山村正夫 『続・ぼくらの探偵大学』<クイズ特集>
(朝日ソノラマ ぼくらのもの知り百科)
『続・ぼくらの探偵大学』<クイズ特集>
著者:山村正夫
1931年生。愛知県出身。1949年「二重密室の謎」でデビュー。以後、多くのミステリを手がける。『湯殿山麓呪い村』で角川小説賞を受賞、映画化もされた。元日本推理作家協会理事長。1999年没。
発行:朝日ソノラマ ぼくらのもの知り百科
発売:1972年4月17日初版
定価:350円(初版時)
探偵大学の卒業生しょくん! やあ、やあ、やあ、しばらく。
久しぶりに仲良しのきみたちに会えて、わがはいカングリ博士も、こんなうれしいことはないぞ。
その後、みんな大いにハッスルして、バリバリ元気にやっとったじゃろうね。むろん、遊びじゃなくて、勉強の話じゃよ。さだめし、前の学期にくらべて、成績がグンとアップしたことと思うが、どうだ?
ナヌ? それが、ムニャムニャ……。そんなにかんたんに、頭はよくならないや、って?
何だ! だめなやつじゃな。おおかた、きみたちのファイトと努力が、たりんかったのとは違うか。アーン? おら知らねえ。おら知らねえ。ナマけたせいだよ。おら知っちょる。
そういえば、こんなテレビのCMもあったっけ。がんばらなくっちゃ、がんばらなくっちゃ。……とな。ワッハッハ。
ほい。またはじめから、とんだ脱線をしてしまって、キョウシュク、キョウシュク。えっ、……それより、わがはいは、あれからどうしていたかって?
よくぞ、聞いてくれました。研究室で、鼻ジョウチンふくらませて、グウグウ居眠りでもしとったんだろう。などと思ったら、大まちがいじゃぞ。
オッホン……。
きみたちに、いちいち報告できなかったのは残念じゃが、わがはい、相変わらず世界じゅうを飛び歩き、国際的な大事件に、バッチリ名探偵ぶりを発揮しておったんじゃ。おまけに各国の警察からぜひにと招かれて、探偵学の特別コーチもしておったんで、いやはや目がまわるほど忙しかったのなんのって。いや、ほんとほんと……。
そんなわけで、「ぼくらの探偵大学」の読者から、山のようなお便りをちょうだいしながら、返事を書くひまもなかったくらいじゃ。まあ、くれぐれも許してケレ。
それにしても、朝日ソノラマの編集部には、毎日きみたちからドンドコ寄せられる葉書の数があまり多いんで、担当の編集者が、うれし悲鳴をあげておったぞ。わがはいも、すこぶる感謝感激。この紙上を借りて、あらためてお礼を述べる次第であるぞよ。
そこで、熱心な君たちのリクエストにこたえて、ふたたびチビッ子探偵しょくんに挑戦。新しい探偵クイズの問題を、ズラリと集めてみた。
こんどの問題は、どれもこれもが、内外の推理小説からえらんだ名トリックぞろい。きみたちがきっとあっというような、おもしろいショッキングな事件ばかりであることは受け合いじゃぞ。
といっても、我が探偵大学でミッチリ特訓を受けた、優秀なきみたちには、これしきの問題なら、オチャノコサイサイのはずじゃ。ひとつ、きみたいがどれくらいバツグンの探偵眼の持ち主かどうか。これまで身につけた、推理力を試すのはいまなのダ!
さあ、さっそく第1の問題からアタックして、ズバリ、カッコいい名探偵ぶりを、見せてくれたまえ。
フレッ、フレッ、チビッ子探偵……。
(「チビッ子探偵へふたたび挑戦」より引用)
【もくじ】
第1章 意外な隠し場所トリック
第2章 音の錯覚トリック
第3章 変装トリック
第4章 手がかりのトリック
第5章 変わった殺人トリック
第6章 アリバイ・トリック
第7章 意外な犯人トリック
第8章 密室トリック
第9章 消失トリック
『ぼくらの探偵大学』が好評だったのか、第二弾が登場。前回に引き続き、探偵大学のカングリ博士が登場し、色々とレクチャーをしてくれる。
前作ではトリックなどを講義とクイズを通して紹介していたが、本作ではクイズが中心。各章の最初に「教室」という形でトリックについて簡単な紹介を行い、クイズを解くという形になっている。
クイズは全部で35問。まえがきで書いてあるとおり、内外の推理小説から選んだ作品のダイジェストがほとんどである。オリジナルも含め、『トリック・ゲーム』からの引用が多い。
シリーズで買っている人以外には、特に面白いところはない。とはいえ、少年少女向け推理クイズ本としては最初期の一冊であるから、歴史的には覚えておいて損はない。
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