藪をつつく


【問題】

 大金持ちで偏屈の老人が殺された。老人の死体は、長くて太い毛のマフラーで、藪の中にある無花果の木にぶら下げられていた。
 秘書からの電話で到着した警察は、邸内の者一人残らず尋問を始めた。親族や秘書、召使いを含めて12名、全員が老人に恨みを持っていた。ところが調べていくうちに、12人全員のアリバイが完璧であることが分かった。証拠らしきものは全くなかった。
 無花果の木の下の落ち葉に、大小さまざまの足跡があることが分かった。その足跡は、どれもこれも踵の方がぐっと深く押されているのに、つま先の方は非常に浅くなっていた。まもなく、警察は犯人を捕まえた。

【解答】

※解答部分は、反転させて見てください。

 老人はマフラーを巻き付けられ、マフラーの一端は無花果の木に結えられ、他の端は12人が一列に並んで持ち、引っ張った。アリバイは12人全員が協力して作っていた。

【覚書】

 元ネタはE・V・ノックスの短編「藪をつつく」です。1933年に発表されたとのことですので、あの名作(1934年)より前に発表されていますね。まあ、偶然でしょうが。


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