の請求は行われなかった。石川被告は偽造した宅地権利証を使って1999年12月、横浜市内の金融業者から約4,000万円をだまし取ったとして詐欺容疑でも指名手配されており、この返済が動機になった。 | |
東京高裁 田尾健二郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月14日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
不明(殺意の存在を否定か?) | |
2002年12月5日、甲府地裁(山本武久裁判長)にて求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年5月22日、被告側上告棄却、確定。 |
吉田尚登(29) | |
2004年1月26日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
大阪府箕面市のマンションに住む無職吉田尚登被告は2004年1月20日、1階に住むマンションオーナー兼管理人の女性(当時76)方を訪ね、自宅から持ってきた包丁で女性の腹や首などを刺して失血死させ、現金約5万円が入ったバッグなどを盗んだ。奪った現金は、電気代の支払いやゲーム機の購入代金に充てていた。 | |
大阪地裁 中川博之裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月16日 無期懲役 | |
吉田尚登被告は初公判で起訴事実を全面的に認めた。 中川博之裁判長は判決理由で「被告は就職できず自暴自棄になり自殺しようと考え、自殺する前に女性を殺害し遊ぶための金を奪うことを思い立った。身勝手で残虐非道な犯行」と述べた。「被告の家賃の支払い期限の延長を快諾するなど、感謝されこそすれ恨まれる筋合いのない被害者の生命を、情け容赦なく奪った」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
小路薫(28) | |
2003年6月12日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
大阪市の無職小路薫被告は、母親の内縁の夫である濱田良保被告(一審無期懲役判決)や飲食店経営者とともに平野区のパチンコ店で大当たりの確率を変える違法な「裏ロム」を台に付けていたが、2001年1月に店長が変わり外された。小路被告らは「稼げなくなった」などと言いがかりをつけ現金を要求したが、店長は拒否したため、逆恨みして強盗を決意。2003年2月17日未明、濱田被告らや、パチンコ店の従業員で裏ロム取付の手引きをしていた別の被告と計4人でパチンコ店の事務所に押し入り、店長(当時58)の頭を灰皿などで殴るなどして殺害し、金庫から売上金およそ2,400万円と景品を奪った。 | |
大阪地裁 宮崎英一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月17日 無期懲役 | |
宮崎英一裁判長は判決理由で「被告は金欲しさに犯行に加わり実行犯として中心的役割を果たした。自己中心的な犯行だ」と述べた。 | |
被告側は控訴した。 |
濱田良保(56) | |
2003年6月12日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
大阪市の無職濱田良保被告は、内縁の妻の息子である小路薫被告(一審無期懲役判決)や飲食店経営者とともに平野区のパチンコ店で大当たりの確率を変える違法な「裏ロム」を台に付けていたが、2001年1月に店長が変わり外された。濱田被告らは「稼げなくなった」などと言いがかりをつけ現金を要求したが、店長は拒否したため、逆恨みして強盗を決意。2003年2月17日未明、小路被告らや、パチンコ店の従業員で裏ロム取付の手引きをしていた別の被告と計4人でパチンコ店の事務所に押し入り、店長(当時58)の頭を灰皿などで殴るなどして殺害し、金庫から売上金およそ2,400万円と景品を奪った。 | |
大阪地裁 宮崎英一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月17日 無期懲役 | |
濱田被告は殺意を否認していた。 宮崎英一裁判長は「濱田被告は、よく使っていたパチンコ台の基盤を入れ替えられたために損をしたと店長を逆恨みした」「現場の下見を繰り返すなど周到な犯行。被告は最初に計画を考えた首謀者で、共犯者の中で最も責任が重い」として、無期懲役を言い渡した。 共犯の元従業員、露天商は求刑無期懲役に対し、一審懲役15年の判決。 2005年2月3日、下見や犯行の予行練習に参加した無職男性については、強盗殺人ほう助罪他で求刑懲役10年に対し、懲役3年6月の判決が言い渡された。同罪で起訴された無職男性の妻については、求刑懲役7年に対し、無罪が言い渡された。 | |
被告側は控訴した。 |
飯田勝久(60)/太田勝(57) | |
2003年3月13日 覚せい剤約260キロ(末端価格約156億円)を押収。 | |
0名 | |
覚せい剤取締法違反(営利目的所持)他 | |
貿易商飯田勝久被告、無職太田勝被告、馬錦標被告(無期懲役が確定)は暴力団幹部畠山正男被告、三浦久一被告(ともに一審無期懲役判決)と共謀。2003年1月から3月にかけて、覚せい剤の結晶など計約470キロを陶磁器製の人形の台座に隠す手口で中国・上海からコンテナ船で横浜港に密輸した。 | |
東京高裁 植村立郎裁判長 | |
無期懲役 罰金1,000万 | |
2004年9月17日 飯田被告:無期懲役 罰金1,000万円、太田被告:無期懲役 罰金 800万円(被告側控訴棄却) | |
判決理由で植村立郎裁判長は「膨大な量の覚せい剤輸入を業としたことだけでも責任の重大性は明らか。莫大な利益を得ようと積極的に重要な役割を果たした」とし、弁護側の量刑不当の主張を退けた。 | |
2004年3月8日、横浜地裁で一審無期懲役+罰金800~1,000万円判決。被告側は上告した。2005年1月17日、被告側上告棄却、確定。 |
張安(24) | |
2003年1月16日 | |
1名 | |
住居侵入、強盗殺人、銃刀法※違反、強盗殺人未遂、窃盗未遂、現住建造物等放火、建造物侵入、窃盗 | |
中国から留学生として来た京都の短大生張安被告は、短大の学費の支払いに窮して人を殺してでも金を奪おうと企て、2003年1月15日未明、伏見区に住むアルバイトの女性(59)方に侵入。物色中に女性に見つかり、包丁で女性の頭や胸などを刺して殺害、現金約25,000円などを奪った。 さらに同日午後、約2km離れた伏見区に住む女性(当時86)方に侵入し、女性の頭を陶器鉢や岩で殴って重傷を負わせ、現金約95,000円を奪った。 張安被告は16日未明、京都府向日市内で起きた民家侵入事件の直後、近くで、ドライバーを持っていたため軽犯罪法違反の現行犯で逮捕された。同日、強盗殺人事件を自供した。 | |
京都地裁 東尾龍一裁判長 | |
死刑 | |
2004年9月24日 無期懲役 | |
検察側は「満足できる金を奪えなかった腹立ちから、遺体をしつように包丁で突き刺し、失神した女性を家屋もろとも焼き殺そうとした行為は、残忍そのもの」と指摘。「哀願し、命ごいするしかない状況で、攻撃を受けた絶望と恐怖は言葉で表せるものではない。遺族らの処罰感情もしゅん烈で、学費納入を迫られた事情があっても、私欲的な動機に酌量の余地はない」と指弾した。 弁護側は犯行態様の残虐さや、厳しい遺族感情を認めた上で、経済的苦境に陥る中で犯行に及んだと主張。「強盗殺人では包丁を持っていたが、あくまで脅すため。強盗未遂では凶器は携帯しておらず、最初から殺害を計画したわけではない」と情状酌量を求めた。また「殺害したのは1人で、最高裁判例でみても死刑が選択されるべきではない」とした。さらに、死刑制度について、執行時の模様や誤審の可能性、世界各国の半数近くが死刑制度を廃止、または事実上、廃止していることなどに言及、死刑制度を批判した。張被告は最終意見陳述で「本当に申し訳ありませんでした」と述べた。 東尾裁判長は、犯行の経緯について「短大では成績上位だったが、金に窮して学費の支払期限が迫り、家人に見つかった場合は殺してでも金を手に入れるしかないと追い詰められていた」と述べた。検察側は死刑を求刑していたが▽殺害は1人▽高度の計画性はない-ことなどから「死刑の適用はやむを得ない場合のみであり、本件は該当するとまでは言い難い」とした。 | |
検察側は控訴した。2006年3月9日、大阪高裁で検察側控訴棄却。2008年11月4日、検察側上告棄却、確定。 |
白浜肇(60) | |
2003年3月10日 | |
58歳 | |
3名 | |
殺人、現住建造物等放火他 | |
松戸市の会社員白浜肇被告は2002年12月8日午前6時半ごろ、かつて交際していた松戸市稔台の女性方を訪問。しかし女性が不在であったため、他の男性に会いに出掛けたと腹を立て、1階にあった石油ファンヒーターの灯油をまいてライターで放火。木造2階建て住宅約100平方メートルを全焼させ、2階で寝ていた女性の母(当時78)、女性の長女(当時24)、長女の長男(当時3)を焼死させた。白浜被告は、女性が勤めているスナックの常連客だった。女性は孫を連れて散歩していたため無事だった。 白浜被告は2002年11月、女性が勤めているスナックで傷害事件を起こし、2003年2月中旬に逮捕、起訴されていた。 | |
千葉地裁松戸支部 小池洋吉裁判長(木村烈裁判長が代読) | |
死刑 | |
2004年9月27日 無期懲役 | |
白浜肇被告は初公判で起訴事実を全面的に認めた。 しかし、弁護側は「放火時、家に人がいたかどうか本人は確認していない」と述べ、過失致死の可能性もあると主張。これに対し検察側は、冒頭陳述で「白浜被告は女性宅について、誰がいつどの部屋で寝るかも熟知していた」と明確な殺意があったと指摘した。 その後の被告人質問で白浜被告は「2階の人のことは頭になかった」と殺意を否認、過失致死を主張していた。 小池洋吉裁判長(木村烈裁判長が代読)は「3人が2階にいることは想像できた」と未必の故意を認定したが「衝動的で計画性はなく、殺害が目的ではなかった」として、無期懲役を言い渡した。 | |
検察側は控訴した。2005年8月2日、検察側控訴棄却。上告せず、確定。 |
S・H(31) | |
2003年4月10日 | |
0名 | |
強姦、強姦致傷、わいせつ目的略取、逮捕監禁他 | |
大阪府松原市に住む柏羽藤環境事業組合職員S・H被告(2003年5月に懲戒免職)は、1999年1月から2002年12月にかけ、11~17歳の女性合計18人に対し、帰宅途中の少女らをナイフなどを突き付け、「声を出すな。殺すぞ」と脅迫。人気のない場所に監禁、乱暴、ビデオで撮影するなどし、4人に約2週間~5日のけがを負わせた。被害者のうち1人は2度襲っており、また、多くの少女が1人で夜間の外出ができなくなるなど、心理的な後遺症を負わせた。 | |
大阪地裁堺支部 細井正弘裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月27日 無期懲役 | |
動機について細井裁判長は「専門学校在学中から制服姿の女性に性的関心を抱き、結婚後も性的欲望を抑えることができなかった」と述べた。判決理由では「犯行をビデオカメラで撮影、鑑賞して楽しんでおり、非道、冷酷さに慄然とせざるを得ない」と指摘。「起訴された事件を含め、5年間に約30件の犯行を自供するなど極めて悪質」「被害者の精神的、肉体的苦痛の大きさは察するに余りあり、回復は極めて困難。性犯罪としてまれに見る凶悪、重大な事件だ」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年3月12日、一審破棄、懲役20年判決。上告せず確定か。 |
