809は殺しの番号


【問 題】
 東亜ホテルの524号室で、ハワイから来た探偵のマリー西本が死んでいた。マリーは胸を二発撃たれ、窓際に倒れて死んでいた。テーブルには化粧品が散らばっている。誰も銃声を聞いていないので、犯人は消音ピストルを使ったものと思われる。
 窓のカーテンの下に、口紅が落ちていた。カーテンを捲ってみると、窓ガラスに赤い口紅で809と書いてあった。おそらく犯人の手がかりを残そうとしてマリーが書いたものだろう。マリーが窓際に倒れていたこと、さらにカーテンが掛かっていたことから、犯人は気付かなかったものと思われる。
 調査の結果、マリーを殺そうとしている人物が3名、偶然にも東亜ホテルに当日泊まっていた。このうちの一人が犯人と思われる。

 608号室 川上正男
 806号室 モーリス・スミス
 908号室 ジーン・ケリー

 ところが809号室に泊まっているものはいなかった。いったい犯人は誰か。



【解 答】
 マリーは犯人にピストルを突きつけられたとき、窓ガラスに背中を向けて、後ろ手て数字を書いたのである。ところがこうして書くと、その字は上下左右があべこべになってしまう。マリーは本当は、608と書いたのだ。よって犯人は、川上正男である。

【覚 書】

 藤原宰太郎の推理クイズには、このトリックを使ったものが多く出てきます。他にも、机の下に書いたときも同じようになります。ところが、このトリックは無名作家の藤原遊子「809は殺しの番号」に使われていると書かれた文章を発見しました。ちなみに藤原宰太郎のペンネームで、遊子は娘の名前とのこと。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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