「シマル」の謎
【問 題】
あるマンションの部屋で、タレントの山形久美子が殺されていた。背中を刺され、キッチンのテーブルにうつ伏せになっていた。テーブルには彼女のサイン入りの色紙が三枚あった。彼女は、色紙を書き終わったとき、不意に背後から刺されたものと思われる。
テーブルの下に黒のサインペンが落ちていた。刑事がテーブルの下にかがむと、テーブルの裏側に字が書いてある。ひっくり返すと、黒いインクで<シマル>と横書きに書いてあった。被害者が手がかりを残そうと思って、テーブルの裏に書き残したらしい。
捜査の結果、二人の容疑者が浮かんだ。
島 雷太(テレビ局のディレクター)
津村瑠璃子(元マネージャー)
さて、犯人はどちらか?
【解 答】
テーブルに座ったまま、サインペンを持った手をテーブルの裏にやって、犯人の名字をカタカナで書いた。ところがそんな姿勢で書くと、テーブルの裏には、字が裏返したようになる。だから、テーブルをひっくり返したとき、<シマル>と横書きしたように読めた。実際は<ツムラ>と縦書きで書いてあったのである。犯人は、元マネージャーの津村瑠璃子だった。
【覚 書】
これもよくある定番ネタ。トイレットペーパーにサインペンで書いてしまったので、文字がにじみ、裏表逆に読んでしまったというネタもあります。また、犯人に追いつめられ、後ろ手で殺し屋の部屋番号の数字を書いたら、上下が逆になったというネタもあります。
これらのネタは、小説というよりも、何かの推理クイズがオリジナルという気もするんですが。小説よりも、イラストのあるクイズの方が絵的に栄えますし。
※解答部分は、反転させて見てください。
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