篠原朋和(27) | |
2003年6月8日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
無職篠原朋和被告は2002年11月頃、携帯電話の出会い系サイトで知り合った派遣会社社員の女性(当時26)と交際していたが、篠原被告が会社を経営しているなどといった嘘が発覚したことから口論になり、2003年6月2日午後9時15ごろ、柏市内の駐車場に止めた車内で、女性の首を絞めて殺害。現金3,000円を奪うとともに女性が持っていた消費者金融のカードを使って現金約9万円を引き出した。また翌日、野田市の利根川河川敷の草むらに死体を棄てた。 他に、5月12日、女性のキャッシュカードを盗み、銀行で約45万円を引き出した。 | |
千葉地裁松戸支部 小池洋吉裁判長(代読・木村烈裁判長) | |
無期懲役 | |
2004年9月27日 無期懲役 | |
篠原朋和被告は捜査段階で強盗殺人を認めたが、初公判で「金欲しさに殺したのではない」と翻し、弁護側も殺人と窃盗の罪を主張している。 検察側は論告で、篠原被告は女性を殺害直後、元妻に「お金が欲しくてやってしまった」と告白したと指摘、「被害者を殺害した直後に現金を引き出すなど、強盗殺人の意志は明らか」だとした。弁護側は女性からの別れ話で、衝動的に殺害したと最終弁論を行った。 小池裁判長は判決で、篠原被告が殺害直後に現金を引き出していることなどから、「金品を奪う目的があった」として、同罪を認定した。 | |
松浦道伸(49) | |
1999年11月15日 | |
1名 | |
殺人、殺人未遂 | |
元暴力団幹部で、札幌の中古販売店オーナー松浦道伸被告は、仕事上で付き合いのあった木古内町にあるスナック経営者の男性の保険金殺人を計画。企業保険や生命保険など約9,000万円を掛けた上、元従業員の男性ら2名(殺人未遂で有罪確定)に殺害を指示した。2人は1998年10月18日深夜、千歳市内の路上で男性をトラックではねたが、未遂に終わった。 さらに松浦被告は、別の従業員である暴力団組員3人に謝礼金を支払う条件で殺害を指示した。3人は1998年11月15日、木古内町の山林で止めた乗用車内で、経営者の首を絞めて殺害した。 | |
札幌高裁 長島孝太郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月28日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
保険金、謝礼金とも支払われていないため、松浦道伸被告は容疑を否認した。 長島裁判長は「原判決に事実誤認はない。保険金目当ての利欲的な犯行を計画し、一度の失敗で断念することなく、目的を達しようとしており、悪質、冷酷で執よう。無期懲役とした判決は不当ではない」とし、弁護側の「被告は実行犯に殺害の指示をしたことはない」などとする無罪主張を退けた。 | |
2002年10月21日、札幌地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年6月20日、被告側上告棄却、確定。 |
保田克博(34) | |
2003年1月29日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗他 | |
無職保田克博被告は2002年10月10日、顔見知りとなった大阪市に住む独居女性(当時87)を足の治療によい病院がある」などといって車で松原市内へ連れ出し、女性のキャッシュカードを奪ったうえ、女性を自動車のトランクに閉じ込めたまま放置した。女性は脱水症などで死亡した。その後、カードを使って女性の口座から現金計約580万円を引き出した。 | |
最高裁第一小法廷 甲斐中辰夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年9月27日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2003年11月27日、大阪地裁堺支部で求刑通り一審無期懲役判決。2004年6月3日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
伊藤弘幸(41) | |
2003年4月17日(覚せい剤取締法違反の罪で起訴済) | |
1名 | |
殺人、殺人未遂他 | |
神奈川県松田町の無職伊藤弘幸被告は、職に就けないことなどのうっぷんを晴らすため、2003年3月29日夜、同町の町道で軽乗用車を運転し、歩いていた男性(当時58)の左腰を運転席から包丁で刺して殺害。さらに同日と21日、車から歩行者を刺したり、はねたりして3人にけがを負わせた。 | |
東京高裁 原田国男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月6日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
伊藤被告は「無期懲役は軽すぎる。死刑にしてほしい」と控訴していたが、同裁判長は「不利益変更に当たる不適法な控訴理由で、認められない」と述べた。 | |
2004年2月27日、横浜地裁小田原支部で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年3月1日、被告側上告棄却、確定。 |
元暴力団組員(32 事件当時19) | |
1992年9月 | |
2名 | |
強盗殺人、死体遺棄他 | |
元組員は元暴力団組長(一・二審死刑、上告中死亡)、元組員(求刑死刑に対し、無期懲役判決が確定)、元組員(懲役13年が確定)と共謀。1991年7月29日未明、神戸市北区の不動産会社社長(当時75)方に押し入り、拳銃で脅して約20万円を奪ったうえ、社長と長女(当時42)を兵庫県姫路市内の暴力団事務所に連れ込み、首を絞めて殺害。犯行を隠すために遺体を焼却炉で焼いた。 | |
最高裁第三小法廷 上田豊三裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月6日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
量刑不当を主張。 | |
1999年1月27日、神戸地裁姫路支部で求刑通り一審無期懲役判決。事件解決の端緒になったとされる銃刀法※違反事件については4被告とも無罪となったため、検察側が控訴。被告側も量刑不当を理由に控訴していた。 2001年9月27日、大阪高裁にて検察・被告側の控訴棄却。裁判長は、事件に使われた拳銃を提出させるため、兵庫県警が虚偽の調書を作成するなど違法な捜査をしたとして、「警察官の措置は令状主義の精神を没却するもの」と厳しく批判した。 |
猪瀬武夫(62) | |
2003年9月25日 | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反 | |
宇都宮市の暴力団幹部猪瀬武夫被告は、元暴力団組長(当時55)の殺害を計画。生活の面倒を見ていたR被告(求刑無期懲役に対し、一審懲役20年判決)に命じ、2003年7月10日午前2時半頃、宇都宮市内のホテルで元組長を拳銃で射殺させた。 | |
宇都宮地裁 飯渕進裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月7日 無期懲役 | |
猪瀬武夫被告は容疑を否認した。検察側は「懸賞金目当てに自分の意のままに従う部下に命じて殺人を実行させ、利欲的かつ悪質」と指弾した。 飯渕進裁判長は判決理由について「動機は個人的えん恨か暴力団抗争の延長かは判然としない」としたが、「被告に恩を感じる知人につけこんで殺害を実行させるなど、犯行の首謀者だった」「犯行を統括、推進しておきながら、責任を転嫁するなど反省する態度に欠けている」などとして、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
被告側は控訴した。2005年3月、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年6月17日、被告側上告棄却、確定。 |
村山重文(24) | |
2003年9月18日 | |
0名 | |
強盗殺人未遂、強制わいせつ、窃盗他 | |
会社員村山重文被告は、2002年7月から2003年8月にかけ、自宅近くの大阪市阿倍野区や東住吉区のマンション周辺などで、電気コードを使って首を絞め失神させるなどの方法で10~60代の女性20人を襲い、現金約62万円を奪った。また別の女性11人に対してひったくりを働き、現金約35万円を窃取した。 | |
大阪地裁 朝山芳史裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月7日 無期懲役 | |
検察側は論告で「被害者が失神した後も執拗に首を絞め続けており、少なくとも未必の故意はあった」と指摘。「事件の影響は甚大で、反社会的性格を有する被告の更生は極めて困難だ」と述べた。 弁護側は最終弁論であらためて「殺意はなかった」と主張し結審した。 朝山芳史裁判長は「失神するまで強く首を絞めている。(殺害しても構わないという)未必の故意はあった」として弁護側の主張を退け、「抵抗力が弱い女性ばかりを狙った危険で残忍な犯行で、周辺住民に大きな恐怖を与えた」と判決理由を述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
丸定一(39) | |
2002年1月18日 | |
0名 | |
強盗強姦、強盗、強姦、住居侵入 | |
債権回収業丸定一(まるさだかず)被告は仲間2人(懲役15年、懲役9年が確定)と共謀し、2001年6~12月、中央区や港区などのマンションに住むクラブのホステスら計7人の自宅に侵入。帰宅したホステスらの手足を縛って現金を脅し取ったり、奪ったキャッシュカードで現金自動預け払い機から現金を引き出したりした。丸被告らは現金約1,600万円と貴金属(計約6,000万円相当)を奪い、そのうち4人の女性を強姦した。 バカラとばくなどのギャンブルで、丸被告は約2,000万円の借金があった。 | |
最高裁第一小法廷 島田仁郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月12日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2003年3月3日、東京地裁で懲役20年の判決。判決は丸被告に無期懲役を選択しない理由を「被害者の生命に危険があるとまでは言えない」とした。検察側が控訴。2003年中、東京高裁にて一審破棄、無期懲役判決。 |
足立文雄(35) | |
2002年10月26日 | |
0名 | |
営利及びわいせつ略取、監禁、強盗強姦、強盗、強姦未遂、覚せい剤取締法違反 | |
無職足立文雄被告とS被告(一審懲役18年判決が確定)は、2002年10月7日、埼玉県吹上町のアパートに押し入り、家にいた女性(当時21)に対し強盗と乱暴をはたらいた。 10月12日未明、群馬県伊勢崎市内でひとり暮らしをしていた女性(当時21)宅に押し入り、女性をナイフで脅した後、抵抗を防ぐために覚せい剤を注射。その後乱暴して現金を奪った。 10月22日午後、栃木県佐野市のスーパー駐車場で、妊娠中の女性(当時21)の腹部に包丁を突き付けて脅し、車で約2時間連れ回した。その間、女性が抵抗できないよう覚せい剤を注射して暴行したうえ、女性のキャッシュカードを奪って現金を引き出した。 10月25日午後6時ごろ、埼玉県上里町の大規模小売店駐車場で、買い物を終え自分の車へ戻ろうとした女性(当時29)をナイフで脅し、車内で現金13万円を奪った。 両被告は26日午前4時ごろ、伊勢崎市のアパートで1人暮らしの女性方のチャイムを鳴らしたが、不審に思った女性が警察に通報、15分ほど後に駆けつけた同署員が、近くの路上にいた両被告を発見した。 「出産費用を持っている」などの動機から若い妊婦を狙って事件を重ねたという。現金や物品を合わせて被害額は約155万円に上る。 足立被告は2003年1月末から2月初めにかけて、拘置中の群馬県警伊勢崎署の留置場内で、銃刀法※違反容疑で逮捕された男が持ち込んだ覚せい剤粉末約0.55グラムを譲り受けて使用したり、他の留置人に譲ったりした。 | |
