『推理クイズ 金田一少年の事件簿』
ライバルたちからの挑戦状
構成・編集/大崎怫造
協力/甲斐真・宮内悠介・山形純広・渡辺千裕
発行:講談社 ボンボンコミックススペシャル
発売:1998年8月5日
定価:780円(初版時)
ミステリーパークは、全体が四つのゾーンに別れている。そして、上の4人(明智警視、怪盗紳士、エドワード・コロンボ、クリス・アインシュタイ)ンが、各ゾーンのクイズ作成を担当したのである。
各ゾーンには、“ブース”と呼ばれる部屋(一部屋外もある)が多数あり、そこに、事件の現場が再現されている。通常は、一つのブースに1人の係員がつき、入場客に事件の状況や手がかりを教えるのだが、今回は一が来るということで、上のクイズ作成者自身が案内役を買って出た。いわばこれは、彼らから一への挑戦状なのである!
はたして、4人のライバルたちと一の推理クイズ対決の行方は・・・・!?
【もくじ】
Crime Zone−エドワード・コロンボからの挑戦状−
Thrller Zone−クリス・アインシュタインからの挑戦状−
Adventure Zone−怪盗紳士からの挑戦状−
Puzzler Zone−明智警視からの挑戦状−
マンガに続き、アニメ「金田一少年の事件簿」が好評だったことからか?、企画された推理クイズ本。新しく作られたテーマパーク「ミステリーパーク」のオープン前に特別に招待された一、美雪、剣持警部が、それぞれのブースに用意されたクイズを解くという形式になっている。問題は全部で57問あるのだから、それぞれのブースを用意したらとんでもない広さのテーマパークになってしまう。問題によってはプールや観覧車まであるのだ。まあ、そんな野暮なツッコミはやめておこう。
表紙はアニメから取ったものだが、本文に使われているイラストは、いずれもマンガからの引用である。
各クイズには難易度が☆で示されており、☆5つがもっとも難しい。
各ゾーンにはタイトルにふさわしい問題が用意されているため、ただの犯人あてや証拠探しだけではなく、ホラーやパズル要素的なクイズも含まれており、バラエティに富んでいる。その点は、企画者の勝利といえよう。
金田一少年ものらしいやり取りも一部含まれており、マンガを読んだことがない読者からしたらちょっと首を捻る部分があるかもしれないが、そういう部分さえ我慢できれば、結構面白い推理クイズ本だといえよう。単純な引用ばかりでなく、少々ひねっている問題もあるから、手こずる問題があるかもしれない。
一部では「単なる知識の問題」もあるが、クイズ作成者自身が堂々と「名探偵には最新の知識も必要」と書いているから、恐れ入るしかない。
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