殺し屋に殺されたボス
【問題】
密輸団のボスだった男が射殺された。密輸団を追っていたジャニー警部は、椅子に座ったまま殺されたボスの顔の下にあった一枚の紙を悔しそうに取り上げた。紙には机の上にあったタイプライターでこう書かれていた。
「俺はチャンに殺されるだろう。中国の組織に歯向かったのが間違いだった。奴らは犯罪者たちのルールなんて何とも思っちゃいない。ジミーの連絡が途絶えた。見つかったらしい。俺がこの部屋に隠れていることを嗅ぎつけたみたいだ。もしかしたら」
紙に書かれていた文章は、ここで途切れていた。どうやらタイプライターで殺した相手を書いている途中で、いきなり部屋に入ってきた殺し屋に射殺されたようだ。おそらく即死だっただろう。心臓から流れた血が固まりかけていた。
「うーん、どうやら中国マフィアのチャンの指図のようだな、これは」
ジャニー警部がそう話しかけたが、たまたま一緒にいた名探偵のハマーは、こう怒鳴りつけた。
「馬鹿を言え。これはチャンに殺されたと見せかけた偽装だ。おそらくジミーの仕業だろう。奴は密輸団のボスの座を狙っていたからな」
なぜハマーはそう断言した。
【解答】
【覚書】
わかりやすい偽装失敗もの。これまたH・A・リプリーが元ネタです。