東京高裁 中川武隆裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月13日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
中川武隆裁判長は、弁護側の「量刑が重すぎる」との主張を退け「異常とも言えるほど悪質な犯行で、法律上許される最高刑に処した一審判決は誠に相当」と判決理由を述べた。 | |
2003年5月6日には、公判開始20分前に前橋地裁内のトイレに入り、置かれていた液体洗浄剤を飲んで公判延期事件を引き起こしている。 2004年2月24日、前橋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
金浜宣義(36)/菅原隆一(37) | |
金浜被告:2000年8月11日(別の窃盗事件で7月31日に逮捕済) 菅原被告:2000年8月20日 | |
1名 | |
強盗致死他 | |
無職金浜宣義被告と無職菅原隆一被告は2000年6月25日午前10時35分頃、林慎一元被告(無期懲役が確定)と共謀し、富士市川成島の市道を歩いていた会社員の女性(当時57)に乗用車で接近。金浜被告が窓から手を伸ばして現金約40万円が入った手提げバッグ(時価約68,000円)を奪った。女性は数メートル引きずられた後に転倒し、乗用車にひかれて死亡した。林元被告が運転席、金浜被告が助手席、菅原被告は後部席にいた。また事件後、バッグに入っていたクレジットカードを使い、現金約30万円を引き出した。 3被告は覚せい剤の取引を通じて知り合い、1995年ごろから神奈川県内で自販機窃盗を行っていた。その後、盗んだ車を使って毎日のように静岡など4県に出向き、ひったくりなどを繰り返した。余罪は計約900件。被害額は計1億2,600万円に上る。2001年6月には神奈川県内で観光バス(被害額約2,000万円)を盗んで売却もしていた。3被告は約1,800件分を認めているらしい。 | |
最高裁第三小法廷 藤田宙靖裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2002年4月11日、静岡地裁沼津支部で3被告に対し求刑通り無期懲役判決。判決理由で増山宏裁判長は「浅薄な犯行で酌量の余地はない。死亡したのは意図したものでないにせよ、起こるべくして起こった」と述べた。 2003年1月20日、東京高裁(中川武隆裁判長)は3被告の控訴を棄却。林被告は上告せず確定、2被告が上告していた。 |
篠原秀樹(34) | |
2001年5月16日(岐阜県各務原市の暴走族グループらによる乱闘死傷事件で逮捕 強殺容疑で8月13日に再逮捕) | |
1名 | |
強盗致死、強盗殺人未遂、加重逃走他計17罪 | |
無職篠原秀樹被告は葛谷秀夫元被告(一審無期懲役が確定か?)、IY元被告(一審懲役13年判決)、K被告(公判中)、IT被告(公判中 後に一審懲役14年判決)と共謀し、2000年9月1日、熊本県西合志町の男性方に強盗目的で押し入り、改造エアガンを男性(当時82)と妻(当時73)に発射して妻を死亡させ、男性の頭に大けがを負わせた。その後、屋内を物色したが現金は発見できなかった。IT被告が主犯、篠原被告と葛谷元被告が実行犯、IY元被告とK被告が案内、仲介役と目されている。元々は近くにある金融業者の家を狙っていたのだが、家を間違えて押し入っていた。 篠原被告は同月29日に、福岡県八女市の質店に押し入って約200万円を奪い、逃げようとした女性にけがをさせた。 篠原被告はその他、2000年12月の岐阜県各務原市の暴走族グループらによる乱闘死傷事件、岐阜県不破郡関ヶ原町でのロシア人傷害事件などに係わり、大垣署や滋賀県警からも窃盗容疑で指名手配されていた。 2001年9月11日には、熊本京町拘置支所5階にある運動場から飛び降りて逃げたが、手足を骨折し、熊本市内の病院の敷地内で確保された。 | |
最高裁第一小法廷 横尾和子裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
一審で篠原被告は強盗の実行は認めた上で、エアガンを撃ったのは葛谷元被告であると否認。 | |
2002年12月12日、熊本地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2003年12月、福岡高裁にて被告側控訴棄却。 |
西村成一(56) | |
2003年1月27日 | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄 | |
元警備員西村成一被告と元コンビニエンス店長(一審無期懲役判決が確定)は、大阪府寝屋川市にあるスナックの常連客だったが、スナックの女性経営者(当時62)からそれぞれ117万円、3,310万円の借金があった。2被告は借金を免れようと、2002年10月18日夜、女性経営者を焼き肉に誘いだし、車内で首を絞めて殺害。翌日、寝屋川市の貸しガレージで遺体をドラム缶に入れ、コンクリート詰めにして遺棄した。2人は11月11日、事情聴取直後に逃走、22日に指名手配された。 | |
最高裁第一小法廷 甲斐中辰夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月20日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
2003年9月26日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年5月18日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 |
和川宏(65) | |
2001年5月26日 | |
1名 | |
殺人 | |
2001年5月24日、大工和川宏被告は4月から交際していた仙台市青葉区の女性(当時55)のマンションを訪れ、一緒に酒を飲んでいるうちに口論となり、盆を女性の首に押しつけ窒息死させた。 | |
仙台高裁 田中亮一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月28日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
控訴審で和川被告は一審同様「酒に酔っており、当時の記憶がない」と無罪を主張したが、田中裁判長は「被害者のマンションで被告を見たという目撃証言があり、被害者宅からは被告と同型の血液が見つかっている。犯人性を疑う余地はない」と指摘。「仮に深酔い状態だったとしても長時間完全に記憶がないとする供述は信用できない」と被告の主張を退けた。 | |
和川被告は1965年に白石市で起きた殺人、強盗事件で無期懲役の判決が確定、1991年8月から仮出所中だった。 2004年2月25日、一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年4月19日、被告側上告棄却、確定。 |
川本大作(24) | |
2004年4月27日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
漫画喫茶アルバイト店員川本大作被告は2004年3月6日午後9時半頃、大阪市の同じ市営住宅に住み、パチンコ店で顔見知りになった、一人暮らしの女性(当時77)方で、女性の頭をセメントブロックで殴った上、首を絞めて殺害し、現金15万円を奪った。川本被告は約200万円の借金があり、奪った金は返済に充てていた。 | |
大阪地裁 並木正男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月29日 無期懲役 | |
初公判で川本大作被告は起訴事実を認めた。 並木正男裁判長は、「生命に対する配慮のかけらもなく、冷酷さは慄然とせざるを得ない」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
黒根一広(39) | |
2003年4月17日(別の詐欺事件で逮捕済) | |
1名 | |
殺人、死体遺棄、銃刀法※違反他 | |
飲食店経営黒根一広被告は、埼玉県春日部市の飲食店経営T被告(56 一審懲役3年6月判決、控訴中)と共謀して、鹿沼市に住む職業不詳の男性(当時39)を殺害し、T被告が質権を設定していた生命保険金計7千500万円を受け取ることを計画。2002年12月2日午後2時20分ごろ、小山市にある大学の元女子寮で、男性の胸などに拳銃の弾5発を発射して殺害、無職男性(一審懲役1年6月、執行猶予3年が確定)とともに遺体を乗用車のトランクに押し込み、上三川町のパチンコ店駐車場に車ごと放置した。 男性と黒根被告は、T被告が1985年に春日部市に開いた飲食店の客同士だった。 T被告は男性に約2,560万円を貸していたが、返済されないため、1993年9月、死亡時7,500万円が支払われる生命保険に加入させ、保険金を優先的に受け取る質権を設定。黒根被告は男性に対し金のトラブルなどから恨みを募らせていたほか、2002年3月、T被告が日ごろから男性が殺されて多額の保険金が手に入るのを望んでいることを知り、殺害を計画した。両被告は2002年1月上旬、T被告が黒根被告に1,200万円の報酬を支払う条件で殺害を共謀した。 質権は事件後に解除され、保険金は男性の遺族に支払われた。 (以後の事件は今回の審理で裁かれたかどうかは不明) 黒根被告は暴力団幹部や経営者ら5人と共謀し、2002年3月23日、小山市東城南の路上で、わざとI被告の乗用車を黒根被告ら4人が乗る乗用車に追突させ、けがをしたように装って損害保険会社から保険金計約600万円をだまし取った。2003年3月1日、詐欺の罪で起訴された。 黒根被告は保険金を詐取しようと飲食店店員と共謀し、2003年1月4日午後6時半ごろ、小山市の黒根被告が所有する住宅の1階寝室で、新聞紙にたばこの火を付け、木造2階建て約100平方メートルのうち1階の和室など約48平方メートルを焼いた。2003年5月14日、非現住建造物放火の疑いで再逮捕された。 | |
東京高裁 植村立郎裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年10月29日 無期懲役(一審破棄) | |
黒根一広被告は初公判で罪状を全面的に認めていた。 一審宇都宮地裁で飯渕進裁判長は「計画的で冷酷かつ非情だが、(借金を返さなかった)被害者にも落ち度があり、典型的な保険金殺人とは様相が異なる」として、懲役20年(求刑・無期懲役)を言い渡していた。 植村立郎裁判長は「人命を軽視する性癖は有期刑で矯正する見込みがない」などとして懲役20年の一審宇都宮地裁判決を破棄、一審の求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
2004年3月9日、宇都宮地裁で一審懲役20年判決。検察側が控訴していた。 T被告は殺人罪で懲役15年を求刑されたが、宇都宮地裁はT被告を共謀共同正犯とした検察側の主張を退け殺人罪のほう助を適用、懲役3年6月を言い渡した。弁護側は無罪を主張して控訴、検察側も控訴している。 被告側は上告した。2005年4月18日、被告側上告棄却、確定。 |
