氏 名 | 元少年(27) |
逮 捕 | 2020年11月9日 |
殺害人数 | 1名 |
罪 状 | 強盗致死、窃盗、風営法違反、傷害、窃盗未遂、犯人隠避教唆、道交法違反、過失運転致傷 |
事件概要 |
茨城県ひたちなか市の無職の元少年(事件当時19)は、水戸市の解体業、内田潤被告は共謀。2016年2月1日午前3時から同5時45分ごろまでの間、城里町の資材置き場で積まれていた銅線などを盗むためトラックに載せていた際、敷地内に住む銅線やアルミを扱う古物商の男性(当時77)に見つかったため、男性の頭や顔を殴り、首を両手で締め、顔や両手首に粘着テープを巻き付けるなどして死亡させ、銅線など約6トン(計108万円相当)を奪った。 内田被告は当時1人で解体業を営んでおり、男性とは資材の売買といった取引を通じた面識があった。元少年は、内田被告の下で働いていたことがあった。 1日朝、男性の妻が男性の遺体を発見した。 県警は2020年10月、内田被告ら2人が男性殺害の数時間前に水戸市内の建設会社からコンテナ1台(約6万円相当)を盗んだとして窃盗容疑で逮捕。盗んだコンテナが男性殺害後の敷地内に残されていたことから、捜査本部は慎重に裏付けを進めた。 捜査本部は11月9日、別の事件で服役中だった内田被告と、別の事件の傷害罪などで公判中だった元少年を強盗殺人の容疑で逮捕。水戸地検は2人を強盗致死罪で起訴した。同地検は罪名変更の理由を明らかにしていないが、殺意の認定が困難と判断したとみられる。元少年は逮捕時に成人だったため、20歳未満が対象の少年法ではなく、成人と同じ刑事訴訟法の手続きが適用されて裁判員裁判で審理される。 |
裁判所 | 東京高裁 安東章裁判長 |
求 刑 | 無期懲役 |
判 決 | 2024年4月17日 懲役27年(被告側控訴棄却) |
裁判焦点 | 被告側は強盗致死に関して無罪を主張したが、裁判長はすべて退けた。 |
備 考 |
内田潤被告は2022年2月16日、水戸地裁(小川賢司裁判長)の裁判員裁判で求刑無期懲役に対し、一審懲役30年判決。判決は、被害者の首を両手で絞め、顔などに粘着テープを巻き付けるなど、「死因となった暴行を加えたのは共犯者」と認定した。2023年8月30日、東京高裁で一審破棄、懲役28年判決。地裁判決後、遺族に1千万円を弁償した点などを考慮した。2023年11月29日、被告側上告棄却、確定。 2022年12月14日、水戸地裁で求刑無期懲役に対し、一審懲役27年判決。 |
氏 名 | 洲崎秀輝(55) |
逮 捕 | 2014年10月1日 |
殺害人数 | 1名 |
罪 状 | 殺人、銃刀法違反、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂) |
事件概要 |
特定危険指定暴力団「工藤会」系組幹部の洲崎秀輝被告は、他の被告と共謀して以下の事件を起こした。
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裁判所 | 福岡地裁 伊藤寛樹裁判長 |
求 刑 | 無期懲役 |
判 決 | 2024年1月18日 懲役30年 |
裁判焦点 |
裁判員裁判の対象から除外された。 2021年7月19日、「自治総連合会長宅銃撃事件」の初公判で、洲崎秀輝被告は起訴内容について「黙秘します」などと述べ、弁護側は争う姿勢を示した。初公判では瓜田太被告、中西正雄被告と共同であり、両被告も黙秘した。 検察側は冒頭陳述で、瓜田被告が銃撃準備の指示や被害者の行動確認をし、中西被告が銃撃して、洲崎被告が運転するバイクで逃走したと指摘した。 事件では同会関係者8人が起訴され4人が既に有罪判決を受けたが、その1人で同会を離脱した元組員が3被告も絡んだ事件の指示や状況を供述しており、その信用性が主な争点。瓜田、洲崎両被告の弁護人は冒頭陳述で「元組員の供述には問題があり(証拠として)採用できない」と主張し、中西被告の弁護人も「元組員の証言は信用できず中西被告は事件に関与していない」と無罪を訴えた。 その後分離された。 新たに瓜田太被告、IT被告、洲崎秀輝被告との共同審理となった。 2022年1月17日の初公判で、3被告は全ての起訴事実について争うと、起訴事実を否認した。 検察側は冒頭陳述で、各事件の動機について、野村被告が看護師に不満を持っていたことや、暴力団排除に取り組む市民らへの見せしめが目的だったと主張した。 その後、洲崎被告は分離された。 2023年7月20日の公判における論告で検察側は、一連の事件が工藤会の意に沿わない市民への見せしめや組織の利益維持などが目的だったと主張。洲崎被告は射殺事件では実行犯の送迎役、自治総連合会長宅銃撃事件では実行役を務めるなど重要な役割を担ったとして、「市民が標的となる事件を2度と発生させないためにも、厳罰をもって臨み、犯行が割に合わないことを知らしめる必要がある。生涯にわたって償いの日々を送らせるほかない」と述べた。 10月19日の最終弁論で、弁護側は「射殺事件では、被告は何が起きるか分からないまま実行犯をバイクに乗せただけだ」と主張した。その上で「実行犯には殺意はない。また、被告は実質的な連絡をしてないことから、共謀は認められない」と述べ、5つの事件すべてで無罪を主張した。 判決で伊藤裁判長は、工藤会のほかの組員の供述から洲崎被告が実行犯を乗せたバイクの運転手をしたことを認定するなど、4つの事件について洲崎被告の関与を認定。しかし<看護師刺傷事件>では洲崎被告が当日、野村被告の自宅の警護にあたっていたことから「被告に任務の分担があったとの認識には至らない」として、無罪とした。そして「拳銃発射や刃物によって6人に被害がおよび、うち1人は死亡した悪質な犯行。被告は実行犯またはその補佐役などとして積極的に関与した。組織的、計画的に行われた悪質な犯行への関与を繰り返していた」と指摘した。 |
備 考 |