死神に狙われた男


【問 題】
 高級レストランでプレイボーイが食事をした。まず食前酒をグラスに半分ほど飲んでから、スープを二口か三口飲み始めたとたん、急に苦しみだして
「水、水をくれ」
と叫んで、喉をかきむしった。
 ウェイトレスが驚いて、すぐグラスに水を入れていくと、彼は一息に飲みほした。さらにもう一杯頼んだが、二杯目の水を飲みかけて息が絶えた。
 現場検証の結果、飲み残しの食前酒やスープには毒は入ってなく、スプーンやグラスからも毒物は検出されなかった。
 では、誰がいつ、どうやって毒殺したのか?
 もちろん、自殺ではない。また毒は即効性の劇薬で、レストランに行く前にカプセル入りの毒を飲まされたのでもない。


【解 答】
 犯人はウェイトレスだった。彼女はスープに塩やコショウをたっぷり入れ、それを飲んだ被害者が苦しがって水を要求したとき、毒入りの水を飲ませたのである。そして二杯目の水を持っていくとき、グラスはきれいに洗ってしまったから、現場検証されても、毒物は検出されなかった。
 動機は、彼女の姉が彼に捨てられて自殺したので、その復讐だった。

【覚 書】

 きれいに決まったトリックだと思います。もちろん、飲み残しのスープを検証すれば、コショウがたっぷりだということがわかってしまうでしょうから、すぐに犯行がばれるでしょうが。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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