本橋文男(53) | |
2002年12月4日 | |
1名 | |
殺人、人質による強要行為等の処罰に関する法律違反他 | |
本橋文男被告は、元請け会社によって、経営していた型枠解体業が廃業に追い込まれたと勝手に思いこみ、2002年12月3日午後0時半頃、この元請け会社の現場責任者だった男性(当時35)を三島市内の林道で射殺。その後、元請け会社と懇意にしていた建設会社に押し入り、社長や建設会社社員ら4人を人質に立てこもった。社長と家族2人は途中で脱出、本橋被告は約32時間半にわたって立てこもった後、翌日午後10時過ぎに投降した。 | |
最高裁第二小法廷 滝井繁男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月1日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
2003年10月23日、静岡地裁沼津支部で求刑通り一審無期懲役判決。2004年4月12日、東京高裁で被告側控訴棄却。 男性の遺族は本橋被告に損害賠償を請求。静岡地裁沼津支部は2004年5月24日、約9070万円の支払いを命じる判決を言い渡した。本橋被告は訴訟で支払い意思はみせたが「支払い能力がない」として、賠償額の減免を求めていたが認められなかった。遺族側弁護士は「裁判を起こした目的である『自分がしたことの重大さを認識し罪を償って欲しい』という遺族の思いを本橋被告に分かって欲しい」と話した。 |
丸山浩司(31) | |
2004年4月23日(事件3時間後に自首) | |
1名 | |
強盗殺人 | |
ガラス工丸山浩司被告は2004年4月23日午前10時半ごろ、仙台市のガラス建具店経営者(当時53)の自宅で、経営者の首などを持っていた業務用のカッターナイフで突き刺すなどして殺害。現金約18万8千円などが入った財布を奪うとともに、経営者から借りていた43万円の債務を免れた。丸山被告は不定期で経営者から仕事を請け負っていたが、43万円の借金のために給与を止められていて、支払いを催促し口論になったうえでの殺害であった。 | |
仙台地裁 本間栄一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月1日 無期懲役 | |
丸山浩司被告は、「金品を奪う意思はなかった」として殺人罪の適用を主張していた。 本間裁判長は、丸山被告が男性の首を狙って、カッターナイフで多数の傷を負わせていたことから、殺意を認定。「被告は公判で責任回避的な弁解を重ね、真摯に反省しているとは認められない」とし、自首による酌量も認めなかった。 | |
青木恵子(40) | |
1995年9月10日 | |
1名 | |
殺人、現住建造物等放火、詐欺未遂 | |
青木恵子被告は内縁の夫である朴龍晧(ぼく・たつひろ)被告(38)(一審無期懲役判決、控訴中)と共謀。借金返済などのため長女(当時11)を殺して死亡保険金を詐取しようと計画。朴被告は1995年7月22日夕、大阪市東住吉区にある自宅車庫内の車の下に、車のタンクから抜いたガソリンをまき、ライターで火をつけて自宅を全焼させ、入浴中の長女を殺害し、保険金1,500万円を請求した。 | |
大阪高裁 白井万久裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月2日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
青木被告は、逮捕直後に容疑を認めたが、一審の公判からは全面否認。控訴審でも「捜査段階での自白は警察官の暴行、脅迫による誘導」などと主張したが、白井裁判長は「捜査段階で、証拠能力に影響を及ぼす暴行や脅迫はなかった」と調書の信用性を認めた。また「出火原因は車庫の車から自然発火した可能性が高い」との弁護側の主張も退けた。 弁護側があげている疑問点は以下。 ・火をつけたとされるライター、ガソリンを抜いたとされるポンプ等が見つかっていない。 ・火をつけたという目撃者が発見されていない。 ・犯行の決め手となる物的証拠は見つかっていない。 ・まいたとされるガソリンの量、共謀の回数・時期など、自白の重要部分について不合理な変遷が多々見られる。 ・科学捜査研究所の行なった火災の再現実験より、自然発火の可能性がある。 ・必要としていた金額は200万円程度であり、犯行動機としてはあまりにも不自然。 | |
1999年5月18日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 「東住吉冤罪事件」を支援する会が作成した東住吉冤罪事件のホームページがある。 被告側は上告した。2006年12月11日、被告側上告棄却、確定。 再審決定。2016年8月10日、大阪地裁で一審無罪判決。大阪地検は同日、上訴権を放棄し、無罪は即日確定。 |
田中勇人(26) | |
2002年12月30日 | |
2名 | |
住居侵入、強盗殺人、建造物侵入 | |
無職田中被告はパチスロなどで金を使い込んで消費者金融に約150万円の借金があった。2002年11月13日午後10時頃、京都府大宮町の農業を営む男性(当時81)宅に侵入。今で男性を、寝室で男性の妻(当時80)を、タオルを巻いた金属バットで殴って殺害。レターケース内から現金約12万7,000円を奪った。田中被告は男性方前の道路工事現場で作業員として働いた経験があり、「老夫婦2人暮らしと知り、狙った」などと供述。奪った金はパチンコに使ったという。 | |
大阪高裁 島敏男裁判長 | |
死刑 | |
2004年11月5日 無期懲役(検察側控訴棄却) | |
検察側は一審で死刑を求刑し、控訴審でも「当初から確たる殺意を抱いて計画的に犯行に及んでおり、一審判決は軽すぎる」と主張。しかし、島敏男裁判長は「姿を見られれば殺害もやむを得ないと考えていたが、当初確定的な殺意はなく相当ためらった。残忍で冷酷非道な犯行で極刑も考えられるが、綿密な計画性はなかった」と述べた。 | |
2004年1月19日、京都地裁舞鶴支部で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。上告せず、確定。 |
大谷正三(47) | |
2003年11月16日(殺人容疑) | |
1名 | |
殺人、詐欺未遂 | |
栃木県足利市に住む無職中島長美被告(公判中)は、土地取引を通じて足利市に住む元郵便局員の男性(当時40)に近づき、障害者施設の建設費などのため保険金殺人を計画。男性に、4月に7,500万円の、一時帰国した5月29日に1億円の海外旅行傷害保険に加入させた。2つとも、第三者に殺害された場合は倍額が支払われる契約だった。掛け金は中島被告が支払った。 中島被告は当時フィリピンにいた埼玉県吉川市の廃品回収業大谷正三被告と共謀。大谷被告は店長だったミンダナオ島ダバオのカラオケパブの店員だったフィリピン人男性に殺害を依頼した。フィリピン人男性は同年6月1日午前3時ごろ、マニラに渡航した男性を刺殺。大谷被告は中島被告から報酬として140万円を受け取り、大谷被告は約20万円をフィリピン人男性に手渡した。中島被告らは同8月に第三者による殺害を装い、保険金をだまし取ろうとした。契約の不備を理由とし、保険金は支払われていない。 | |
宇都宮地裁 飯渕進裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月9日 無期懲役 | |
大谷被告、中島被告とも犯行は認めたが、大谷被告は法人を設立のため1億円の資金を得るため、男性を殺害して保険金をだまし取る計画を持ちかけられ、さらに殺害方法についても指示を受けたと供述。分離公判がすすめられている中島被告は、大谷被告が主導的立場だったと争っている。 論告で検察側は「保険金目的という極めて利欲的な動機に酌量の余地はない」と指摘した。大谷被告の弁護側は「中島被告から殺害方法を指示されるなど、従属的な立場で利用された」と述べ、寛大な判決を求めた。 飯渕進裁判長は判決理由の中で、中島被告は「日本での司令塔役」、大谷被告を「現地での実行責任者」と位置づけ、共犯とされる中島長美被告との関係を「指示を受ける従属的な立場だった」とする弁護側の主張を退けた。 | |
中島被告は2002年6月、別の保険金横領容疑で逮捕。有罪判決を受け栃木刑務所で服役、仮出所したばかりだった。 2004年10月26日に判決言い渡しが予定されていたが、裁判長は職権で審理を再開。検察側の起訴状の内容について、殺害の実行役だったフィリピン人の男に「共謀共同正犯罪」を適用するか求釈明した。検察側は「事実上は共謀共同正犯罪が成立すると考えるが、当時の刑法では、海外の人物を訴追することはできず、フィリピン人の男に適用するのは難しい」と述べ、結審した。 被告側は控訴した。控訴取下げ、確定。 |
深沢真智子(41) | |
2003年12月3日 | |
1名 | |
殺人、殺人未遂、詐欺 | |
元保険外交員深沢真智子被告は、妹(当時33)が2人の子供を被告宅に預け、消費者金融から借金を重ねて母の自宅が差し押さえられたことなどから、「妹が死ねば楽になる」と考えた。母被告(一審懲役18年が確定)や交際していた自動車販売業田中秀幸被告(殺人罪等で起訴)たちと共謀。1999年8月6日夜、妹の首を絞めて失神させ、自宅前の路上に寝かせ乗用車でひいて殺害、保険会社から約5,800万円をだまし取った。保険金は田中被告や殺人の実行犯たちが受け取っており、深沢被告や母は受け取っていない。 1998年8月と10月にも、交通事故を装って妹を殺害しよう重軽傷を負わせた。1999年3月、当時の夫(41)を車ではねて重傷を負わせ、保険金約1,250万円をだまし取った。 | |
さいたま地裁 若原正樹裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月10日 無期懲役 | |
弁護側は最終弁論で真智子被告は直接の殺害行為に関与せず一連の事件は「田中被告の発案だった」として情状酌量を求めた。真智子被告は求刑後「たくさんの方に迷惑をかけたことを反省しています」と泣きながら話した。 若原裁判長が「妹の生命、夫のけがと引き換えにだまし取った保険金を共犯者と分け合い、遊興費などに使って四年以上も何食わぬ顔で過ごした」と厳しく指摘すると、真智子被告は顔を伏せた。 判決は「報酬を約束して共犯者に殺害を依頼した責任は厳しく問われるべきだ」と情状酌量を退けた。 | |
被告側は控訴した。2005年8月17日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
小堀和也(31)/佐藤治(31) | |
2004年2月11日(窃盗容疑で逮捕、起訴済) | |
1名 | |
強盗致死、強盗傷害他 | |
千葉市内の元暴力団員小堀和也被告と暴力団員佐藤治被告は、生活費や遊行費欲しさから2003年11月20日午前2時20分頃、同市中央区の市道を歩いていた塗装作業員(当時43)を車ではねて死亡させた上、奪ったバッグ内にあったクレジットカードで現金10万円を引き出した。またバッグを約2万円で質入れした。車は佐藤被告が運転していた。 また、前日にも同区内で、別の男性(当時48)からバッグなどを奪おうとして車ではね、約1週間のけがを負わせた。 | |
千葉地裁 加登屋健治裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月11日 無期懲役 | |
