メキシコの死体


【問 題】
 メキシコで一人の男が殺された。サボテンに手足、そして首を紐でくくりつけられていた。口には猿ぐつわをかまされていた。紐で首を絞められたことにより、男は窒息死していた。一人の男が容疑者にあがったが、死亡時刻である昨日の13時頃には10km離れた酒場で酒を飲んでいたアリバイがあった。大勢の客がいたので、そのアリバイは完璧である。しかし警察は、昨日の13時頃から雨が降り出したことに気付くとたちどころにトリックがわかったのである。ではどうやって殺したのか。ただし、共犯者はいない。

【解 答】
 その紐は竜舌蘭の繊維で作った紐であった。この繊維は水に濡れると1/5の長さに縮む。天気予報で13時に雨が降ることを知った犯人は、午前中に男をサボテンにくくりつけ、そのまま酒場に行きアリバイを作った。

【覚 書】

 実際には、紐を調べれば簡単にわかるトリックですね。実は捕物帖でこのトリックを使った短編を読んだ記憶があるのですが。
 葉山君よりご教授いただきました。このトリックは久生十蘭の『顎十郎捕物帖』シリーズの一編、「藩拉布」に使われていました。有り難うございます。
 これとは逆に晴れを利用したトリックはコップ「信・望・愛」。このタイトルもいったいどう読むんでしょうね。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
 ※お手数ですが、ブラウザの「戻る」ボタンで戻ってください。