(「X機関からきみたちへ」まえがきより)
『スパイ入門』
著者:伊那高(昭和36年にNHK懸賞物語に入選し、第16回芸術祭奨励賞も受け、推理小説もたくさん書いている有名な作家……とのこと。並川亮のペンネームか)
発行:有紀書房 なかよし入門百科
発売:1974年(初版日明記なし)
定価:460円(1974年当時)
きみもスパイになれる。いや、この本の読者なら、きっと名スパイになれる――とわたしは、かたく信じているが、そのまえに、世界の名スパイと、知恵くらべ、力だめしをしてみよう。
この本のなかには、日本をはじめ、世界の国々でおこったむずかしい事件が、いろいろともりこまれている。その事件のなぞをとくカギを、きみといっしょに考えてみよう。
スパイは、すぐれた体力と知恵ととくいなわざがひつようである。その三つをうまく使って、むずかしい事件をといていくのであるが、さあ、きみもこれから、てきのワナにかからぬよう用心して、ひとつひとつ、みごとに事件のカギをみつけてください。
問題数は全部で71問。タイトルこそ“スパイ入門”とあるが、クイズの登場人物がスパイだというだけであり、獅騎一郎のようにスパイとはなんぞやとか、スパイの歴史などが書いているわけではなく、スパイのテクニックが載っているわけではない。ただ、クイズを解くだけである。
クイズそのものは、他の本に収録されているものとそれほど変わらない。登場人物がスパイというだけである。問題文は一応それらしく作ってはあるが、トリックそのものは他の推理クイズにも使われているものが多い。タイトルにちょっと偽りありの、普通の推理クイズ本である。
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