両被告は起訴事実を全面的に認めた。検察側は「無関係な通行人を標的とした無差別的な犯行」と指弾した。 加登屋裁判長は前日の事件でバッグが奪えなかったことから、作業員の事件では車のスピードを上げ、背後から約40キロではねたと認定し「人命軽視の態度がうかがえる計画的かつ非常な犯行だ」と述べた。 | |
R(22 犯行当時19) | |
2001年6月29日 | |
1名 | |
強盗致死他 | |
2001年4月28日、専門学校生安峰被告、専門学校生A被告(中国国籍 事件当時少年 一審懲役15年、検察側控訴)、元暴力団員伊藤昭被告、専門学校生R被告(中国国籍 犯行当時未成年だったことが判明したため公訴棄却、再起訴)は、山形県羽黒町の鶴岡市職員宅の倉から古美術品等を奪おうと侵入。玄関で職員の妻(当時51)の手足を粘着テープで縛り、左胸を包丁で刺して失血死させた。さらに、高校2年生の長女にも切り付け、腰に軽傷を負わせた。事件の計画、長女への傷害は伊藤被告、殺害は安峰被告であると起訴された。本事件では他に、運転手および運転手を手配した男がいずれも強盗致死、強盗致死ほう助罪などで起訴されている。 伊藤被告が犯行を計画したのは、別の事件で指名手配され逃走資金を得ようという理由だった。伊藤被告は知り合いの暴力団組長を通じ、日本人の運転手グループ、安被告らの中国人実行犯グループを探してもらう。O被告らは「アルバイト感覚で報酬目当てに」中国人犯罪者の送迎を常習的に続けていた。 安峰被告と専門学校生は2001年3月26日に台東区で強盗傷害事件を引き起こし、2001年11月9日に再逮捕されている。 | |
仙台高裁 田中亮一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月11日 無期懲役(「160日」とした未決拘置日数の過小を理由に一審の山形地裁判決を破棄し、「700日」としたうえで無期懲役判決) | |
田中裁判長は「(犯行は)白昼に田園地帯の平穏な家庭を襲い、極めて凶悪、非道極まりない。遺族への衝撃や悲しみは甚大で、社会にも大きな衝撃と不安を与えた」と断じ、「原判決の刑が重過ぎるとは言えない」と無期懲役の理由を述べた。 元専門学校生は、一審の山形地裁の公判途中で犯行当時未成年だったと認定され、公訴棄却後、あらためて起訴された。最初の起訴から公訴棄却までの拘置は760日で、再び起訴されてから判決を受けるまでの拘置日数は161日。仙台高裁は760日についても刑法などの観点から算入を考慮すべきとした。 | |
山形地検は当初、パスポートなどから成人として起訴。公判中に被告側が「留学のため生年月日を偽った」と主張し、山形地裁は2003年8月、中国政府発行の証明書などから犯行時、起訴時とも19歳と認め、少年法の手続きを踏まなかったとして公訴棄却を言い渡し、検察側が改めて起訴していた。 A被告は2003年6月2日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑無期懲役に対し一審懲役15年判決。2004年2月27日、仙台高裁で検察・被告側控訴棄却。上告せず確定。 安峰被告は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。控訴せず確定。 伊藤昭被告は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑通り一審無期懲役判決。2004年3月2日、仙台高裁で被告側控訴棄却。上告せず、確定。 運転手の手配をしたO被告(35)は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑懲役7年に対し、一審懲役5年判決。 運転手のO被告(24)は2003年8月18日、山形地裁(木下徹信裁判長)で求刑懲役7年に対し、一審懲役4年6月判決。 2004年1月26日、山形地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年8月30日、被告側上告棄却、確定。 |
江村知恵子(31)/江村滋映(36) | |
2002年8月5日 | |
1名 | |
強盗殺人、住居侵入、死体遺棄、窃盗 | |
無職江村知恵子被告と夫の無職滋映被告は、消費者金融などからの借金返済のために、2002年6月24日深夜、智恵子被告が以前交際していた、千葉県松戸市のマンションに住む文具メーカー社員の男性(当時50)宅に侵入して待ち伏せ。帰宅した男性の頭や顔を大理石の灰皿で殴り殺害。遺体を車で大栄町の山林に捨て、男性のキャッシュカードを使って131万円を引き出した。また、殺害前の1999年から合鍵で男性宅への侵入を繰り返し、盗んだキャッシュカードで現金257万円を引き出すなどした。引き出した現金は生活費や遊興費、消費者金融への返済、高圧電流銃購入に使った。 | |
東京高裁 原田国男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月15日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
弁護側は「強盗目的はなかった」と主張したが、原田裁判長は「殺害後に被害者の口座から金を引き出しており、強盗目的と認められる。知恵子被告が犯行を主導、滋映被告は全実行行為に加わっており、責任は極めて重い」と退けた。 | |
2004年4月12日、千葉地裁松戸支部で求刑通り一審無期懲役判決。滋映被告は控訴せず確定。知恵子被告は上告した。2005年4月11日、被告側上告棄却、確定。 |
荘司公彦(24) | |
2002年8月8日 | |
1名 | |
強盗殺人、殺人未遂他 | |
川上智弘被告(無期懲役が確定)は会社役員(当時28)から借金10万円の返済を求められた仲間のK被告(22 強盗殺人罪などで懲役15年の判決、検察側が控訴)から相談を受け、知人の荘司公彦被告や少年4人らと共謀。2002年7月14日夜、名古屋市北区内の駐車場で会社役員とその知人を襲って包丁で刺すなどし、15日未明に会社役員を車で連れ出して犬山市内の雑木林でゴルフクラブでめった打ちにするなどの暴行を加え、生き埋めにして殺害した。その間、財布やアパートから現金約24万円を奪った。 | |
名古屋地裁 片山俊雄裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月16日 無期懲役 | |
片山俊雄裁判長は「執ような暴行のうえ、生き埋めにされて殺された被害者の絶望感、恐怖は計り知れない」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。 | |
控訴せず確定。 |
下田宗仙(33) | |
2003年3月30日(3月16日の事件について) | |
0名 | |
わいせつ略取、強盗強姦、強盗強姦未遂、窃盗、道路運送車両法違反、強姦未遂、強姦、わいせつ略取誘拐 | |
愛知県江南市の建設作業員下田宗仙(むねのり)被告は、以下の事件を起こした。 2002年8月22日、木曽川町内のショッピングセンター駐車場で乳児を連れた女性の車に押し入り、カッターナイフで脅して女性の腕を粘着テープで縛り、約2時間連れ回し現金2,000円を奪った。 2003年3月16日午前零時ごろ、愛知県県岩倉市の路上で信号待ちしていた女性店員(当時25)の軽自動車にわざと追突。車から降りた女性に示談を装って近づくと、いきなり羽交い締めにして車に乗せ、粘着テープで縛り移動し、車内で現金約15,000円を奪った。 上記を含め、2002年8月から2003年3月までの間に、一宮市や江南市などで当時18歳から32歳の女性計8人に対し、相手の車に無理やり乗り込みカッターナイフを突き付けるなどして、現金やキャッシュカードを奪い乱暴するなどした。 また、下田被告が事件発覚を免れるため、犯行に使用した車に、盗んだナンバープレートを装着していた点を重視し、道路運送車両法違反の罪でも起訴している。 | |
名古屋地裁一宮支部 遠山和光裁判長 | |
無期懲役、罰金15万円 | |
2004年11月17日 無期懲役、罰金15万円 | |
遠山裁判長は「人間性を無視した卑劣極まりない犯行で、地域社会や住民に与えた影響も大きい。性犯罪としてまれに見る凶悪な事犯であり、有期刑で償うには十分とはいえない」とした。 | |
検察、被告側は控訴した。地裁は未決拘置日数30日を1日5,000円で換算して罰金刑に算入しており、同高検は「罰金を支払う必要が事実上なくなるため、算入は不当だ」と主張して控訴した。2005年9月12日、検察・被告側控訴棄却。2006年8月31日、検察側上告棄却、確定。 |
増本信彦(35) | |
2003年12月24日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
京都府宇治市のパート従業員増本信彦被告は、ゲームソフト購入などでつくった約150万円の借金返済に窮し「民家に侵入して金を盗み、家人がおとなしくしなければ殺すのもやむを得ない」と考えるようになった。2003年8月15日午前2時頃、宇治市に住むマンション経営者方にナイフを持って侵入。物色中に目を覚ました経営者の妻(当時65)の首をナイフで刺して殺害し、現金約23万円を奪った。 | |
京都地裁 楢崎康英裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月19日 無期懲役 | |
弁護側は「主婦が暴れて逃げようとした時に殺意が生じた」と起訴事実の一部を否認しているが、検察側は論告で「素顔で物色していたことから、侵入時に殺意があったことは明らか」と指摘。「被告の借金は思慮を欠いた生活の結果で、動機に酌量の余地はない。安全なはずの自宅で就寝中に襲われ、なすすべもなく惨殺された被害者が受けた肉体的、精神的苦痛は甚大」と述べた。 判決理由で楢崎康英裁判長は「被害者を執拗に追いかけて刺し殺した犯行は残虐非道。無計画に重ねた借金の返済目的という自己中心的で利欲的な動機に酌量の余地はない」と指摘した。 弁護側は「侵入当初殺意はなく、計画的犯行ではない」と主張したが、楢崎裁判長は「何のためらいもなく凶行に及んでおり、殺害を予期して侵入したと推認される」などと退けた。 | |
被害者の夫は2004年10月28日、増本被告に総額5,000万円の慰謝料を求める訴えを京都地裁に起こした。夫は事件後、京都府警から長時間取り調べられ、苦痛を受けたとしている。2005年3月8日、京都地裁は慰謝料を全額支払うよう命じた。 被告側は控訴した。控訴取下げ、確定。 |
山崎達也(30) | |
2003年12月7日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
風俗店店員山崎達也被告は、知人のフィリピン人女性(当時39)から借りた携帯電話を使いまくっていたが、料金約46,000円の支払いを約束しながら、2003年12月1日正午頃、所持金がまったくないまま、女性のアパートを訪問し、電話料金の支払いを免れるため女性をマフラーで絞殺し、別の携帯電話やネックレス、現金約1,500円などを奪った。山崎被告は奪った携帯電話を出会い系サイトの利用などに使ったほか、ネックレスは換金し、逃走資金に充てていた。 | |
名古屋地裁 柴田秀樹裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月24日 無期懲役 | |
判決理由で柴田裁判長は「(被害者から)借りていた携帯電話の使用料の支払いを免れるための犯行で、動機は自己中心的、身勝手で悪質。刑事責任は重大」と指摘。「当時9歳と6歳の、2人の子どもを残して命を絶たれた被害者の無念は筆舌に尽くし難い」と述べた。 | |
被告側は控訴した。2005年5月9日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。2005年9月20日、被告側上告棄却、確定。 |
