獅騎一郎『暗号 暗号なぞなぞクイズ』


獅騎一郎 『暗号 暗号なぞなぞクイズ』
(ユニコン出版 ユニコンブックス)




『暗号 暗号なぞなぞクイズ』


 『暗号 暗号なぞなぞクイズ』

 著者:獅騎一郎
(1931年、東京生まれ。衆議院速記者養成所卒後、毎日新聞社勤務。その間、ミステリー映画のシナリオ作家として活躍。またパズル作家としての著書も多数ある)

 発行:ユニコン出版 ユニコンブックス10

 発売:1975年12月初版

 定価:580円(初版当時)




(前略)
 読者のみなさんには、「暗号」の正体が、ざっとはわかってもらえたことと思う。
 この本には、あなたと友だちとが楽しい一日がすごせるような、暗号の作りかたも書いておきましたので、ぜひ、作ってみてください。
(後略)

(「著者との10分間」より引用)

【目 次】
 おかしなおかしなギャグ・マンガ 名探偵全員集合 華麗なる暗号ゲームへの挑戦
 第1編 暗号クイズに挑戦
 第2編 暗号学に挑戦


 第1編は3章に分かれ、合計32問の暗号クイズが収録されている。
 第2編は2章に分かれ、1章では暗号にとりつかれた人々、2章では暗号学入門となっている。
 クイズで扱われている暗号そのものは『スパイ暗号ゲーム』『暗号スパイ大作戦』とそれほど大差はないが、出版社が異なるせいか見せ方を工夫している。やや悪ふざけなところもあるが、まあ楽しめる部類だろう。
 第2章の暗号学は、参考文献などで取り上げられている暗号本を優しく書いたもの。ページ数の都合もあるのでダイジェストな感があるのは否めないが、第1編のクイズと合わせ専門的な説明になりそうなところを、対象読者層と思われる小中学生に合わせた書き方は大いに参考となる。
 冒頭のマンガはナンセンス・ギャグをめざしているのだろうが、正直つまらない。登場する探偵はコロンボ、ルパン、ホームズ、チャーリー張、明智小五郎。この5人が外人部隊として、砂漠にあるドクロ軍を壊滅させるというトンデモ話である。

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