『ドラえもんの小学校の勉強おもしろ攻略 頭を楽しくきたえる! 推理クイズ』(小学館)



『ドラえもんの小学校の勉強おもしろ攻略 頭を楽しくきたえる! 推理クイズ』 『ドラえもんの小学校の勉強おもしろ攻略 頭を楽しくきたえる! 推理クイズ』

 キャラクター原作:藤子・F・不二雄
 まんが監修:藤子プロ
 構成:フォルスタッフ
 まんが:大岩ピュン
 イラスト:しらいしろう

 小学館

 発売:2019年1月14日初版

 定価:850円+税(初版時)




 この本の推理クイズは知識ではなく、物事の見方や考え方を問うクイズです。言葉や絵、図形などから、手がかりやヒント、証拠を探し出し答えを出す能力が必要になります。特に重要なのが、正しい順序で物事を考える「論理的思考力」。すべての強化の学力のもとになるこの力が、クイズを楽しんでいるうちに自然に習得できます!(折り返し「おうちのかたへ」より引用)

【もくじ】
 プロローグ
 第1章 初級編 学校のクイズ
 第2章 中級編 放課後のクイズ
 第3章 上級編 事件のクイズ
 第4章 超上級編 難問クイズ



 ドラえもんの学習シリーズは1990年ごろから出版されており、学校の勉強を中心とした内容をまんがで読みながら理解できる学習まんがということでロングセラーとなっている。ジャンルは「国語」「算数」「理科」「社会」「英語」「体育」「スポーツ」「音楽」「図工」「小学校の勉強」が出ているのだが、本書は「小学校の勉強」のうちの1冊である。
 プロローグで「推理クイズって、なに?」とあり、与えられた条件からあれこれ考えて答えを導く推理力が試されるクイズで、暗号やロジックなどを推理クイズと呼んでいる。「この本の使い方」では、

 絵や図、文章などにかくされている証拠やヒントを探し出して、答えを推理することで、「知識応用力」に必要な「観察力」や「情報の活用力」「論理的思考力」を楽しく育てることができるようになっています。おとなに人気のある推理小説のなぞ解きを楽しむこともできます。

と書かれている。
 このサイトで取り上げている推理クイズは主にトリックや犯人当てが中心となっているため、本来の意味でつかわれている?推理クイズはちょっと外れているだろうが、タイトルがタイトルということもあり、あえて取り上げてみた。それに名探偵コラムが載っており、シャーロック・ホームズ、明智小五郎、金田一耕助、エルキュール・ポワロが紹介されている。
 本の紹介にある通り、イラストや暗号などから回答を導き出すクイズである。しかし風向きが異なるから合成写真だとトリックを見破るクイズなど、藤原宰太郎などの推理クイズに載っているようなクイズもある。もちろん、殺人やアリバイなどの推理小説に出てくるような用語は出てこない……と思ったら、トランプを使ったダイイングメッセージのクイズがあった(苦笑)。
 小学生が一つ一つ順序だってものを考えていくにはいいかもしれない。既存のクイズも多いが、小学生が他の本を読んで答えを暗記しているとも思えないし。


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