青山剛昌監修『名探偵コナンマッピング推理クイズブック』


青山剛昌監修『名探偵コナンマッピング推理クイズブック』
(小学館 少年サンデーグラフィック)




『名探偵コナンマッピング推理クイズブック』 『名探偵コナンマッピング推理クイズブック』

 青山剛昌監修
 編集・企画 キャラメル・ママ

 小学館 少年サンデーグラフィック

 発売:2000年4月20日初版

 定価:571円(初版時 税抜き)





「湯けむり温泉殺人事件」「地下迷宮の謎」「京都誘拐案内事件」「ガラス館の殺人」
「新システム・マッピング機能」を駆使して、
この四大難事件を
解決するのはコナンと……
キミだ!!

(裏表紙より)


【目 次】
 第1章 「湯けむり温泉殺人事件」
 第2章 「地下迷宮の謎」
 第3章 「京都誘拐案内事件」
 第4章 「ガラス館の殺人」


 青山剛昌作『名探偵コナン』は「週刊少年サンデー」に永年連載されている人気推理コミック。高校生探偵として有名だった工藤新一が、悪人の手で子供の体にされてしまい、その後は小学1年生江戸川コナンとして活躍する。漫画は大ヒット、アニメ化・アニメ映画化もされてさらに人気は拡大した。
 その他の設定は、他のサイトを見てもらうことにします。

 『名探偵コナン推理クイズブック』シリーズが装いも新たに登場。
 今回は「マッピング機能」が中心。ようするに、地図を参考にして解くというだけのことではあるが。
 各章の最初に登場人物と、問題で使用される地図がカラーで紹介されている。何れの章でも地図を用いて事件を解くが、地図の使い方などは章によって異なる。
 第1章は地図と時刻表を使用。毛利家と、同窓会のメンバーが東ノ湖周辺の名所をバスや電車、船などを用いて刊行するが、途中でガイドの女性が殺害される。犯人は同窓会のメンバー? コナンたちは各自の証言を参考にアリバイのない人物を捜す。
 途中で迷路や間違い探し、暗号などのクイズを挟みながら、仲間の情報などを聞き込み、アリバイ表を作った上で犯人の工作を見破り、事件の謎を解く。
 第2章は地図を用いたシミュレーション形式。歩美が拾った「宝の地図」をもとに、コナンと少年探偵団たちが町はずれの洋館に乗り込む。途中で暗号などのクイズを解きながら、迷路を脱出し、宝を発見することができるか。幽霊の正体は。
 第3章は地図を使用。西の名探偵、服部平次に誘われて京都へ来たコナンと蘭。ところが、平次の幼なじみ、和葉が誘拐された。犯人は平次に恨みを持つ男。和葉の居場所には爆弾が仕掛けられており、3時間後に爆発する。コナンたちは犯人から提示される暗号やクイズをもとに、京都の町を走り回る。今回は、どこを通るかがポイント。
 第4章は館内見取図が重要となる。毛利探偵事務所へ目暮警部から電話が入る。長野県にある署の研修施設の近くで事件が起きた。密室内で男性が死んでいた。状況から自殺と思われたが、不審に思った目暮は、名探偵と名高い毛利小五郎に検討を依頼する。高木刑事、佐藤刑事、白鳥刑事の報告書を元に、コナンは事件の謎を解く

 各章とも地図を用いた謎解きを行うが、それぞれの章で地図の使い方が異なるため、飽きが来ない。地図を片手に、色々な問題を解いていかないと前へ進むことができない。示される問題そのものはそれほどの難易度はないが、地図との組み合わせとなるため、解決にたどりつくまでは結構手間がかかる。
 150ページ程度の厚さで4問も収録したため、やや詰め込みすぎたのではないかという印象がある。
 制作者側としては、この本がヒットすれば続けて出したかったのだろうが、残念ながらコナンの推理クイズブックシリーズは本作で終了してしまう。数少ない推理クイズシリーズだったので、できれば新しいシリーズを出してもらいたいものだ。

【その他の推理クイズ本作品リスト】に戻る