扇風機


【問 題】
 発見者のデビスはこう語った。
「私は約束があったので、ガードナーさんの部屋のドアをノックしました。ところが、急に銃声が鳴ったので、慌ててノブに手をかけると、鍵が開いていました。なので部屋に入ると、ガードナーさんが血を流して倒れていたので、慌てて警察に電話したのです」
 ガードナーは手にピストルを握り、頭部を撃ち貫いて、床の上に倒れていた。机の上には、文鎮で押さえられたたくさんの書類の他に、一枚の紙片があった。
 『私は破産した。今更、なにをもって貧しい暮らしに甘んじよう。行くべき道はただ一筋のみ。 ガードナー』
 ほぼ自殺と断定して間違いなさそうだった。ところが、ある警察官はガードナーの下にあったコードに興味を持った。コードは扇風機のもので、コンセントはソケットから外れていた。試しにコンセントを差し込んでみると、扇風機は廻り始め、机の上の遺書は吹き飛んでしまった。
「デビス、理由はわからないが、なぜガードナーを殺したのかね?」
 さて、如何なる理由でデビスを犯人と断定したか?


【解 答】
 コードがガードナーの下にあったということは、ガードナーが倒れてコンセントが外れたことを意味する。扇風機はコンセントが外れて止まった。つまり扇風機は、ガードナーが死ぬまで廻っていたわけである。となると、机の上の遺書は、当然吹き飛ばされていたはずである。ところが机の上に遺書があったのだから、ガードナーが倒れ、扇風機が止まってから遺書は置かれたことになる。よって他殺であり、デビスは嘘を付いていることになる。

【覚 書】

 ミステリクイズの定番ネタの一つです。考えてみると、どうやって被害者が無抵抗のまま、頭を撃ち抜くことが出来たのか不思議です。至近距離から撃たないと、偽装はすぐばれるでしょうし。
 元ネタはロバート・ウォーレス「扇風機」です。

 ※解答部分は、反転させて見てください。
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