山口誠(32) | |
2001年5月9日 | |
1名 | |
殺人、銃刀法※違反 | |
元建設作業員山口誠被告は2001年4月30日、わいせつ目的で台東区の路上を徘徊していたが、午前10時半頃女子短大生(当時19)に背後から近づき、振り返った短大生の顔を見て、「バカにされた」と思い込んで、持っていた包丁で背中や腹部を刺して殺害した。犯行後、かぶっていたレッサーパンダのぬいぐるみの帽子や包丁を近くの公園に捨てて、逃走した。 | |
東京地裁 服部悟裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月26日 無期懲役 | |
山口被告は初公判では起訴事実を認めたが、その後の被告人質問では、「刺した記憶はない」と供述。 検察側は「わいせつ目的で殺意はあった」と主張。さらに山口被告が1994年に強制わいせつなどの罪で有罪判決を受けていることから、再犯の可能性を指摘している。 弁護側は殺意を否認し、「行為は傷害致死」と殺人罪の成立を争っているほか、「山口被告は自閉症などの広汎性発達障害と軽い知的障害があり、心神喪失か心神耗弱だった可能性がある」として、精神鑑定を請求したが、裁判所は却下している。さらに弁護側は「事件は意思疎通や感情交流に障害のある被告が社会から放置され、適切な支援を受けられなかったことが原因」と主張。殺害行為については「若い女性(優しい人)の注意を引き、話を聞いてもらいたかったが、被害者に抵抗され、障害を持つがゆえのパニックを起こした」としている。 検察側は論告で「包丁で刺した後も執ように首を締めつけるなど殺意は明らかで、犯行後の証拠隠滅行為などから責任能力も認められる。短絡的で身勝手な動機に酌量の余地はない」と述べ、無期懲役を求刑した。 判決は、山口被告に「軽度の知的障害があり、犯行に及んだ経緯に影響を与えたことは否めない」としたが、「犯行時の行動に、全体として合理性がある」と述べ、完全責任能力を認めた。そのうえで、刺殺のやり方などから、「強い確定的な殺意に基づく冷酷かつ残忍な犯行」と認定。「公判では、記憶がないなどと不合理な弁解を述べるなど、自ら犯した罪の重さを真摯に認識しているかどうか疑問がある」と非難した。被告がレッサーパンダ帽をかぶっていたことにも触れ、「4月末に毛皮のコートを着て異様なレッサーパンダの帽子をかぶった被告に、被害者が驚いて表情を変えたとしても当然」と指摘。「わいせつ目的で近づき、短絡的に犯行に至った。動機に酌量の余地はない」と量刑理由を述べた。 | |
起訴前に東京地検は山口被告に対し、専門の精神科医による簡易鑑定をし、その結果などを踏まえて刑事責任能力はあると判断した。 山口被告は軽度の知的障害があり、障害者手帳を保有している。 被告側は控訴した。2005年4月1日、控訴取下げ、確定。 |
京谷幸弘(53) | |
2004年5月6日 | |
1名 | |
強盗殺人、強盗未遂、銃刀法※違反 | |
無職京谷幸弘被告は、2004年3月16日午後2時40分ごろ、岐阜市のコンビニエンスストアで女性店員(当時24)に包丁を突きつけ、現金を奪おうとしたが、店員がレジを閉めてカウンターから逃げ出したため逃走。被害はなかった。京谷被告の自宅はコンビニエンスストアから約700m離れているだけだった。 強盗が未遂に終わったため、京谷被告はバスに乗って岐阜駅に移動。同駅近くでタクシーに乗り込み、午後7時50分ごろ、岐阜市福富町田の路上に止めたタクシー内で、運転手(当時54)の胸を包丁で刺して殺害、電卓1個などが入った革製鞄(時価計約1,100円相当)を奪った。 | |
岐阜地裁 土屋哲夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月29日 無期懲役 | |
土屋哲夫裁判長は「金品を強奪するための犯行で、自己中心的な動機に酌量の余地はない」とした。 | |
控訴せず確定。 |
谷原隆夫(32) | |
2004年1月26日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗 | |
型枠解体業谷原隆夫被告と建設作業員H被告は2004年1月20日午後10時半ごろ、神戸市灘区の知人男性(当時62)方で、男性の背中を包丁で刺すなどして失血死させ、現金25万円などを奪った。谷原被告は、作業員として雇っていたH被告を知人男性に紹介し、2000年秋ごろから2人を同居させたが、トラブルが続いていた。 谷原被告、H被告、別の被告は兵庫県内で7件の窃盗を繰り返した。被害総額は約120万円にのぼる。 | |
神戸地裁 笹野明義裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月29日 無期懲役 | |
笹野明義裁判長は「犯行は執ようで悪質。谷原被告は主導的に計画し、奪った金品をほとんど自分のものにした。帆足被告は利欲的な動機は乏しく自首した」と述べた。 | |
H被告は殺人、窃盗で起訴。求刑懲役13年に対し、懲役12年の判決が言い渡された。無職男性も窃盗事件のうち3件に関与しており、容疑者死亡のまま書類送検されている。 被告側は控訴した。 |
河原嫁実(60) | |
2003年5月29日(死体遺棄容疑。6月6日、強盗殺人容疑で再逮捕) | |
1名 | |
強盗殺人 | |
無職河原嫁実(かすみ)被告は借金があったことから、2000年6月24日朝、福岡県若宮町の山林に駐車した乗用車内で、パチンコ仲間である男性(当時82)の首を絞めて失神させ、現金約20万円入りの財布などを奪い、顔に粘着テープを巻き付けて窒息死させた。奪った金は生活費や遊興費に充てていた。 福岡県警捜査本部は、男性が出入りしていたパチンコ店の客約6,000人を聴取。犯行に使われた粘着テープに付着した指紋の分泌液から検出したDNA型が河原被告と一致したことから、死体遺棄容疑で逮捕した。 | |
最高裁第二小法廷 滝井繁男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月29日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
不明 | |
2004年3月3日、福岡地裁飯塚支部で求刑通り一審無期懲役判決。控訴審判決日不明。 |
住吉久美子(42) | |
2004年2月24日 | |
1名 | |
現住建造物等放火、強盗殺人 | |
釧路市に住む無職住吉久美子被告は2004年2月18日夜、知人の無職男性(当時74)方で金銭をめぐり口論となり、男性を金属製パイプなどで殴って意識をもうろうとさせ、現金33,000円とバッグなど15点(2,000円相当)などを奪った。さらに犯行を隠すため19日未明、男性に布団をかぶせて火を付けて殺害し、2階建て木造住宅約125平方メートルを全焼させた。 住吉被告は事件の2日前に覚せい剤取締法違反の裁判を終えたばかりだった。 | |
釧路地裁 河原俊也裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年11月30日 無期懲役 | |
検察側は「室内に残した指紋を焼失させて犯人と分かるのを隠すため」と放火した理由を説明。「被害者が生存していることを認識しながら犯行を隠ぺいし殺害する目的で火を放った」など指弾した。 弁護側は「殺害は故意ではなく、誤って死に至った」と主張している。 判決理由で河原俊也裁判長は「放火時に被害者が生きていることを認識していたと認められ、殺害方法は残虐であり、動機も自己中心的で酌量の余地は全くない」と述べた。 | |
控訴せず、確定。 |
阿部透(35) | |
2003年1月21日 | |
0名 | |
強姦致傷、強姦他 | |
東京都板橋区の無職阿部透被告は、1998~2003年に、杉並、練馬、中野、世田谷各区で、独り暮らしの若い女性を事前に探し、無施錠のベランダなどから部屋に侵入。「騒ぐと殺すぞ」などと脅し、12~34歳の女性16人を襲い、うち6人を強姦。6人を負傷させた。 | |
東京高裁 裁判長名不明 | |
無期懲役 | |
2004年11月?日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
「同種事件で特に悪質」として控訴が棄却された。 | |
2004年3月26日、東京地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年3月29日、被告側上告棄却、確定。 |
李※洙(※=火へんに亢 イハンス)(41) | |
2001年7月30日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗他 | |
大阪市で焼肉店を経営していた李被告、信販営業代行I被告(一審懲役12年判決)ら5人(うち韓国マフィアの幹部と見られる実行役2人は韓国で身柄拘束)は、1998年3月から1999年11月までに、大阪府、兵庫県で資産家を次々に襲い、家人を縛り上げ「カネ、カネ、キンコ」などと片言の日本語で脅し、金品を奪う事件が約30件(被害総額約2億4000万円相当)が発生した連続緊縛強盗(K号)事件を引き起こした。そのうち1999年5月には大阪府豊中市の会社役員宅で家政婦(当時66)の両手両足を縛り、口をふさいで窒息死させたうえ、現金25,000円を奪っている。李被告は襲撃先の選定及び運転手役だった。起訴件数は不明。 | |
大阪高裁 裁判長名不明 | |
無期懲役 | |
2004年11月?日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
不明。 | |
主犯の李龍煕(イ・ヨンヒ)容疑者は2000年に韓国内で、民家に侵入し、駆けつけた警察官にけがを負わせたとして強盗致傷罪で服役。日韓両国間の犯罪人引き渡し条約に基づき、2005年3月中に日本国内に移送し、逮捕する手続きを進めていたが、刑期満了日の3月13日早朝に自殺した。孫栄教容疑者は韓国で別の事件で服役後、所在不明。 2004年1月26日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年3月31日、被告側上告棄却、確定。 |
片山利男(63) | |
2002年1月14日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
ベルト加工業片山利男被告は2000年7月6日、宅配便の配達を装って、自宅近くの大学生(当時22)宅に侵入し、顔を刃物で切り付け、現金約13,680円などを奪ったうえ、ストッキングで首を絞めて殺害した。片山被告には数百万円の借金があった。 | |
東京地裁 村瀬均裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月2日 無期懲役 | |
検察側は、現場に残された指紋や血痕から採取されたDNA型がそれぞれ被告のものと一致したと指摘。論告で、「無限に広がる女性の人生を一瞬にして奪った結果は極めて重大だ」と述べた。 片山利男被告は「事件当時は自宅にいた」と無罪を主張。弁護側が最終弁論で「被害者宅から検出されたとされる指紋は被告のものとは断定できない」などと、あらためて無罪を主張し結審した。 判決は、指紋について「極めて信用性が高く、被告が犯人であることを認める決定的な証拠」と認定。DNA型についても「指紋の鑑定を補強する重要な証拠」と判断し、「被告が犯人であることに合理的な疑いをはさむ余地はない」と結論づけた。そして村瀬裁判長は「犯行は計画的で、極めて残虐。旅行会社への就職が内定し、将来のあるかけがえのない被害者の生命を奪った結果は重大だ」と述べた。 | |
