藤原宰太郎『名探偵のトリック館』


藤原宰太郎 『名探偵のトリック館』
(KKベストセラーズ ワニ文庫)




『名探偵のトリック館』


 『名探偵のトリック館』
  38の難事件にようこそ!

 著者:藤原宰太郎
 (藤原宰太郎:推理クイズ作家として数々の著書を執筆)

 発行:KKベストセラーズ ワニ文庫

 発売:1998年10月5日

 定価:524円(初版時 税別)




 『名探偵の推理館』に続いて、トリック博士が活躍するシリーズの二冊目です。
 博士のプロフィールについては、『推理館』で紹介したので、ここでは省略しますが、とにかく推理小説のトリックの収拾にかけては日本一の名探偵です。
 本書は「奇想」「殺意」「逆転」「死角」「迷宮」の五つのテーマに分けました。奇想の章では、ちょっと空想じみてはいるが奇想天外なトリックを、殺意では殺しの完全犯罪のテクニックを、逆転では意表をつくドンデン返し、死角では推理の盲点をついた謎解き、迷宮では常識の枠をこえたトリックを、それぞれ集めてみました。
 どれもみな超ショートのミステリーですが、中身のトリックは重量級ですから、いそいで解答編を読む前に、あなた自身の推理でじっくり謎解きに挑戦してください。ではトリック館の推理の迷路に、どうぞ。

(「名探偵が案内するトリックの迷路にようこそ!」まえがきより)


【目 次】
  奇想のトリック
  殺意のトリック
  逆転のトリック
  トリックの死角
  トリックの迷宮


 トリック博士が探偵役を務める推理クイズシリーズ第2作。過去の推理クイズ本に載せたクイズの探偵役をトリック博士に置き換えたものが中心だが、一応新作(多分)もある。新作ミステリもあたり、トリックを推理クイズに用いようとするその努力は買っていいかもしれない。
 ここに収録されているトリック全てが実用可能かどうか、思わず考えてみたくなるが、それをやってしまっては面白さが半減するだろう。
 大学のミステリー講義で授業を行ったり、著書『密室トリック全集』の売れ行きがアメリカで好評だったりと、そんなトリック博士に自分もなりたかったに違いない。

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