ミステリー事件調査室編『推理頭脳ゲーム この謎を追え』


ミステリー事件調査室編『推理頭脳ゲーム この謎を追え』
(青春出版社 青春BEST文庫)




『推理頭脳ゲーム この謎を追え』


 ミステリー事件調査室編『推理頭脳ゲーム この謎を追え』

 著者:ミステリー事件調査室編
 (古今東西すべてのミステリーをコンピュータにインプットし、そのトリックや動機、犯人像をパターン化。そうして得られたデータを徹底分析し、今まで誰も考えつかなかった新たなミステリーの可能性を、日々、追求している集団である。)

 発行:青春出版社 青春BEST文庫

 発売:1994年10月1日

 定価:466円(初版時)




 この本は全国のミステリーファンへの挑戦状である。
 密室殺人、人間消失、アリバイトリック、ダイイング・メッセージ、消えた凶器……。
 などなど、ありとあらゆる謎と事件がここには提示されている。
 あなたの慧眼で、これらの難事件、怪事件を解決してほしい。
 事件のヒントは、すべて文中、ならびに写真、イラストに示してある。賢明な読者ならば、見逃すことはないと思うが…。
 ここには五人の探偵が登場する。
 彼らはけっして警視庁の名刑事でもなければ、タフガイ私立探偵でもない。私たちと同じように、普通に仕事を持ち、平凡な日常生活を送っている者である。
 ただし、人よりも少しばかり好奇心が強いことと、推理力にすぐれているのではあるが。彼らはいってみれば、ミステリーファンの代表のような存在なのだ。
 さあ、27の迷宮の扉が開かれる。探偵たちの力を借りることなく事件を見事解決し、彼らの鼻をあかせてほしい。健闘を祈る。

(「読者への挑戦状」より)

【目 次】
 第一章 保険調査員探偵 円長一郎 6つの事件簿
 第二章 フリーライター探偵 高宮伽羅 5つの事件簿
 第三章 テレビプロデューサー探偵 沢田次郎 5つの事件簿
 第四章 辻占い師探偵 千代田卜斎 6つの事件簿
 第五章 看護婦探偵 那須寛子 5つの事件簿


 そのネーミングとプロフィールに思わず笑ってしまいたくなる、ミステリー事件調査室が著した推理クイズ集。その中身は笑ってしまうどころかどうしてどうして、なかなかよくできた推理クイズ集である。クイズに収録されているトリックそのものは、既存のトリックの焼き直しがどうしても多くなるが、問題文の構成、いわゆる見せ方がうまいので、クイズを解くのには結構苦労するのではないだろうか。イラストや写真なども有効に活用されている。後半は推理しにくい機械トリックが中心となっているのは残念だが、近年出版された推理クイズ集としては上の部に入るだろう。

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