片山被告は逮捕後「覚えていない」などと供述、言動に不審な点があったため、東京地検は精神鑑定を実施。刑事責任は問えるとして起訴した。 被告側は即日控訴した。2005年8月24日、東京高裁で被告側控訴棄却。2005年12月19日、被告側上告棄却、確定。 |
武田晴信(33) | |
2003年6月29日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
大阪府の無職武田晴信被告と女性2人は2001年12月14日午前2時40分頃、姫路市のレストラン駐車場で姫路市内の女性の車からバックを盗んだ。武田被告がワゴン車を運転、逃げる際、女性と交際している会社員(当時26)がその前に立ちふさがり、バックを取り返されるのを防ぎ逮捕を免れるため、会社員をはねて死亡させた。 | |
大阪高裁 那須彰裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月2日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
武田被告は「殺すつもりはなかった」などと殺意について否認。弁護側は「被害者が致命傷を負うまでの時間は瞬間的で、殺意を形成する余裕などなかった」と改めて未必の殺意を否定し、減軽を求めた。 大阪高裁は、武田被告の未必の殺意を認めた上で、「犯行後、車を処分したり、逃走生活中に何食わぬ顔で結婚をするなど反省もない」として、一審通り無期懲役の判決を言い渡した。 | |
2004年4月14日、一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年4月11日、被告側上告棄却、確定。 |
吽野優(33) | |
2003年10月15日 | |
0名 | |
住居侵入、強盗強姦、強盗強姦未遂、窃盗 | |
東京豊島区にある人気ラーメン店店長を務めていた(事件後解雇)吽野(うんの)優被告は、2002年11月、東京都豊島区内の女性宅に侵入、女性を脅して暴行したうえに現金6000円を奪った。2003年5月26日夜、板橋区内のマンションに帰宅した女子大生が玄関ドアを開けた際、刃物を突き付け「騒ぐと殺す」と脅迫し、室内で乱暴した。7月28日にも東京都豊島区のマンションで女性宅に押し入って乱暴し、現金約1,000円を奪った。 その他、1999年から2003年7月まで、名古屋市や東京都立川市などで計7人の女性を暴行するなどして現金を奪った。暴行の際に写真撮影し、口止めしていた。 | |
東京地裁 高麗邦彦裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月7日 無期懲役 | |
検察側は冒頭陳述で、犯行の動機を「夫婦げんかのうっぷんを晴らすため、女性を奴隷のように扱いたいと考えた」と述べた。 検察側は「回復不能な被害を多数の女性に与えた責任はあまりにも重い」などとして、無期懲役を求刑した。論告で「性欲を満たして遊興費を得るため奴隷のように暴行し、陰湿で卑劣。常習性も顕著で再犯防止は不可能」と指摘した。吽野被告側は公判で、大筋で起訴事実を認めていた。 判決理由で高麗邦彦裁判長は「欲望や不満のはけ口を無関係の女性に求め、暴力的な手段によって恐怖を与えて服従させ性的、物的満足を得ようとした。情状酌量の余地は皆無だ」と述べた。 | |
8月に無期懲役を求刑した検察側は、弁護側が「6人の被害者に計280万円の賠償金を支払い、1人とは示談が成立した」として情状面で再検討を求めたため論告をやり直したが、「慰謝の措置は不十分」として改めて無期を求刑した。 被告側は控訴した。2005年8月9日、被告側控訴棄却。2006年3月13日、被告側上告棄却、確定。 |
今村宗則(44) | |
2001年10月11日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗未遂他 | |
無職今村宗則被告は金に困り、2001年8月15日早朝、大阪市北区の洋服店店主の男性(当時84)の店に2階の窓から侵入し、就寝中の店主の頭部を角材のようなもので殴った上、電気コードで首を絞めて殺害。現金約3万円とキャッシュカードを奪った。大阪府内の3つの銀行支店で現金を引き出そうとしたが、暗証番号が一致せず失敗した。 | |
最高裁第三小法廷 浜田邦夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月13日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
被告側は無罪を主張していた。 | |
2003年12月1日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年7月14日、大阪高裁で被告側控訴棄却。 別の強盗殺人事件で2010年5月31日、大阪地裁で求刑死刑に対し一審無期懲役判決。2011年2月24日、大阪高裁で検察側控訴棄却。2012年12月17日、検察側上告棄却、確定。この時の裁判で、本事件についても犯行を認めた。 |
陳財福(42) | |
2003年4月11日 | |
1名 | |
強盗致死、強盗傷害 | |
中国籍で元建設作業員の陳厚忠被告(無期懲役が確定)、陳財福被告は逃亡中の仲間と共謀し、2003年1月5日午後11時頃、横須賀市の老夫婦方に侵入。妻(当時73)の顔を殴るなどの暴行を加えて10日間のけがを負わせ、現金56,000円と、ネックレスなど46点(時価141万円相当)を奪った。さらに、肺気しゅで酸素吸入チューブをつけて寝ていた夫(当時79)に暴行したため、夫はチューブが外れて死亡した。陳厚忠被告は2002年12月、老夫婦方裏にある傾斜地で土木工事をした際、夫婦にお茶やミカンを差し出されるなど親切にされた。夫婦が2人暮らしと知り、ほかの2人に犯行を持ち掛けたという。 | |
最高裁第一小法廷 才口千晴裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月13日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
量刑不当を理由に上告。 | |
2004年1月29日、横浜地裁横須賀支部で求刑通り一審無期懲役判決。2004年7月16日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
山本幸彰(52) | |
2003年3月9日 | |
1名 | |
強盗殺人、窃盗他 | |
広島市出身の無職山本幸彰被告は、2003年3月2日深夜、広島県福山市の雑居ビル9階から屋上に出る踊り場で、果物ナイフで福山市出身のホームレスの女性(当時63)の左胸など数カ所をさして死亡させ、バッグなどを奪った。 山本被告は2003年2月末、知り合った府中市の女性(当時65)から財布などが入ったバッグ(計約12,000円相当)を盗んだとして、窃盗の疑いで指名手配されていた。3月8日、山口県警長門署に出頭。殺害事件も自供した。 山本被告は2003年2月に刑務所から出所した後、ホームレス生活を始め、広島県府中市の空き家になっていた市営住宅に放火、全焼させるなどした。 | |
広島地裁福山支部 加藤誠裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月15日 無期懲役 | |
山本幸彰被告は、殺害と、被害者のバッグなどを奪って逃げた点は認めたが「強盗目的の犯行ではなかった」と起訴事実を一部否認。弁護側は「バッグなどを持ち去ったのは捜査のかく乱が目的だった」と述べた。 | |
控訴せず確定と思われる。 |
喩貽(23) | |
2002年12月27日 | |
1名 | |
身代金拐取、拐取者身代金要求、逮捕監禁、殺人、住居侵入 | |
元留学生の喩貽(ユ・イ)被告は他の2被告(無期懲役判決が確定)、さらに他の中国人の男性3人(分離公判中)とともに2002年12月4日午前6時20分頃、風俗店を経営する中国人女性(当時43)を乗用車で連れ去って約16時間監禁し、内縁の夫の中国人男性(46)に身代金8,000万円を要求。しかし、警察に察知されたと思い込んで身代金受け取りを断念し、同日夜、女性の首を絞めて旅行かばんに詰め込み、名古屋港で海に投げ込んで水死させた。 | |
最高裁第二小法廷 福田博裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月15日 無期懲役(被告側上告棄却、確定) | |
2004年2月3日、名古屋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。2004年8月27日、名古屋高裁で被告側控訴棄却。 |
金山秀章(31) | |
2003年6月18日 | |
0名 | |
住居侵入、強盗強姦、窃盗、強盗強姦未遂、逮捕監禁、強姦致傷、強盗 | |
運送業金山秀章被告は以下の事件を起こした。
| |
東京地裁 小川正持裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月16日 無期懲役 | |
検察側は「獣にも似た犯罪傾向は矯正不可能」として、同罪の最高刑の無期懲役を求刑した。弁護側は「余罪も自白し、反省している」と有期刑を求め、金山被告は最終意見陳述で「一生かけて償う」と述べた。金山被告は強姦の女性に対しお詫びの手紙を書き、ナンバープレートを窃取された被害者に対しては、不要と答えた1名を除きその被害を弁償している。 小川正持裁判長は「自己の欲望を満たすために被害者に対して激しい暴行を加え、反抗を徹底して抑圧した上で犯行に及んだ。動機について酌量の余地は皆無だ」と指摘。「地域住民や一人暮らしの女性、他の宅配業者に与えた影響は決して無視できない」と述べた。 | |
伊調貢(24) | |
2004年6月24日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
相模原市の土木作業員伊調(いちょう)貢被告は、2004年6月23日午前1時頃、相模原市のスナック店内で、経営者の女性(当時51)の首を両手で絞め、出刃包丁(刃渡り約18cm)で首や胸を刺して殺害。手提げバッグ内から、売上金など約42,000円を奪った。伊調被告は過去2回このスナックを訪れており、一人で来たのは今回が初めてだった。 | |
横浜地裁 松尾昭一裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月16日 無期懲役 | |
伊調貢被告は初公判で起訴事実を全面的に認めた。 論告で検察側は、犯行の動機を伊調被告が(被害者に)悪口を言われたとする主張を「合理的な説明がない」と断じた。その上で「結婚資金にあてるために売上金を奪うことが動機で、計画的な犯行」と指摘した。 松尾裁判長は「勤務先の悪口を言われて自分も非難されていると思い込み、女性を殺害して売上金を奪おうと考えた」と動機を指摘。(1)動機が身勝手かつ短絡的(2)忘れ物を探すふりをして機会をうかがう残忍な犯行(3)被告人のためを思い助言した被害者には何の落ち度もない--などと量刑の理由を挙げ、「刑事責任は極めて重大」と述べた。 | |
後藤幸二(33) | |
2003年9月?日 | |
0名 | |
強姦致傷、強盗、監禁致傷他 | |
厚木市の風俗店従業員後藤幸二被告は2000年10月~2003年8月、神奈川県海老名市などの車内や雑木林などで、当時16~47歳の女性計22人に対し、車ごと拉致して人通りの少ない場所に連れて行くなどして乱暴、3~10日のけがを負わせたり、金を奪ったりした。同じ女性を待ち伏せして2度暴行したこともあった。女性らから現金を奪った3件の強盗罪でも有罪とされた。 後藤被告は2003年9月に逮捕された後、約40件の犯行を自供。22人、23件について起訴された。後藤被告は犯行後、警察への届け出を阻止するため「家に火をつけるぞ」と脅すなどしていた。 | |
