『完全犯罪ゲーム』
作:桜井一
(桜井一:1943年旧満州生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーター。クイズ作家としても活躍。著書に『ビッグ・パズル』『ミステリマップ』『名探偵退場』など。後に風間一輝名義『男たちは北へ』で作家デビュー。)
画:桑田次郎
発行:西東社 シミュレーション・ブックス4
発売:1985年6月31日初版 (本当に、そう書いてあるんだよ)
定価:580円(初版当時)
主人公風間吾郎は親の遺産を使い果たした上、金田金太から5000万円ほどの借金をしており、返済日は明日である。そこで風間はF市の別荘(もちろん抵当に入っているが)に金田を招待し、酒に酔わせた上で殺害した。そして彼はあるトリックを用い、完全犯罪を試みた。
風間は目論見通り、完全犯罪を達成することが出来るか。それは、あなたの選択次第!
1980年代に流行ったシミュレーション・ブックスシリーズの一冊。主人公はカーの有名長編トリックを用いて完全犯罪を狙う。選択により、警察の捜査、友人である名探偵の追求、謎の男からの脅迫などを受けるが、見事切り抜けることが出来るか。それとも刑務所に入ってしまうのか。
シミュレーションの選択肢はそれほど難しくなく、ちょっと慣れてしまえばすぐに「完全犯罪達成」となるであろう。それでも桜井一らしい、皮肉たっぷり溢れる文章が楽しい。また、「完全犯罪達成」には6通りのパターンがあるし、警察に捕まったり死んでしまったりするENDも含めると23通りの終わり方があるので、全部試してみるのも面白いだろう。
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