『論理力を高めるミステリーパズル』
著者:パズリズム98
(山田マーブル、熊谷あんずなど7名で構成されるパズル製作集団。1998年結成。論理パズル、言語パズル、ビジュアルパズルなど、それぞれのメンバーが得意分野を持ち、雑誌を中心に活躍中。今回の書籍は、主に山田マーブルが執筆を担当)
発行:成美堂出版 成美文庫
発売:2002年12月20日
定価:550円(初版時)
本書を手に取られたみなさんは、多少なりともミステリーや推理小説をいうものに興味や関心をお持ちの方でしょう。
それでは、ミステリーや推理小説の魅力は、いったいどんなところにあると思いますか? ある人にとってはそれはサスペンスフルな物語の展開かもしれませんし、また別の人にとっては探偵のキャラクターかもしれません。
しかし「ミステリー」という言葉が表す通り、最大の魅力は「謎」とその謎を解明していくプロセスにあるのではないでしょうか?
この「謎解き」の面白さをより存分に味わっていただきたい……という意図のもと、本書は企画されました。多少のヒラメキを必要とするもの、純粋に論理的に結論を導き出せるものなど、本書には様々なタイプの推理パズルが収録してあります。必ずやあなたの推理は壁に直面し、事件は迷宮入りとなることでしょう。あくまでも様々な角度から推理の網を張り巡らすのが、問題解決のポイントです。
これらの問題は、最初から順に解いていくだけでなく、推理力に自信がある人なら問題ページの最初にある「レベルメーター」を見て、いきなり難問に挑戦してみるのもおすすめです。
もちろんミステリーや推理小説をこれまであまり読み慣れていない……という人の場合は、レベル1や2の問題からまず挑戦してみてください。きっと謎解きの面白さに、気づいていただけるはずです。
本書が、みなさんのミステリー的興奮をわずかでもかき立てるものとなることを、願ってやみません。
【目 次】
PART1 HOWの章「トリックを見破れ!」
PART2 WHATの章「メッセージを解読せよ!」
PART3 WHOの章「犯人を指摘せよ!」
PART4 WHENの章「アリバイを崩せ!」
実は初めて聞くパズル製作集団の名前なのだが、パズル雑誌では活躍しているのだろうか。
トリックを見破るタイプの問題よりは、間違いさがしや暗号、論理パズル、メモリストを用いた犯人さがしが多いので、よくある“推理クイズ”を求めて購入した読者から見たら、やや肩すかしを与える結果となる。トリックを見破るタイプの推理クイズもあるのだが、残念ながらそのほとんどは、既存の推理クイズと変わらない問題ばかりである。
探偵役にはあの名探偵の孫金田一一子や、「オニ塚」こと捜査一課の塚原刑事、江戸の岡っ引き駒形政次、私立探偵流坂ヒロシなどが登場する。
クイズはストーリー仕立てになっており、解答のあとも物語のオチがついているので、謎が解けなくてもそれなりに楽しむことができるだろう。
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