草野唯雄・川辺豊三『ルパンからの挑戦状』(学習研究社 ユアコースシリーズ)


『ルパンからの挑戦状』

 『ルパンからの挑戦状』

 著者:草野唯雄・川辺豊三
(草野唯雄:1915年福岡県生まれ。1961年、本名名義の短編「報酬は一割」が第2回宝石賞佳作。1969年、乱歩賞最終候補作『抹殺の意志』を刊行。1971年、専業作家に。数多くの著書がある)
(川辺豊三:1913年神奈川県生まれ。船員、貿易商、工場主などを経て東京電力に勤務。1936年頃から短編を発表。1961年から推理小説雑誌や大衆小説雑誌に短編を発表。後に長編も書く)

 本文:草野唯雄、川辺豊三
 装丁:日本プランニングセンター AD 布川和明
 本文デザイン:福田彰次
 表紙イラスト:笠間しろう
 イラスト:池田真一、笠間しろう、河合秀和、斎藤和明、原田紘一、樋口太郎、福田彰次、椋陽児、柳柊二、山本耀也
 マンガ:旭丘光志、飛鳥ユウビ、岩本悦成、河合秀和、北沢しげる、高橋たくみ、つづき佳子、原島三郎、三村貞、山口太一  図版:高橋道子

 発行:学習研究社 ユアコースシリーズ
 発売:1974年10月1日
 定価:450円(1976年10月、第7刷時)


 推理小説を読んでいて、とちゅうで犯人がわかったらもうおもしろくない、という読者が多いが、私はこれはほんとうの読み方ではないと思う。
 その小説がたんに犯人さがしだけをねらったパズル的なものならともかく、もし小説としてもすぐれたものだったら、犯人がわかってもおもしろく読めるはずです。
 なぜなら、その犯人が自分の犯行であることをかくそうとするあがき、探偵との息づまるような心のたたかい、そういった緊迫感が味わえるからです。
 犯人がはじめからわかり、その犯行手口もわかっていてもハラハラゾクゾク、スリルのある推理小説はおもしろいものです。これは倒叙推理とよばれる推理小説の一つの型で、これに対してだれが犯人かわからず、探偵の推理と活躍で、最後にその正体がわかるものを本格推理とよんでいます。
 しかし、なんといっても、みなさんが推理小説のおもしろさに気づいて読みだしていくのは、やはりトリックの門からでしょう。
 「ホームズからの挑戦状」(発売中)につづいてこの「ルパンからの挑戦状」にも、そのトリックとおもしろいなぞときがいっぱいです。
 どうかこの門をくぐって「知恵と知恵のたたかい」の舞台の中に足をふみ入れてみてください。思いもしなかった新しい未知の世界があなたの前にひらけてくるはずです。
 ホームズとルパンは、昔から少年少女の夢のヒーローであったし、これからもそうでありましょう。このふたりはいわば推理小説のふるさとなのです。ではルパンからあなたへ。愛をこめて。

(「筆者のことば」より引用)

【もくじ】
 プロローグ劇画 ルパンの脱獄大予告
 挑戦状1 ミニクイズ編
 挑戦状2 劇画編
 挑戦状3 短文編
 挑戦状4 長文編


 『ホームズからの挑戦状』が好評だったのか、第二弾として発表されたのが本書。ホームズの次にルパンが来るのはお約束である。
 前著と異なり、最初はミニクイズ。イラストを使った推理クイズが多く、2ページで3問載っている。次は劇画クイズで、いずれも劇画を読んで推理する形式となっている。前著のテイストが出てくるのは「挑戦状3」からである。
 この方式になったのは問題数を減らすためか、それともニーズに沿っての方針か。問題文も前作ほど面白くなく、笑わせようとして失敗するようなところが目立つ。
 第二弾という事で手を抜いたという言い方は失礼だが、前作ほどの面白味はない。

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