『犯人あてコミック ミステリークイズ』
著者:菊川近子
(富山県生まれ。1971年、「P.S.アイラブユー」で「週刊マーガレット」よりデビュー。サスペンスストーリーを得意にしている。現在はレディースコミック誌で活躍)
発行:講談社コミックスビーラブ
発売:ともに1994年9月13日
定価:390円(税込み 初版時)
雑誌「BE LOVE」「BE LOVEパフェ」に1993〜1994年に掲載された、犯人あてコミック。事件の謎を解くのは御東(みとう)探偵事務所の御東一磨・あかり夫婦。第一話だけは、捜査一課の岩倉刑事が謎を解いている。
事件の謎に巻き込まれた関係者や捜査担当の岩倉が事件概要を御東夫婦に語り、ふたり(もしくはどちらか)が謎を解くというパターンで、問題編と解答編に別れている。
問題編に事件を解くカギはほぼ示されているし、御東たちからのヒントも描かれている。解くのはそれほど難しくない。核となる謎そのものは一話を除き、岡嶋二人の『ちょっと探偵してみませんか』から引用しているので、菊川自身のオリジナルというわけではない。当時のレディースコミックス誌に、このような犯人あてコミックの需要があったかどうかは疑問であるが、原作がよいから、それなりに見応えのある作品に仕上がっている。
それ以外のお勧めは、第1巻に同時収録されている短編「身がわり」。ちょっとしたトリックだが、この使い方はうまいと思った。
リストに載せようかどうか迷っていたが、タイトルにわざわざクイズと謳っているので、今回は載せることにした。他にも『ぼくらの推理ノート』のような三択推理クイズコミックなどもあるが、あれはあくまでストーリーの中に推理クイズがあるという設定なので、今のところリストに載せる予定はない。
収録内容は以下。
【第1巻】
「ミステリークイズ1 ボトルキープ」(原作岡嶋二人)
「ミステリークイズ2 3年目のユーレイ」(原作岡嶋二人)
「ミステリークイズ3 妖精の血」(原作宮崎克)
「ミステリークイズ4 最後の講演」(原作岡嶋二人)
「身がわり」
【第2巻】
「ミステリークイズ5 曇りのち晴れ」(原作岡嶋二人)
「ミステリークイズ6 ドアの奥には」(原作岡嶋二人)
「ミステリークイズ7 明かりをつけて!」(原作岡嶋二人)
「呪いの構図」
「セルメの叫び」
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