横浜地裁 山崎学裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月20日 無期懲役 | |
検察側は「女性の心身を蹂躙した人を人と思わぬ所業。(被害届を出さなかった人を含めれば)被害者は40人に達する」と無期懲役を求刑した。 判決理由で山崎裁判長は「被害者の中には心的外傷後ストレス障害(PTSD)で自殺を図ったり、交際中の男性に去られたりした人、家族に打ち明けられず1人苦しみ抜いている人もいる。まさに悪魔の所業だ」と断罪した。 | |
朴龍晧(38) | |
1995年9月10日 | |
1名 | |
殺人、現住建造物等放火、詐欺未遂 | |
韓国籍の朴龍晧(ぼく・たつひろ)被告は内縁の妻である青木惠子被告(一・二審無期懲役判決、上告中)と共謀。借金返済などのため青木被告の長女(当時11)を殺して死亡保険金を詐取しようと計画。朴被告は1995年7月22日夕、大阪市東住吉区にある自宅車庫内の車の下に、車のタンクから抜いたガソリンをまき、ライターで火をつけて自宅を全焼させ、入浴中の長女を殺害し、保険金1,500万円を請求した。 | |
大阪高裁 近江清勝裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月20日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
朴被告は取り調べで自白したものの、公判で否認。 被告側は「犯行を自白した捜査段階の供述は任意性に疑いがあり、出火原因も自然発火の可能性がある」などと無罪を主張。しかし、近江清勝裁判長は「違法な取り調べはなく、自白調書は証拠能力がある。自然発火も抽象的な可能性にとどまる」と退けた。 弁護側があげている疑問点は以下。 ・火をつけたとされるライター、ガソリンを抜いたとされるポンプ等が見つかっていない。 ・火をつけたという目撃者が発見されていない。 ・犯行の決め手となる物的証拠は見つかっていない。 ・まいたとされるガソリンの量、共謀の回数・時期など、自白の重要部分について不合理な変遷が多々見られる。 ・科学捜査研究所の行なった火災の再現実験より、自然発火の可能性がある。 ・必要としていた金額は200万円程度であり、犯行動機としてはあまりにも不自然。 | |
1999年3月30日、大阪地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2006年11月7日、被告側上告棄却、確定。 「東住吉冤罪事件」を支援する会が作成した東住吉冤罪事件のホームページがある。 再審決定。2016年8月10日、大阪地裁で一審無罪判決。大阪地検は同日、上訴権を放棄し、無罪は即日確定。 |
伊藤伸治(38) | |
2004年1月6日(別の強盗未遂罪で起訴済) | |
1名 | |
強盗殺人、死体遺棄、強盗未遂 | |
無職伊藤被告は消費者金融などに数100万円の借金があったことから、数回通っていた名古屋市内の飲食店の従業員の女性(当時23)から金を奪うことを計画。2003年10月24日、女性を食事に誘い、午後7時頃、愛知県一宮市内の路上に駐車した乗用車内で女性の首を手で絞めて殺害し、現金約15,000円やバッグなどを強奪。25日午前5時ごろ、弥富町稲荷の堤防で遺体にコンクリートブロックを縛り付け、川に投げ捨てた。 伊藤被告は、2003年10月11日に名古屋市内の女性(当時21)にナイフを突き付けて金を奪おうとしたとした強盗未遂の疑いで12月に逮捕、起訴されていた。 | |
名古屋高裁 川原誠裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月21日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
一審で被告側は「殺害してから金品を奪うことを思いついた。強盗殺人罪ではなく、殺人と窃盗罪に当たる」などと主張。弁護側は、殺人は突発的で計画性はないとして寛大な判決を求めていた。 川原誠裁判長は「凶悪な犯行で、酌むべき点は全く認められない」として、無期懲役の一審・名古屋地裁判決を支持し、伊藤被告の控訴を棄却した。 | |
2004年8月4日、名古屋地裁で求刑通り一審無期懲役判決。 |
伊原康介(24) | |
2003年1月12日(窃盗罪で起訴済) | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
無職伊原康介被告は、2002年7月31日午後9時~10時の間、東京都文京区のアパート2Fに住む無職女性(当時84)方に侵入。物色中に気付いた女性の口にタオルを押し込み窒息死させたうえ、現金約5,000円入りの財布を奪った。 伊原被告は2001年9月からこのアパートに住んでおり、31日は家賃を含めた借金10万円の返済期限だった。1ヶ月後の8月31日に、別の住人の女性宅から現金約8万円を盗んだとして、逮捕、起訴されていた。さらに別の2件の窃盗罪でも追起訴されている。 | |
東京高裁 安広文夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月21日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
弁護側は「犯人ではない」として無罪を主張したが、安広裁判長は「被害者方のローションの瓶から被告の指紋が検出されており、犯行時に付着したものと考えられる」として退けた。 | |
2004年3月29日、東京地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年6月17日、被告側上告棄却、確定。 |
浅利政充(24) | |
2003年11月24日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
長崎県佐世保市の無職浅利政充被告は、2003年11月23日未明、フロントから現金を奪おうと、かつて勤務した佐世保市のホテルに、友人のF被告(公判中?)とともに侵入。2階調理場から包丁3本を盗み、かつて同僚だった男性従業員(当時23)が屋上へ巡回に来たところを、胸や腹部などを包丁で刺して殺害した。 | |
長崎地裁佐世保支部 小松平内裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月22日 無期懲役 | |
起訴後、被告弁護人の申請で実施された精神鑑定は、浅利政充被告の刑事責任能力を問えると結論付けた。 公判で、ホテル侵入の動機について浅利被告が「強いて言えば自殺目的だった」などとあいまいな供述を繰り返してきたことに対し、検察側は論告で「確実な殺意の下、犯行に及んだのは明らか。テレビゲームを楽しむかのようにも思え、悪質さは同種の犯罪と比べても突出している」と指摘した。 一方、弁護人は「自殺しようかと考えているときに被害者に見つかり、衝動的に犯行に及んだ」と計画性をあらためて否定、刑の軽減を求めた。 小松裁判長は、「被告はゴム手袋やスタンガンを用意していたが、自殺が目的であればその必要はない」「被告の供述は、不合理極まりない」「計画的で執よう、冷酷かつ残虐」と断じた。 | |
控訴せず確定と思われる。 |
黒岩豊数(52) | |
2001年11月29日 | |
1名 | |
強盗殺人他 | |
無職黒岩被告は約2年間仕事がなく、消費者金融などに数百万円の借金があったため、2001年9月10日午前4時頃、大阪市住吉区の酒店に侵入。店舗兼住宅の1階で寝ていた店主(当時71)の首や胸を包丁で刺して殺害した。2階で寝ていた二女が物音に気付き、二人が格闘するのを見て大声を上げたため何も盗らずに逃走した。黒岩被告は数年前に現場近くのマンションに住む女性と交際していた当時、酒店に客として出入りし、被害者とは顔見知りだった。 | |
大阪高裁 島敏男裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月24日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
黒岩被告は一貫して否認。弁護側は、侵入経路の木戸に付着した粘着テープから検出された指紋は被告のものと一致しない、またテープは別人が持ち込んだ可能性があると主張した。島裁判長は、指紋は大部分一致しており、残された粘着テープに付着した指紋などから、被告の犯行に疑いはないと述べた。 | |
2004年8月11日、一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年6月17日、被告側上告棄却、確定。 |
西村文夫(63) | |
2003年6月3日 | |
1名 | |
現住建造物等放火、殺人 | |
長野市の無職西村被告は、2003年6月3日午前10時40分ごろ、解雇された同市の建設会社事務所を訪れ退職金の支払いや借金を無心したが断られたため腹が立ち、ガソリン4Lを社長(当時65)の全身に浴びせライターで火をつけて死亡させた。また同事務所を焼損させた。事務所には社長と女性従業員の2人がいた。 | |
東京高裁 山田利夫裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月24日 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
控訴審で西村被告は一審と同様、「被害者から依頼を受けたのでガソリンをかけた」などと無罪を主張していた。 | |
2004年8月25日、長野地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年4月26日、被告側上告棄却、確定。 |
鳴海喜代一(75) | |
2004年6月18日 | |
1名 | |
強盗殺人 | |
横浜市戸塚区の無職鳴海喜代一被告は、借金をしては酒と競馬に使う生活を長年送っていて、2003年4月、同市鶴見区の飲食店を訪れて経営者の女性から8,000円を借りたが、夏ごろから消費者金融の厳しい取り立てを受けて返済に困った末、女性を殺して金を奪おうと計画。 2003年9月26日午後午後2時ごろ、飲食店内で女性(当時85)の頭を鈍器で殴り、ゴムひもでの首を絞めるなどして殺害し、現金約9,000円を奪った。 鳴海被告は1991年ごろから約5年間、同店近くの鉄工所で働いており、女性の飲食店にもよく通っていた。 | |
横浜地裁 小倉正三裁判長 | |
無期懲役 | |
2004年12月25日 無期懲役 | |
小倉正三裁判長は、「金を貸してくれるなど優しくしてくれた恩をあだで返す、自己中心的で身勝手な犯行」として、鳴海被告に求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。 | |
被告側は控訴した。2005年5月18日、東京高裁で被告側控訴棄却。 |
小柳博旦(60) | |
2003年1月31日(現行犯逮捕) | |
1名 | |
殺人他 | |
土木作業員小柳博旦被告は2003年1月31日深夜、かつて交際していた福岡県粕屋町に住む女性が別の男性と付き合っていると邪推し、同町の女性宅に押し掛けて口論となった。仲裁に入った女性の息子(当時20)の言動に腹を立て、刺し身包丁で腹などを刺して殺害した。 | |
福岡高裁 裁判長名不明 | |
無期懲役 | |
2004年12月 無期懲役(被告側控訴棄却) | |
不明。 | |
2004年2月9日、福岡地裁で求刑通り一審無期懲役判決。被告側は上告した。2005年5月27日、被告側上告棄却、確定。 |