『妖怪からの挑戦状 ザ・スリラークイズ 恐怖の館へようこそ』
著者:吉村一伸
(1936年名古屋市生まれ。全国発明工夫コンクールで奨励賞受賞など。婦人雑誌・電気雑誌等に多くの記事を記載。パズル・クイズ問題にも取り組む。著書に『7日間のクイズ狂』『趣味の電子工作入門』などがある。)
発行:KKベストセラーズ ワニの本
発売:1987年6月5日初版
定価:690円(初版当時)
私は“スリラー”が大好きだ。子供の頃からスリラー映画となると、胸ときめかせて見に行ったものだ。なかでも、ドラキュラ、フランケンシュタイン、狼男などは、我が愛すべき妖怪たちだ。今でも映画の一つ一つのシーンが、鮮明によみがえってくる。
そんな大好きなスリラーを、クイズにしたのがこの本である。怖いストーリーを手に汗にぎり読みながら、クイズを楽しむ。これこそまさに、一石二鳥の面白本というわけだ。
このクイズには、世界中のたくさんの妖怪が登場する。ドラキュラ、フランケンシュタイン、透明人間、狼男、ミイラ男等々。そして、そこにはありとあらゆる“恐怖”と“謎”が仕掛けられているのだ。
もし、君がクイズにあるよ名場面に出会ったらどうするか?
さあ、ホームズになるか、妖怪の餌食になるか、それはキミの考え方ひとつで決まるのだ。
【もくじ】
挑戦1 吸血鬼ドラキュラが甦った
挑戦2 フランケンシュタイン怒りの逆襲
挑戦3 狼男の咆哮が聞こえる
挑戦4 復讐鬼ミイラ男の死の呪い
挑戦5 透明人間の姿なき殺人事件
挑戦6 闇夜にろう人形が浮かぶ
挑戦7 四次元魔境からきた幽霊船
挑戦8 戦慄! 怨霊が棲む館
挑戦9 殺人鬼たちの怪奇事件発生!
挑戦10 震撼させる恐怖仕掛人は誰だ
タイトル、目次にあるとおり、世界の妖怪を主題にしたクイズ本。妖怪たちの正体を見破るクイズ、妖怪たちから逃れるクイズなどがあるが、他にも妖怪たちの事件を解き明かしたり、妖怪の仕業に見せかけた事件の物理トリックを見破るクイズなどがあり、充分推理クイズの範疇に入ると判断し、今回リストに載せることにした。
藤原宰太郎『悪魔と名探偵』でもそうだが、妖怪たちをテーマにすることにより、一風変わった推理クイズを作ることができる。ストレートに妖怪の弱点を扱ったクイズが多いが、妖怪の特徴を生かしたクイズ、さらに妖怪の特徴を逆手に取ったクイズ、妖怪の特徴を利用した人間の犯行などのクイズがあり、頭を使わないと解けないものも多い。
ちょっと変わった推理クイズ集として、記憶にとどめておくべき一冊である。
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