加納一朗『アリバイをくずせ』(永岡書店 ナガオカパンチプックス)



『アリバイをくずせ』  『アリバイをくずせ』
  ズバリ見破れ!!謎の怪事件30題

 著者:加納一朗
 (加納一朗:SF、ミステリなど多数執筆)

 発行:永岡書店 ナガオカパンチプックス

 発売:1980年9月15日初版

 定価:380円(ただし、1980年7月5日 8刷時)




 みじかいミステリー・クイズを集めた同じパンチブックスの『ホシを探せ』の姉妹編として、この本では、キミの推理力がどれだけ向上しているかをためすために、トリックも物語もグンと複雑になっています。
 トリックにはさまざまな形があります。そこで、名探偵を誇るキミの頭脳も、これに対応すべく、あらゆることを知っていなければなりません。つまり、いろいろな勉強が必要なのです。
 さあ、キミのすべての脳細胞をひらめかせて、上級用ともいえるこの難問に取りくんでください。

(序文より)


 推理クイズ30問が収録されている。同じパンチブックスの『ホシを探せ』が初級編ともいえる短いクイズが多かったのに対し、本作品ではちょっと長めのクイズとなっている。
 推理クイズそのものは加納一朗の過去の推理クイズ本から移植されたものが多い。一部は名探偵まで同じ(『名探偵入門』の問題が収録されているものもある)というのもあるが、多くは私立探偵有場伊太郎、サリーこと高倉沙里が名探偵役となって事件を解決している。
 ただ、『推理試験』『続推理試験』からの移植が多いのには気になる。火災保険の問題で手帳から切り抜きを落とす問題まで移植だとは思わなかった。
 本としては可もなく、不可もなくといったところか。ただ、『ホシを探せ』の姉妹編という形にして、購買意欲を高めようというその企画意図は買える。ただ、この二冊の表紙の違いには愕然とさせられるが。


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