『3分間ミステリー』
あなたの頭脳に挑戦!
著者:田中文雄
(1941年東京生まれ。早稲田大学在学時はワセダミステリクラブで活躍。東宝でプロデューサとして活躍後、1974年に「夏の旅人」でデビュー。「緋の墓標」シリーズなどの著書がある。草薙圭一郎名義で架空戦記もの多数。)
発行:KKベストセラーズ ワニ文庫
発売:2003年7月5日
定価:619円(初版当時 税抜き)
ビルの屋上から飛び降りた容疑者はどこに消えてしまったのか? 外科医の“完全犯罪”はなぜバレたのか? 真夜中に鳴るピアノの“姿なき演奏者”の正体とは?……など全27問。小説仕立ての本格的ミステリー・クイズの登場だ。犯人探しもあれば、トリックの解明、殺意の真相究明もある。さあ、あなたは何問正解できるか!? 事件発生から謎の解明まで、極上の3分間をどうぞ!
【もくじ】
1 探偵博士ドン・ピシャン
2 名探偵「新宿殿下」
3 名探偵「新宿クイーン」
4 かんざしお駒捕物帳
月刊「クロスワードメイト」(マガジン・マガジン社)に10年にわたって連載してるもののなかからセレクトしたもの。既存の推理クイズに似ているものと、独創的なものが約半々の割合だろうか。ただ、これがクイズの唯一の解答だ、といえるほどの問題は少ない。こういう解答ですよと示されて、なるほど、こういう解き方もあるかと頷くような問題が多い。問題文で状況の説明が少ないため、推理の幅が広がっているのだ。だから唯一無二の解答というものが得られない。はっきりいってしまえば、説明不足で推理のしようがない問題が多い。
問題の解答は、一問先の問題文が終わった次のページに書かれているため、とても見にくい。基本的に問題文の次の、というか裏のページに書けば問題がないと思うのだが。
問題は一応ミニミステリ仕立てになっているが、中身はもう一つだろうか。もうちょっと推理ストーリーに仕立て上げることも可能だったと思う。ただ、名探偵の造形は今ひとつであるが。
月刊誌に10年間連載していたということは、単純に120問の問題を作成したことになる。まだまだ本になっていない問題は多いであろうから、できればこれからも出していってもらいたいものだ。
【その他の推理クイズ本作品リスト】に戻る