自動車事故の偽装は何故ばれた


【問題】

 一匹オオカミの殺し屋のところに、ハンサムな青年がやって来た。なんと、弟子入りさせてほしいという。最近注文が多くてさばききれない殺し屋は、弟子になれるかどうか試してみることにした。
「ターゲットは、テレビタレントの鈴木太郎だ。あいつを事故死に見せかけて殺すんだ」
「わかりました。ピストルを貸してください」
「事故死にピストルなんかいらないだろう」
「脅しに使うだけです」
「わかった。失敗したらクビだぞ」
 殺し屋は青年にピストルと弾丸を渡した。弾が入ったままのピストルを渡す不用心なことはしない。

 数時間後、青年はけろりとした表情で戻ってきた。
「へまはしなかっただろうな」
「大丈夫です。抜かりはありません」

 ところが翌日の夕刊を見て、殺し屋はびっくりした。鈴木太郎の死亡記事が出ているが、何と警察は他殺と断定して捜査を始めていたのである。
 殺し屋は青年をさっそく問い詰めた。
「トンマ野郎! この新聞記事を見ろ。いったい、どんなへまをしたんだ?」
「へまなんかしてません。彼が住んでいるマンションの外で待ち構えていたら、ターゲットがほろ酔い機嫌で歩いて帰ってきたので、ピストルで頭を殴って気絶させ、車に乗せて、港の岸壁から車ごと海へ転落死させたんです。あそこは魔の岸壁と言われて、車の転落事故が多いですからね」
「誰の車を使ったんだ?」
「盗難車です。たまたまキーが付いたままの車が近くにあったんで、それを使いました。酔っぱらって車を盗んで、ぶっ飛ばしているとき、あの岸壁から転落したことにすれば怪しまれませんからね。目撃者がいないことも確認しました」
 この青年の話を聞く限りどこにもミスはなさそうだったが、殺し屋はそこで重大なことに気づいた。
「素人のくせにプロ気取りで自動車事故にするから失敗するんだ。お前は要なしだ」
 殺し屋はそう云い渡すと、青年は首をひねったまま帰っていった。
 さて、青年のミスとはいったい何か。

【解答】

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【覚書】

 これは藤原宰太郎のオリジナルじゃないだろうか。馬鹿馬鹿しいと言ってしまえばそれまでだが、見せ方さえよければ十分な謎となる。


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